【授業の目的】
上級「書く」では、大学での学習や研究に必要なレポートや論文が書けるようになることを目的とする。 ・レポートや論文を書くために必要な文法や表現を学習する。 ・レポートや論文を書くために必要な思考力を身に付ける。
【授業の到達目標】
1)レポートや論文を書くために必要な文法・表現を、正しく、効果的に使うことができる。【技能】 2)レポートの様式(種類と構成)について理解し適切な様式が選択できる。【技能】 3)レポートを書くために必要な作業(問いを立てる、資料を探す、意見を組み立てる)を、自分で行うことを体験する。【技能】 4)他者の助けを借りながら、レポートの言語表現を推敲できる。【技能】 5)他者の助けを借りながら、論理構成を整え、説得力のある文章を書くことができる。【技能】
【授業概要(キーワード)】
アカデミック・ジャパニーズ、アカデミック・ライティング、文章表現能力、小論文、レポート
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25% B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25% C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25% A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
・留学生・日本語を母語としない学生を対象とする。大学で求められる日本語の文章表現能力を養うことを目指す上級前半レベルの科目である。 ・原則として、日本語上級1a「書く」を履修した学生を対象とする。なお、履修を推奨する日本語科目はプレースメントテストの結果にもとづいて留学生オリエンテーションで通知する。 ・修得した単位は、教養科目、スキル1、スキル2又は専門教育科目の単位に振り替えることができる(所属学部・学科の方針を必ず確認すること)。 ・前後期に同じ授業名の科目があり、重複履修はできない。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに 17.パートナーシップで目標を達成しよう
【授業計画】
・授業の方法
1)授業ではテキストの文章をもとに言語表現、説得力のある論理構成を学ぶ。 第2課~第6課はステップ3を中心に扱い、必要に応じて参考文献やステップ2を参照する。 2)テキストのテーマをもとに自分の意見を組み立てる。 3)宿題で実際に書いてみる。 4)教員やクラスメートと、宿題で書いた文章を検討し、修正点を明らかにする。 5)宿題の文章を推敲する。
・日程
第1回 ガイダンス 第2回 第1課(アカデミックな文章とは?) 第3回 第2課Step3(小論文の構成と文の役割) 第4回 第2課Step3(小論文の構成と文の役割) 第5回 第3課Step3(小論文の論理展開) 第6回 第3課Step3(小論文の論理展開) 第7回 第4課Step3(小論文の段落・文の働きと表現) 第8回 第4課Step3(小論文の段落・文の働きと表現) 第9回 第5課Step3(レポートで引用を効果的に使う) 第10回 第5課Step3(レポートで引用を効果的に使う) 第11回 第6課Step3(レポートでデータを効果的に使う) 第12回 第6課Step3(レポートでデータを効果的に使う) 第13回 第7課(レポートを作成する) 第14回 第7課(レポートを作成する) 第15回 第7課(レポートを作成する)
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
1)授業で提示された言語表現の意味・用法について、不明な点はテキストや参考書をもとに調べたり質問したりして理解に努めること。また、使ってみて習得を確認すること。 2)文章の論理展開について積極的にクラスメートと意見交換し、説得力のある文章について考えること。 3)自分の文章をよりよいものにするために、教員やクラスメートの意見を参考にすること。 4)指摘された修正点は、誤用の原因も含めて理解しようとすること。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
予習…授業で学ぶ予定の課に目を通し、必要に応じて辞書でことばの意味・用法を調べる。 宿題…授業で学んだことをもとに、テキストのテーマに関連した小論文やレポートを書く。指摘された修正点をもとに、宿題の小論文やレポートを推敲する。 授業で習ったことをもとにして他の文章を読むことで、文章の論理展開や説得力を見極める力が付く。この科目だけで完結するのではなく、他の科目でのテキスト読解やレポート・論文作成に応用する努力をすること。
【成績の評価】
・基準
1)授業で学習した文法・表現を、正しく使うことができる。 2)レポートの様式(種類と構成)について理解し適切な様式を使用している。 3)レポートを書くために必要な作業を体験し、理解している。 4)指摘された修正点を踏まえて、言語表現・論理構成を整えることができる。
・方法
授業への貢献度(自分やクラスメートの書いた文章をよりよいものにするために積極的に意見を述べているか)10% 宿題の小論文とその推敲45% 最終レポート(2本)45%
【テキスト・参考書】
<テキスト> 伊集院郁子・髙野愛子(2020)『日本語を学ぶ人のためのアカデミック・ライティング講座』アスク出版 <参考書> 二通信子他(2009)『留学生と日本人学生のためのレポート・論文表現ハンドブック』東京大学出版会
【その他】
・学生へのメッセージ
「文法・表現を正しく使えているかどうか」だけでなく、自分の考えを論理的に組み立てること、読み手に分かりやすく伝えること、説得力を持たせることを考える習慣を身につけよう。
・オフィス・アワー
火曜日13:00~14:30 内海研究室(基盤1号館2階E-203号室)
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