【授業の目的】
本講義の目的は以下の通りである。 1)「ミクロ経済学1・2」で学んだ経済理論をさらに深く検討する。 2)家計や企業の経済行動および市場メカニズムの機能や限界に関する応用的分析について理解を深める。 3)図や数式を用いた分析を行うことによって,経済現象の本質を理論的に解明する力を身に付ける。 4)最適化行動,インセンティブなどの経済理論を現実の課題解決に応用できる能力を身に付ける。
【授業の到達目標】
(1)ミクロ経済学の基本および中級レベルの理論や概念を理解できるとともに,説明できる【知識・理解】。 (2)社会現象を経済学的に考えることができる。あわせて,自分でより上級の文献を購読していくことができる【態度・習慣】。
【授業概要(キーワード)】
ミクロ経済学,市場メカニズム,一般均衡分析,不完全競争市場
【科目の位置付け】
この科目は,経済分野の高度な「専門知」を獲得し,論理的な思考能力と統計・資料に基づく分析力を養うために編成されている(人文社会科学部 経済・マネジメントコースのカリキュラムポリシー)。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに 08.働きがいも経済成長も 09.産業と技術革新の基盤をつくろう
【授業計画】
・授業の方法
配布プリントを中心に板書をしながら講義を行う。講義では,ミクロ経済学の基本および中級レベルの理論や概念について説明するほか,理論を用いて現実の経済現象がどのように説明できるかについても解説する。
・日程
(1)「ミクロ経済学1・2」で学んだ基本事項の確認 (2)消費の理論の応用 (3)生産の理論の応用 (4)短期均衡と長期均衡 (5)部分均衡分析から一般均衡分析へ (6)資源配分の効率性と厚生経済学 (7)不完全競争 (8)市場の失敗 (9)まとめと期末試験
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
科目の性質上,図やグラフを板書して説明することが多くなるが,説明に必要な図やグラフは配布プリントにも描かれている。配布プリントに必要な事項を追加記入するなどして,講述内容を集中して聞いてほしい。板書事項を書き写すことに夢中になって説明を聞きもらしてしまったということがないように。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
〈予習のあり方・事前の準備〉「ミクロ経済学1・2」の講義内容は十分に理解しておくこと。特に,需要曲線や供給曲線の導出過程については,受講前に確認しておくことが大切である。また,授業時に指定された練習問題を事前に解いておくこと。 〈復習のあり方〉ミクロ経済学は基本的な概念や考え方を積み重ねて学ぶ学問なので,わからないところをそのままにしておくと,それ以降の内容が全く理解できなくなってしまう可能性が高い。時間に余裕があるときに,ノート・配布プリント・テキスト・参考書等によって,内容を整理して理解することが重要である。わからない点は遠慮なく質問してほしい。
【成績の評価】
・基準
「主体的な参加の度合い」,「知識の習得の度合い」,「理解の度合い」,「汎用的技能修得の度合い(論理的思考力,文章表現力)」の4つの基準で成績評価を行う。特に,基本的な概念や理論について理解しているか,それらを用いて現実の経済現象を説明できるかを評価の際に重視する。
・方法
筆記試験(85%)小レポート・小テスト(15%)の成績によって成績評価を行う。
【テキスト・参考書】
この授業では,担当教員が作成したプリントを授業時に配布して講義を行う。 〈参考書〉必要に応じて、講義時に紹介するが,ここでは,微分を使わずに中級レベルでミクロ経済学の広範な領域を解説したものとして,西村和雄著『ミクロ経済学入門 第2版』(岩波書店),ヴァリアン著・佐藤隆三(監訳)『入門ミクロ経済学 原著第9版』(勁草書房)を挙げておく。微分を用いた中級レベルの文献としては,武隈慎一著『ミクロ経済学 増補版』(新世社),荒井一博著『ミクロ経済理論(第2版)』(有斐閣),奥野正寛編著『ミクロ経済学』(東京大学出版会),神取道宏著『ミクロ経済学の力』(日本評論社),林貴志著『ミクロ経済学 増補版』(ミネルヴァ書房)などがある。なお,演習問題を解くことによって理解を深めたい場合には,西村和雄ほか著『経済学ベーシックゼミナール』,『経済学ゼミナール上級編』(ともに実務教育出版),奥野正寛編『ミクロ経済学演習』(東京大学出版会),神取道宏著『ミクロ経済学の技』(日本評論社)を参照するとよいであろう。
【その他】
・学生へのメッセージ
講義はミクロ経済学の基礎的知識を修得していることを前提としてすすめていくので,原則として「ミクロ経済学1・2」の単位取得者を履修対象者とする。未履修の場合は「ミクロ経済学1・2」を並行履修することが望ましいが,時間割の関係で並行履修ができない場合は相談してほしい。
・オフィス・アワー
前期・後期:火曜日 15時30分から17時まで 是川研究室 会議や出張等で不在にすることがあります。上記以外の時間でも質問などを受け付けますので,確実に面談した場合は,学生便覧に記載の是川のメールアドレスに連絡してください。
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