共創実践演習Ⅰ
 Practical Exercise for Co-CreationⅠ
 担当教員:菅生 達仁(SUGAOI Tatsuhito), 滝澤 匡(TAKIZAWA Tadashi), 土井 敬真(DOI Hiromasa), 渡邉 信晃(WATANABE Nobuaki)
 担当教員の所属:社会共創デジタル学環
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):菅生 達仁
成功と失敗を含め複数の起業経験がある。起業以前は外資系医療機器メーカーと金融事業会社において、マーケティングと新規事業開発を経験。さらにリーン・シックスシグマの手法を用いた業務プロセス改善も経験した。また海外での経験も含まれており、アメリカにおいて業務プロセス改善、タイにおいて廃業寸前の事業を立て直した経験もある。
 開講学年:1年  開講学期:前期  単位数:4単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
本科目は
(1)地域体験パート:(5回)
(2)店舗経営パート:共創アントレプレナーシップと連動した演習(10回)
で構成される。

(1)地域体験パート
地域の方々や学生との活動を通じて年齢や背景の異なる人々と協働する経験を積み,コミュニケーション力等の協働力の向上を目指す。また,地域の現状と課題を体験的に学習する。これらは2年次の共創実践演習におけるイベント運営を行う際の下地となる。

(2)店舗経営パート
事業計画の策定を目的とし、質の高い事業計画を作成できるようになることを目指す。具体的には、共創アントレプレナーシップⅠで学ぶ知識を用いながら、実践演習用として学内に設置予定の「カフェ」を経営するための事業プランを作成する。作成した事業プランは、専門家、教員及び学生が評価し、後期のカフェ経営において実践する事業プランとして一つを採択する。

【授業の到達目標】
1)地域の現状や事業立ち上げ及び経営に必要な知識を理解し、課題解決に向けて意欲的に取り組むことができる。【知識・理解】【態度】
2)グループワークを通じた活動・学習により、他者への理解・共感を与えることのできるプレゼンテーション・コミュニケーション力(対話・情報伝達)や異なる意見に対する柔軟性など組織で活躍するために必要な能力を向上できる。【技能】
3)カフェ経営のための事業計画書を作成することができる。【技能】

【授業概要(キーワード)】
顧客、課題解決、価値提供、損益計算書、キャッシュフロー、資金調達、事業の仕組み、ビジネスプラン(事業計画)、プレゼンテーション、体験型学習、地域理解、汎用的能力

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:26~50%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:26~50%
B-3.習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。:26~50%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
この授業は地域活動と店舗経営の学習を通じて、幅広い視点で課題を捉え、多様な考え方や立場を尊重し、他者と協働して課題解決のための創造力と倫理的思考力の向上を目指すものである。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
08.働きがいも経済成長も
09.産業と技術革新の基盤をつくろう
17.パートナーシップで目標を達成しよう

【授業計画】
・授業の方法
(1)地域体験パート(6月~8月の週末および休暇中に集中的に実施):社会福祉協議会や子供育成会と連携し、小白川キャンパス周辺の地域活動(公園清掃や子どもイベントの運営補助)に参加する。

(2)店舗経営パート
1) 事業計画作成に必要なテンプレートを提供し、テンプレートの中で必要とされる知識等について理解を確認しながら授業を進める。
2) テンプレートを基にして作成した要素ごとの事業計画について、フィードバックを提供しながら、教員またはメンターがより良い事業計画の策定に向けた支援を行う。
3) ビジネスプランの作成と発表を最終成果物として位置づけ、中間並びに最後に発表をおこなう。
・日程
第1~5回:(1)地域体験パート
4~5月に全員で事前学習を行った後,チームに分かれて6月~8月の週末および休暇中に学外の地域活動へ参加します。

第6~15回:(2)店舗経営パート
第 6回目 事業計画の目的及び内容の考察、効果的なグループでのワーク
第 7回目 学環カフェ及び周辺環境の視察
第 8回目 チーム分け及び事業計画の検討(課題の発見)
第 9回目 事業計画の検討(課題の発見(続))
第10回目 事業計画の検討(解決策の策定)
第11回目 中間発表
第12回目 事業計画の検討(外的要因の考察)
第13回目 事業計画の検討(Go-to-marketプランの策定)
第14回目 事業計画の検討(財務計画の策定)
第15回目 事業計画の発表及び実践する計画の採択

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
1) 授業で話されることや示される資料・動画から得たことをノートへ筆記するなどし、理解に努める。
2) グループでの議論を促されたときは、与えられたテーマについて時間内に議論し端的に発表できるように努める。
3) 事業計画策定に時間を使うことが中心となる。グループでの役割とグループワークの進め方、グループ内のローカルルールを明確にした上で取り掛かること。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
(1)地域体験パート
・配布資料や山形から考えるハンドブック「現地講師からの学び方」で事前学習をしてくることが望ましい。 
・授業後は学習内容や自身の行動をふりかえり、レポート作成に備えてください。
(2)店舗経営パート
1) 回を重ねるごとに知識の連携が必要になるので,授業の該当箇所を自分で探し関連づけることが重要。
2)学習した内容をもとに、グループ(グループは授業開始後に決定)で事業計画を作成し発表する。事業計画の作成は一朝一夕にできるものではないので、適宜グループで集まり、事業計画の内容について議論及び作成する時間を作ることが必要。

【成績の評価】
・基準
(1)地域体験パート
現地での活動態度と体験レポートにより評価する。
活動では地域の方々や学生と積極的に交流し、自発的に行動する姿勢を評価する。
体験レポートでは、地域活動を通じて学んだことをまとめる力と今後に活かす発展的な考察を評価する。

(2)店舗経営パート
以下の3項目が合格の基準である。
1)授業に積極的・能動的に参加できていることが合格の基準。積極性と能動性を示すために、発言を促されたときは遠慮することなく自分の考えや意見を発して欲しい。
2)最終成果物として提出するビジネスプランにおいて、次の内容が漏れなく入っていることが合格の基準。
・どんな課題を解決するためにその事業を興すのか。
・対象顧客は誰か。
・どれくらいの市場規模が想定されるか。
・どんな商品(価値)を提供するのか。
・顧客の獲得方法。
・どれくらいの売上と費用がかかりそうか。
・事業に必要な資金をどのようにして集めるか。
3)ビジネスプランの発表姿勢と発表方法を通じて、「もっと話を聞いてみたい」と思わせることが合格の基準。
・方法
(1)地域体験パート:30点(活動態度:20点+体験レポート10点)

(2)店舗経営パート:70点
1)事業計画の中間発表(評価の観点は第1回目授業時に発表します):30点(3~4人で1グループ:10分以内)
2)事業計画の提出と最終発表:40点(3~4人で1グループ:10分以内)

【テキスト・参考書】
【参考書】
・高田 貴久(著)、岩澤 智之(著)「問題解決―あらゆる課題を突破する ビジネスパーソン必須の仕事術」(英治出版)
・加藤昌治(著)「アイデア」(CCCメディアハウス)

【その他】
・学生へのメッセージ
高校までの受動的な学習とは異なる機会を活用し、楽しみながら学んで下さい。

事業計画を作成する過程には、論理的思考と創造力が必要です。これらは社会で活躍する際に必ず役に立つ能力です。これらの能力を磨く機会としても捉えてください。
・オフィス・アワー
事前にアポイントを取った上で教員の研究室へ来てください。

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