【授業の目的】
健康保持増進、疾病予防を目的として公衆衛生や健康問題の変遷を考えながら学校保健と学校環境衛生を中心に学びます。 感染症、化学物質、放射能、食の安全安心関連、リスクコミュニケーションをはじめとする生物学的、化学的、物理的、文化的要因など広い範囲の事象を通して健康を守る公衆衛生の方法をきちんと理解し、学校保健への応用を考えます。とくに、環境衛生に関しては実際に測定して理解を深めます。さらに、公衆衛生に関する最新の情報を正しく理解して実社会に役立てます。
【授業の到達目標】
公衆衛生の全体を把握した上で学校保健・学校環境衛生に焦点を当て、現在問題になっている事象を正しい目で判断できる。
【授業概要(キーワード)】
環境衛生 リスクコミュニケーション 学校保健
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25% D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25% A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
学校環境衛生について衛生学の面から科学的な認識を持ち、学校における保健管理および安全管理へ応用できる能力を身につけるための科目です。 専門教育科目(衛生学・公衆衛生学(予防医学を含む。))(必修)
【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を 04.質の高い教育をみんなに 06.安全な水とトイレを世界中に 12.つくる責任つかう責任
【授業計画】
・授業の方法
最新の情報や資料を用いて講義を行い、実際に体験できる環境の測定を交えて理解します。
・日程
1.保健衛生・健康福祉の概要と学校保健の関わり 2.環境検査Ⅰ(空気、照度、騒音など、測定を含む) 3.環境検査Ⅱ(飲料水、プール水など、測定を含む) 4.環境検査Ⅲ(応用、測定を含む) 5.学校環境衛生(物理的、化学的環境など) 6.学校環境衛生(生物的、文化的環境など) 7.食品衛生(食中毒など) 8.食品衛生(食の安全安心、食品添加物など) 9.公衆衛生全般の流れ(歴史から現代まで) 10.感染症の予防(インフルエンザなど感染症について) 11.健康増進・疾病予防(アレルギー、シックスクール、BSE、熱中症など) 12.健康増進・疾病予防(生活習慣病、薬物乱用など) 13.学校保健に関わる実際事例Ⅰ(ホットな話題、重要な話題) 14.学校保健に関わる実際事例Ⅱ(ホットな話題、重要な話題) 15. まとめ
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
はじめに衛生学・公衆衛生学の全体の組み立てを紹介しますので、これを念頭に置いて、現在行っている講義はどこに位置するかを意識すると解りやすくなります。また、実際に測定する時間を設けますので積極的に参加してください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
必要のあるときは講義の資料をあらかじめ渡しますので目を通してください。 講義の時間では足りない分を資料として渡し、重要点をお知らせします。インターネット等で最新の情報を検索するのも良いでしょう。ただし、情報が正しいとは限りませんので区別する力を養う必要があります。
【成績の評価】
・基準
学校保健・学校環境衛生で現在問題となっている事象を正しく判断できているか評価します。
・方法
評価は、提出物(測定結果のまとめと考察および小テストなど(3割))とレポート(7割)により行います。提出物およびレポートについては授業中に詳しくお知らせします。
【テキスト・参考書】
<参考書>鈴木庄亮、久道 茂:「シンプル衛生公衆衛生学」、南江堂 <参考書>学校保健・安全実務研究会編著:「学校保健実務必携」、第一法規 <参考書>日本学校薬剤師会 編:「学校環境衛生の基準解説」、薬事日報社
【その他】
・学生へのメッセージ
江戸時代の学者貝原益軒は、『養生訓』の中で「衛生の道ありて長生きの薬なし」と言っています。衛生・公衆衛生、環境衛生は人々を健康にし幸せにする方策そのものです。児童生徒のみならず、我々みんなが元気になれるよう共に学びましょう。
・オフィス・アワー
授業時間外に質問等がある場合は別科のアドバイザー教員に申し出てください。
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