メンタルヘルスリテラシー(山形から考える)
 Mental Health Literacy(Yamagata Studies)
 担当教員:河合 輝久(KAWAI Teruhisa)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科文化創生コース
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):医療,教育,福祉領域での心理支援の経験を有する教員が,それらの経験を交えながら講義を行う。
 開講学年:1年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
 本授業の目的は,こころの健康に関する教養を身につけ,自分自身や他者のこころの健康の維持・増進に寄与することである。そのために,まず,代表的なこころの健康の問題を知り,どのように生じ維持されるのかを理解する。そのうえで,その専門的治療や援助にはどのようなものがあるかを学び,当事者や世間一般の人々はそうした治療や援助に対してどのような態度を抱いているかを理解する。そして,こころの健康に対する態度が治療や支援を受けることやこころの健康の問題を抱える当事者との支援にどのような影響をもたらすかを考える。

【授業の到達目標】
1) 主要なこころの健康の問題について,どのような症状を呈する状態であるかを説明できる。【知識・理解】
2) こころの健康の問題の発生・維持について,生物・心理・社会的な側面から理解し説明できる。【知識・理解】
3) こころの健康の問題に対する専門的な治療法及び非専門家による有益な初期支援を説明できる。【知識・理解】
4) 自他のこころの健康の問題の維持・増進に寄与するよう努力できる。【態度・習慣】

【授業概要(キーワード)】
メンタルヘルスリテラシー,精神障害,生物心理社会モデル,援助要請,スティグマ,メンタルヘルス・ファーストエイド

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:51~75%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:26~50%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:51~75%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:51~75%

【科目の位置付け】
 本授業は,こころの健康に関する教養を身につけることを通して,自他のこころの健康の維持・増進に寄与することを目指すものである。その点で基盤共通教育基本方針に掲げられた「深く考え実行する力」を養う科目と位置付けられる。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を

【授業計画】
・授業の方法
主に講義形式の授業である。適宜,講義内容に関する演習を行い,その質疑応答の時間を設ける場合もある。
・日程
各回の内容に関連する山形県の実態を反映するデータがある場合には,それも交えて解説する。
なお,授業進度によって次回に持ち越したり,順番が前後したり,内容を変更したりする場合もある。

1回目:メンタルヘルスリテラシーとは(オンデマンド形式でのオンライン授業)
2回目:心の健康の問題の捉え方を理解する
3回目-8回目:代表的なこころの健康の問題(※)を学ぶ
(※統合失調症,うつ病,不安症,摂食障害,発達障害などを予定)
9回目:専門的な治療・支援法を知る
10-11回目:心の健康の問題やメンタルヘルスサービスに対する態度を理解する
12-13回目:非専門家による初期支援をまなぶ
14回目:心の健康に関連する情報の探し方を知る
15回目:振り返りとまとめ

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
講義を中心としながらも,適宜,視聴覚教材による観察学習や講義内容に関する演習に加え,講義内で質疑応答の機会を設ける場合もある。そのため,ノートテイキングを通した内容理解とともに,自らの考えを発表できるように努める。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
講義資料は全てwebclass上にアップロードするため,ダウンロードすることで予習・復習が可能である(ただし,講義資料を事前公開することで講義時の演習に差し支えがある場合には,事前公開は一部にとどめたり,授業当日に公開する場合がある)。また,講義資料に示す文献を授業後に読むことによって,授業内容の理解を深めることが期待できる。

【成績の評価】
・基準
下記に示す「成績の評価(方法)」にもとづき,【授業の到達目標】の達成度合いを下記のように評価する。
90-100点:到達目標を達成し,きわめて優秀な成績をおさめている,80-89点:到達目標を達成し,優秀な成績をおさめている,70-79点:到達目標を達成している,60-69点:到達目標を最低限達成している,60点未満:到達目標を達成していない(不合格)
・方法
各授業回のリアクション・ペーパー:30点
レポート:70点
いずれも授業に参加していることを前提とした内容を課す。
出席およびリアクション・ペーパーの提出は#2-#15のうち11回以上を必須とし
(出席のみ,あるいはリアクション・ペーパー提出のみの場合はカウントしない),
かつレポート提出を成績評価の要件とする。
出席およびリアクション・ペーパーの提出が上記の基準を満たしていない,
あるいはレポート未提出の場合は不合格とする。
また,出席の虚偽報告(例,授業開始前にカードリーダーで出席登録後に不参加)が発覚した場合,その時点で不合格とする。

【テキスト・参考書】
事前のテキスト・参考書として個別に指定するものは特になし。
学習内容を深める文献については,講義資料の引用文献として示す。

【その他】
・学生へのメッセージ
本授業の学びが,受講生のみなさん自身の,そしてみなさんの身近な周囲の方々のこころの健康への関心に繋がることを期待します。
・オフィス・アワー
授業時間外に質問がある場合には,授業後に直接お声かけいただくか,WebClass上のメールサーバーを介してメールにてご連絡ください。

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