【授業の目的】
この講義では、植物をめぐる生物間のつながりの事例を通して、生物間相互作用と共生関係に関する基礎的な知見について紹介する。多くの生物は、他の生物に依存して生活しており、特に植物は移動性が低く光合成を行うという生物学的特性から、他の生物との関連が深い。ここでは具体的な事例を通して、個々の生物を独立した存在としてとらえるのではなく、相互の関連を常に考えながら観察する目を培うことを目的としている。
【授業の到達目標】
植物をめぐる生物間のつながりと共生に関する知見を通して、生態系において生物が相互に関係を持ちながら生きていることを理解し、そのような視点で自然界を概観することができるようになる。【知識・理解】
【授業概要(キーワード)】
植物、動物、真菌、細菌、寄生、共生、共進化、学生主体型授業(アクティブラーニング)
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:26~50% C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
この授業は、生物間の共生関係を主体的に学ぶ経験を通して、他者との共存について考え、自分自身の問題意識を醸成することを目的とした、基幹科目(人間・共生を考える)として実施する。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
15.陸の豊かさも守ろう
【授業計画】
・授業の方法
講義のパートはパワーポイントを利用して行います。講義に使用するプレゼンテーション資料を印刷したものを配布します。講義で紹介するテーマに関連した内容のグループワークとプレゼンテーションも行ってもらいます(1グループ2回)。
・日程
第1回:授業概要 第2-4回:植物をめぐるさまざまな生物間相互作用(1-3:主に動物) 第5,6回:グループワーク(1,2) 第7,8回:植物と他の生物の共生関係(プレゼンテーション1) 第9,10回:植物をめぐるさまざまな生物間相互作用(4,5:主に微生物) 第11,12回:グループワーク(3,4) 第13,14回:植物と他の生物の共生関係(プレゼンテーション2) 第15回:追加プレゼンテーション、まとめ
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
この授業はグループワーク、プレゼンテーションなど、学生が主体的に参加する学習活動を含みます。休まずに受講し、理解できなかった点などは積極的に質問して下さい。講義中に説明する内容の中に重要な点がありますので、受講中は必ずメモを取って下さい。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
プレゼンテーションのテーマとなる文章を読む際、下記の参考書などを読んで予習しておくと理解が深まります。理解できなかったことは、できるだけ早く質問して解消すること。さらに講義後に配布資料、参考書などを読んで自主的に学習すると、より理解が深まります。
【成績の評価】
・基準
講義で紹介した共生に関する主な現象について理解できているかを、グループワークの態度とプレゼンテーションの内容により評価します。
・方法
グループワーク時の議論への参加態度(40%)、およびプレゼンテーションの内容(60%)を合わせて評価します。
【テキスト・参考書】
事前のテキストとして個別に指定するものはありませんが、必要な資料やプリントを授業ごとに配布します。 参考書 1)種生物学会(編)「共進化の生態学ー生物間相互作用が織りなす多様性ー」文一総合出版 2008 2)種生物学会(編)「種間関係の生物学—共生・寄生・捕食の新しい姿—」文一総合出版 2012
【その他】
・学生へのメッセージ
常に問題意識を持って、自分で学ぶ姿勢を積極的に示すよう心がけて下さい。理解できなかった点についての質問は随時受け付けます。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答えるオフィスアワーを設けます。理学部2号館414室(横山研究室)に在室している時間は随時対応しますが、会議や出張等で不在にすることもあるため、確実に面談したい場合は事前に予約をお願いします。連絡先は、初回の授業でお知らせします。
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