民法入門(法学)
 Introduction to Civil Law(Legal Studies)
 担当教員:神澤 真佑佳(KANZAWA Mayuka)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科総合法律コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:1年,2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
【概要】
私たちの生活にとって最も身近なルールである民法を本講義では学びます。ただし、民法は1050 条からなる法律であり、学ぶべきことが多く、難解です。そこで本講義では、これから民法の専門的な講義科目を学ぶための準備として、まずは、民法全体の見取り図をイメージできることを目的に、民法の基礎的内容を学んでいきます。
【目的】
この講義を履修することを通じて、日常生活における身近な事例を法学的視点から捉えられるようになることを目指します。具体的には、例えば、教科書を買う時、一人暮らしのために家を借りる時、あるいは友人からお金や物を借りる時などといった身近な事例につき、基本的な事例であれば、法規定を当てはめて法的結論を導くようになることを目指します。

【授業の到達目標】
①民法の全体像について、大まかなイメージを掴むことができる。
②本講義で扱う内容について、民法の条文を的確に参照することができる。
③法律用語を正しく用いて、本講義で扱う法制度の定義、および要件・効果を説明できる。
④本講義で扱う内容について、基本的な事例であれば、法規定を当てはめて法的結論を導くことができる。

【授業概要(キーワード)】
法学、私法、民法(財産法、家族法)、私的自治

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
本講義は、法律学分野の高度な「専門知」の摂取と発展を支える土台として、法律学・民法の基礎的知識を習得する科目です(人文社会科学部総合法律コースのカリキュラム・ポリシー)。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
05.ジェンダー平等を実現しよう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任つかう責任
16.平和と公正をすべての人に

【授業計画】
・授業の方法
配布レジュメを中心に講義形式で授業を進めます。レジュメの配布方法は、ウェブクラスにアップロードする形で行います。
・日程
第1 回:ガイダンスと導入:講義の進め方/民法の勉強方法/民法とは/民法の歴史
第2 回:民法の構造と基本原理:民法の構造/私権の分類/民法の基本原理とその修正
第3 回:契約とは:契約の基本原理/契約の成立要件と効果/契約の種類と分類
第4 回:契約の主体(1):権利能力/意思能力
第5 回:契約の主体(2):行為能力
第6 回:権利の変動(1):法律行為①意思表示の効力発生時期
第7 回:権利の変動(2):法律行為②意思表示が不完全な場合を扱う制度
第8 回:契約の客体:物権の意義と種類/所有権の内容
第9 回:これまでのまとめと民法上の債権発生原因
第10 回:売買と賃貸借:売買契約の成立・効力/賃貸借契約の成立
第11 回:債務不履行:強制履行/損害賠償/契約の解除
第12 回:不法行為と損害賠償:不法行為の成立要件・効果/様々な場面での不法行為
第13 回:人の死亡と相続:法定相続/遺言
第14 回:婚姻・親子:婚姻の意義・成立要件/婚姻の効果/法律上の親子関係の種類
第15 回:まとめ

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
私語厳禁。
レジュメに基づいて講義を行うため、その内容を理解するように努めてください。
講義を受講するにあたり、適宜、受講生自身が気づいたこと、あるいはわからなかったこと等をレジュメやノートにメモし、それらを授業後等に自ら調べるなどを通じて、知識を深めるよう努めてください。
疑問に思うことがあれば、オフィスアワー等を利用し積極的に質問してください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
事前学習:レジュメをDLし、各回の授業で扱う項目について、そこでわからない言葉を法律用語辞典等で調べておいてください。
事後学習:講義ノート、レジュメを再読し、知識の定着を図ってください。

【成績の評価】
・基準
授業の到達目標に照らし、知識の習得、理解の度合い、汎用的技術(論理的思考力、文章表現力)を考慮し、それらの到達度に応じて評価します。
授業の到達目標に照らし、知識の習得、理解の度合い、汎用的技術(論理的思考力、文章表現力)を考慮し、それらの到達度に応じて評価します。
 具体的には、① 本講義で扱う内容について、法律の条文を的確に参照することができているか、② 法律用語を正しく用いて、本講義で扱う法制度の定義、および要件・効果を説明できているか、③ 本講義で扱う内容の諸制度・諸規定について、趣旨を理解し、説明できているか、④ 本講義で扱う判例について、基本的な最上級審の立場(判例)を理解し、説明できているか、および⑤ 本講義で扱う内容について、基本的な事例であれば、法規定を当てはめ、法的結論を導くことができているかを考慮します。
・方法
筆記試験(100点満点)で評価します。
各問題は、授業の到達目標に対応したものであり、講義を聴いている限りにおいて、難問・奇問は出しません。その中で、「主体的な参加の度合い」、「知識の習得の度合い」、「理解の度合い」、および「汎用的技術の習得の度合い」を見ます。

【テキスト・参考書】
【テキスト】
最新版の六法(媒体は問いません。スマホのアプリ、電子辞書も利用可能です。)

【参考書】
香川崇ほか著『民法1総則(有斐閣ストゥディア)』(有斐閣、2021)
石綿はる美ほか著『民法2物権(有斐閣ストゥディア)』(有斐閣、2025)
大澤彩ほか著『民法5契約(有斐閣ストゥディア)』(有斐閣、2022)
栗田昌裕ほか著『民法4債権総論(有斐閣ストゥディア)』(第2版、有斐閣、2024)
中原太郎ほか著『民法6事務管理・不当利得・不法行為(有斐閣ストゥディア)』(有斐閣、2022)
金子敬明ほか著『民法7家族(有斐閣ストゥディア)』(有斐閣、2023)
道垣内弘人著『リーガルベイシス民法入門』(日本経済新聞出版社社、2024)

【その他】
・学生へのメッセージ
法律の勉強は、普段使う⾔葉とは異なる、難しい⾔葉がたくさん出てきます。高校までであれば、「法律⽤語を覚えましょう」となるのですが、⼤学での勉強は、そうではありません。⼤学での勉強では、最終的には、法律⽤語を使って、私達が暮らしている社会について、説明できるようになることが求められます。そのためには、「なんで、こういう制度があるのか、どんな要件が揃ったら、どんな効果が発⽣するのか」を、探究⼼を持って、知っていくことが必要になります。
法律は、私達の⽣活を⽀えてくれるルールです。法律を勉強することはとっても⼤変ですが、⼀緒に勉強を頑張っていきましょう。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問等に対応するオフィス・アワーを、木曜日12時から13時30分まで研究室にて設けます。ただし、会議や出張等で不在にすることもあるため、確実に面談希望の方は、事前に予約することをお勧めします。連絡先は、初回授業でお知らせします。

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