【授業の目的】
東北は歴史的にみると「5戦5敗」した地域といわれることがあります。しかし本当に敗北したのでしょうか。また一体何への敗北といわれているのかという疑問が、歴史的事実を丁寧に読み解くことで浮かび上がってきます。戦争や災害のたびに東北の人々が力強く立ちあがってきたことも見逃せません。近年の歴史研究における成果をもとに、東北に生きるということを巨視的に考えていくことが本授業の目的です。
【授業の到達目標】
1) 東北地方の現状に関して、歴史的な観点から正しい知識を得ながらその特色について理解することができる。【知識・理解】 2) 現代の東北地方の諸問題を解決する手段について、歴史的な観点から考察し、自らの関心事に正しい方法で調査する力を得ることができる。【技能】 3) 東北は歴史的にみると実は非常に豊かな地域であり、それゆえに他の地域から攻められる機会につながったことなどがみえてくる。授業を通じて、そうした東北に住むことの誇りが自然と身につき、誰かに語りたい、という意識に変化することができるようになる。【態度・習慣】
【授業概要(キーワード)】
東北、歴史、考古学、武士、環境、災害
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:26~50%
【科目の位置付け】
この授業は,東北地域の歴史について様々な視点から理論的に考察することで,健全な批判精神に裏打ちされた幅広い知識を習得するものです。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
08.働きがいも経済成長も 11.住み続けられるまちづくりを
【授業計画】
・授業の方法
1) この授業は、オンデマンド形式で実施します。 2) テキストは事前に配布します。授業前に各自でダウンロードし、予習をお願いいたします。 3)動画では講義形式で進めていきます。多くの映像資料などパワーポイントを使用しながらわかりやすく解説します。重要な部分は動画内では赤字と下線で示していますので、視聴しながらチェックすると復習や小テスト対策になります。 4)講義終了後、Web Class経由での質問を受け付けます。質問には次の回までに全て回答すると共に、感想等について紹介する時間を設定することで、教員からの一方通行ではない講義形式を心がけたいと考えています。 5) 授業12回分で講義終了後、内容がきちんと理解できているか確認するための小テストを、一定の期間内にWebClass経由で提出する必要があります(5点×12回=60点)。 6) レポートでは、授業内容をふまえて到達目標を図るための課題を出します。評価基準を明示しますので、それに沿って作成してください。
・日程
第1回目 ガイダンス 第2回目 5戦5敗の歴史とは 第3回目 最初の戦い - 38年戦争と古代国家① - 第4回目 最初の戦い - 38年戦争と古代国家② - 第5回目 2度目の戦い - 前九年合戦① - 第6回目 2度目の戦い - 前九年合戦② - 第7回目 2度目の戦い - 後三年合戦 - 第8回目 3度目の戦い - 奥州合戦 - 第9回目 4度目の戦い - 奥州仕置とは - 第10回目 5度目の戦い - 戊辰戦争 ‐ 第11回目 東北地方と雪害 第12回目 災害と歴史学 - 現代社会と東北 - 第13回目 近代国家と東北 - 開発と軍事 - 第14回目 原子力発電所と東日本大震災 第15回目 授業のまとめ
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
1) 小テストやレポート提出、諸連絡は、すべてWeb Class経由になります。必ず登録をした上で、授業に参加してください。 2) 授業中は重要な点が明確になるよう、その箇所をテキストに下線・赤字で表示しながら説明します。適宜、チェックを入れたりメモを取るなどして受講してください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
1)準備学修に必要な学修時間の目安は4時間/週となりますので、自ら勉強しましょう。 (注)大学院設置基準で,1単位の授業科目は45時間の学修を必要とする内容をもって構成することが標準と定められています。 2) シラバスの内容に沿って、普段から書籍、新聞、テレビ、インターネットなどで関連する内容について興味を持つように心がけましょう。また、山形県内の身近な地名等に関心を持ち、日ごろから土地勘を養うように心がけると授業への理解が深まります。 3)授業後の課題として指定された小テストは必ず期限内に実施するとともに,テキストや参考文献に目を通して,内容の適切な理解に努めてください。 4)与えられた課題を理解できるよう,事前に資料をダウンロードし予習すると共に、図書館やインターネットを活用し情報収集や配布資料の事前学習を行い,自分の考えをまとめておくことを推奨します。 5)回を重ねるごとに知識の連携が必要になるので,テキストや参考書の内容を自分なりに確認するなどして関連づけることが重要です。
【成績の評価】
・基準
1) 毎回の小テストの評価基準は①、②の通りです。 ①授業内容に関して重要な点をおさえた上で、正しい知識を得られているか ②提出期限を守っているか 2) レポートでは、東北の歴史や現代的問題等の基礎的な知識について正確に取得できているか、自らが選んだ資料やテーマについて内容や歴史的背景について論理的に説明できているかについて、合格の基準とします。
・方法
1)小テスト:60点(5点×12回) 2)最終レポート:40点
【テキスト・参考書】
基本となるテキストは教員が作成し、それをWebClass上で事前にアップします。授業動画内でも参考書などを紹介します。 以下は購入必須ではありませんが、授業期間を通じて参考にしてほしいものです。 ・岡本公樹『東北不屈の歴史をひもとく』講談社、2012 ・東北学院大学文学部歴史学科『大学で学ぶ 東北の歴史』吉川弘文館、2020 ・保立道久・成田龍一『日本列島地震の2000年史』朝日新聞出版、2013
【その他】
・学生へのメッセージ
授業内では映像資料などを多く使い、わかりやすい説明を心がけていきたいと考えています。これから東北に生きていく上で、そのイメージが大きく変わるような授業を歴史的側面から展開します。
・オフィス・アワー
オフィス・アワーは、オンライン会議システム(Zoom)で対応します(授業や会議等の時間以外)。面談を希望する場合は、事前にWebClassメッセージでご相談ください。質問や問い合わせについても、WebClassメッセージでお送りください。
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