【授業の目的】
フェイクニュースやフェイク動画が普及している。自動で判別する技術も進化しているが、それに伴いフェイクニュースやフェイク動画も巧妙化している。機械的な判別には限界がある。一人一人の個人として、情報を分析し、咀嚼し、判断する力を身につけ、情報社会で活躍する素養を身につけることが目的である。
【授業の到達目標】
(1)エコーチェンバーやフィルターバブルやサイバーカスケードなど、情報リテラシーに関する言葉を理解し,自分の言葉で述べることができるようになる。【知識・理解】 (2)クロスチェックなど情報を判断するしたり、情報社会の問題を考えるときに、データに基づいて考えることができる。【技能】 (3)インターネット上の情報などを見たときに、鵜呑みにすることなく、俯瞰したものの見方考え方ができるようになる。【態度・習慣】
【授業概要(キーワード)】
情報社会、フェイクニュース、ディープフェイク、エコーチェンバー、フィルターバブル、サイバーカスケード、学生主体型授業(アクティブラーニング)
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25% B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25% C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25% B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25% C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25% A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25% B-3.習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。:1~25% C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
情報社会で生きるために学ぶべき教養として位置づける教養科目である。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
08.働きがいも経済成長も 09.産業と技術革新の基盤をつくろう 11.住み続けられるまちづくりを
【授業計画】
・授業の方法
様々な情報を比較検討し、情報社会の構造や様々な社会問題について考え,プロジェクト学習を行う.
・日程
第1回 オリエンテーション 第2回以降は教科書に沿って進めます。 第2回 真実と信頼とジャーナリズム:なぜそれが問題なのか 第3回 「情報障害」について考える:偽情報、誤情報、悪意のある情報の形態 第4回 ニュース業界の変革:デジタル技術、ソーシャルプラットフォーム、誤情報・偽情報の蔓延 第5回 メディアと情報リテラシー(MIL)を通じて偽情報と誤情報に対抗する 第6回 ファクトチェック 第7回 ソーシャルメディアを検証する:情報源と映像コンテンツの評価 第8回 オンラインでの虐待との闘い:ジャーナリストとその情報源が標的となる場合 第9回 第8回までに学んだことを、様々なデータに当てはめ、情報の質を評価し考察する 第10回 外部講師による講演 第11回 データのトレンド比較 第12回 データを用いた自分で考えた係数作り 第13回 自分で考えた係数を用いたレポートをまとめる 第14回 レポートの発表 第15回 教科書の内容に関するオンライン試験と全体のまとめ
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
第2回目以降は,前の時間にどんなことを学んだのか,授業開始時に答えられるように準備しておいてください. 説明の中の言葉の意味や操作方法がわからない場合は,インターネットで検索する習慣を身に着けてください.例えば,「機関ログイン」の意味 が分からなければ,インターネットで検索されてくる意味や操作方法でおよそ間違いはありません. また,文献を検索した時に,閲覧するためには有料であることがよくあります.そのような場合,「機関ログインを外す」操作をすれば,無料で 閲覧できる場合がありますので,試してみてください. 学習時間については,大学設置基準通りです.半期15回の通常授業は2単位ですから,90時間の学習を予習・授業・復習を必要とすることに なります.
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
レポート課題作成にあたり,前期開講科目「計量分析入門(数理科学)」を受講していると楽に取り組めます.ただし必須条件ではないので任意です. また,ポートフォリオを用いたBSブルームのタキソノミーによる評価を行います。学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安は,予習90分,復習90分です。90分の授業に対して,180分の自宅学習が原則です。 授業を履修すれば終わりではなく,終わりではなく,授業で扱ったテーマについて,自分で調べたり考えたことも随時授業ノート(フォーム)に記録してください。
【成績の評価】
・基準
多くの課題は,前の課題とつながっています.後ろの方の課題は,前半の内容が生かされている必要があります. たとえば, ・SNSの利用のメリットとデメリットの議論 ・ジニ係数の算出とその偏りについての議論 ・THE DIGITAL SOCIETY INDEX 2018リポートの輪読 を終えた後に,「スマートシティーのモデルを作成しよう」という課題を出した場合には,SNSの普及に伴う問題と,ジニ係数の偏りと,リポートの内容を活用したモデルを作成する必要があります.授業で学んだことがしっかり身についていることを課題等から評価します.
・方法
ミニッツペーパー、リフレクションペーパー(紙ではなくWeb入力の授業ノート形式)20点 ジニ係数課題 20点 自分で考えた係数を用いたレポート 20点 情報社会をテーマとしたレポート 20点 オンラインテスト 20点
本授業で行う評価の元になる考え方は,(Bloom, Benjamin S. Taxonomy of Educational Objectives (1956). Published by Allyn and Bacon, Boston, MA. )の評価論がベースとなっています。詳しく知りたい人は,下記書籍を参照してください。 加納寛子(2002)ポートフォリオで情報科をつくる―新しい授業実践と評価の方法,北大路書房
【テキスト・参考書】
[テキスト] 加納寛子(翻訳・監修)『ユネスコ フェイクニュース対応ハンドブック――SNS時代のジャーナリズム教育』明石書店 [参考書]・レポートの書き方について 加納寛子(2021(第4版))『チャートで組み立てる レポート作成法』丸善 ・情報社会の諸問題について 加納寛子(2007)『情報社会論〜超効率主義の構図〜』 北大路書房 『即レス症候群の子どもたち ケータイ・ネット指導の進め方』日本標準(2009) 『「誰でも良かった殺人」が起こる理由 ― 秋葉原無差別殺人事件は何を問いかけたか』日本標準ブックレット(2008) 『ケータイ不安〜子どもをリスクから守る15の知恵』NHK出版生活人新書(2008) 『現代のエスプリNo.492 ネットジェネレーション バーチャル空間で起こるリアルな問題』至文堂(2008)
【その他】
・学生へのメッセージ
千利休の思想に[守・破・離]の思想があります.1年生の教養科目は,[守]の部分が中心です.まずはテキストや,文献・新聞などを読むことができるようになってください.また,ディスカッションで意見を述べるときには,思いつきの意見ではなく,エビデンス[根拠]を明確にした意見を述べられるようにしてください.
・オフィス・アワー
特別な理由がない限りZOOMにて相談に対応します.時間は,主に授業終了後とします.それ以外は,下記フォームからZOOM接続を希望する日時を3パターン程度書いて連絡を取って下さい. ホームページ:http://pbdspace.kj.yamagata-u.ac.jp/
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