人類学の視点から山形の社会問題について考える(山形から考える)
 Tackling the social agendas from an anthropological perspective (Yamagata Studies)
 担当教員:松本 剛 (MATSUMOTO Go)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科人間文化コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:1年,2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:集中講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
私たちは、この世に生を受けたまさにその日から弛むことなくこの身に降り注ぐ「当たり前」を真っさらな心で飲み込み、それを羅針盤のようにして生きてきた。そしてその一部始終はほとんど私たちの無意識下で行われてきた。この当たり前が、あるときは私たちを助け、あるときには私たちをきつく縛り、いずれにせよ常に私たちと共にあった。人類学という学問は、この当たり前を私たちの意識下に晒し、詳らかにするとともに、新しい自分を手に入れるきっかけをもたらす。世界を見るための新しいレンズを与えてくれるといってもいい。この授業では、新しく手に入れたレンズで山形(および日本社会全体)が抱える諸問題をあぶり出し、新しくなった自分でそれらに立ち向かっていく。

この授業では山形の主要産業のひとつである農業に焦点を当て、離農問題や種子問題などについて取り上げる。

【授業の到達目標】
・自己の相対化をとおして、世界を見るための新しいレンズを手に入れる。
・フィールドワークを通じて、山形の地域社会における現状の一端を知る。
・自らの目で見つけた問題について、その解決方法を考察し、自らの言葉で説明できるようになる。

【授業概要(キーワード)】
離農問題、種子問題

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
B-3.習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。:26~50%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:26~50%

【授業計画】
・授業の方法
事前学習としての講義の内容を踏まえた上で、山形市内や西置賜郡小国町などにおいてフィールドワークを実施し、山形が抱える問題について現場で考える機会をえる。その問題にどう立ち向かうのか、具体的に何をすべきなのかを共に考える。
・日程
DAY1(4/14〜18):初回ガイダンス(オンライン)
DAY2(5/24 土):講義とフィールドワーク(山形市内)
【午前】社会問題に取り組む実例の紹介①:鬼越の森再生プロジェクト&Komebu
【午後】講義:人類学とは/人類学の視点から社会問題を考える
DAY3(5/31 土):フィールドワーク(西置賜郡小国町)
【午前・午後】社会問題に取り組む実例の紹介②:離農問題について
 (招待講師:奥川入・横山隆蔵さん)
 ※山形大学から小国町までマイクロバスで移動します。
DAY4(6/7 土):フィールドワーク(西置賜郡小国町)
【午前・午後】社会問題に取り組む実例の紹介③:種子問題について
 (招待講師:ハーブ研究所・山澤清さん)
 ※山形大学から庄内町までマイクロバスで移動します。
DAY5(6/14 土):成果発表
【午前】学生による成果発表
参加費用:お昼代のみ(毎回千円程度)

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
教員や招待講師による一方通行の講義ではなく、フィールドワークをとおして、履修学生との対話のなかで授業を進めていく。学生たちは漠然と受講するのではなく、質疑応答に積極的に参加し、自分の考えを述べることが期待される。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
授業で扱うテーマについて関連書籍を読んだり、さらに理解を深めるために図書館やインターネットで調べてみる。

【成績の評価】
・基準
合格の基準は次のとおり:
・人類学の基本的な概念や用語、考え方を正しく理解していること。
・授業をとおして得られた知識や経験にもとづいて主体的に考察し、積極的・能動的に発言できること。
・方法
・平常点(80%)と成果発表の評価(20%)の合計をもって評点とする。
・毎回の授業後にWebClassで設置される「出席カード」に、授業を聞いて感じたこと・考えたこと・質問・要望などを書いて提出してもらう。これを平常点として換算する。

【テキスト・参考書】
必要に応じて授業内で随時紹介します。

【その他】
・学生へのメッセージ
・すべての活動が週末におこわなれ、スタート時刻が早くに設定されていますので、遠方から通学する人は気をつけてください。
・バスや宿の手配がありますので、スケジュール調整を万全にしてから履修登録してください。履修登録完了以降のキャンセルは基本的には受け付けないことをご了承ください。
・オフィス・アワー
・火曜日12:00~13:00(人文社会科学部3号館8階 松本剛研究室)
・連絡先:gocito@human.kj.yamagata-u.ac.jp

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