やまがたフィールド科学Ⅱ(森と雪の科学)(応用)
 Yamagata Field Science 2 - Forest Science in Snowy Region (Applied Studies)
 担当教員:菊池 俊一(Kikuchi Shun-ichi)
 担当教員の所属:農学部食料生命環境学科エコサイエンスコース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:1年,2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
雪深い地域における雪と森林の関係について科学する。
森林や人々の暮らしに大きな影響を及ぼす雪について、野外における体験学習と講義を通じて知識を深め、雪を利用し、雪に親しむ方法を考える。また、演習林宿泊施設での共同生活を通じて役割分担とリーダーシップの重要性を学び、豊かな感性とフレンドシップを育む。

【授業の到達目標】
1) 積雪断面の観測ができる。【技能】
2)冬期の樹木の形態的特徴を知る。【知識・理解】
3)冬山施業技術の長所・短所を知る。【知識・理解】
4)冬山の踏査技術を学ぶ。【技能】
5)雪と森林の相互関連について考えることができる。【知識・理解】
6) 雪国の暮らしについて理解を深めることができる。【知識・理解】
7) 共同生活における役割分担について体験学習できる。【態度・習慣】

【授業概要(キーワード)】
雪国、森林生態、施業、冬の暮らし、利雪、親雪、野外体験、共同生活

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:26~50%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:26~50%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:26~50%

【科目の位置付け】
基盤共通教育科目の教養科目の「応用と学際」領域の授業である。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
11.住み続けられるまちづくりを
13.気候変動に具体的な対策を
15.陸の豊かさも守ろう

【授業計画】
・授業の方法
『農学部附属やまがたフィールド科学センター上名川演習林』の宿泊施設を利用し、実習補助員の協力を得ながら集中合宿・自炊方式によって体験学習に重点をおいた授業を行う。補足的にビデオ学習を加える場合がある。
・日程
2026年1月初旬(1月7日~1月9日を予定)に2泊3日の日程で『日本海側の多雪森林』である上名川演習林に宿泊し、積雪断面の観測、冬季森林踏査、雪山森林作業、かんじき・スキー歩行、雪洞・イグルー設営などを内容とする【野外体験学習】と、雪国の森林と雪の相互関連についての【講義】を行う。補足的にビデオ学習を加える場合がある。

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
野外での体験学習および共同生活を通じて知識の総合化に努めてほしい。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
雪や寒さに関する予備知識や体験があると授業の理解がより一層深まるので、図書館やインターネットを活用し情報収集や事前学習を行ってほしい。参考書を以下に挙げておく。授業中に取り組む野外作業、グループワーク等を通じて、次回以降の反省点等をまとめておくことが重要である。

【成績の評価】
・基準
・レポート:課題に対する内容の適切さ、科学的論理展開
・生活態度:共同生活における役割分担、リーダーシップ、メンバーシップ
・方法
・レポート 70点
・生活態度 30点
  合計 100点

【テキスト・参考書】
【テキスト】必要な資料やプリントは授業で配布する。

【参考書】
・雪氷調査法、日本雪氷学会北海道支部編、北海道大学図書刊行会、1991
・積雪観測ガイドブック、日本雪氷学会編集、朝倉書店、2010
・雪山の生態学-東北の山と森から-、梶本卓也・大丸裕武・杉田久志編著、東海大学出版会、2002

【その他】
・学生へのメッセージ
授業を行う上名川演習林は月山朝日山系に位置し、『雪の多さ』に関しては大学演習林として『世界一』。白銀の森林で雪と戯れながら、森と雪を科学しましょう。
<留意事項>
・2025年11月下旬~12月上旬に履修にあたっての授業ガイダンスを実施する(小白川キャンパスを予定)。履修希望者は必ず参加すること。
・上記ガイダンスの日程等をWebClassを介して連絡するので、履修希望者はWebClassに登録しておくこと。
・ガイダンスで説明する『履修に当たっての留意事項』を十分に理解してもらった上で、履修希望者を募る。
・宿泊施設の利用者数上限はおよそ30名(平常時)である。履修希望がこの上限を超えた場合は抽選により履修者を絞り込み、こちらで履修登録を行う。
・開講予定期間は、基盤共通教育等の他の授業と被る場合がある。それらの授業の開講スケジュールを確認した上で履修について考えてほしい。
・農学部(鶴岡キャンパス)までの交通費、上名川演習林における自炊食材費、シーツ洗濯代、宿泊施設使用料(1,000円/泊)は受講者の自己負担となる。
・演習林は携帯電話の通話圏外にある。宿泊施設に無線LANはある。
・雪や寒さ、雪上歩行に備えた服装を各自で用意する必要がある。靴は、防寒長靴やスノーブーツが良い。
・全学部から履修者が参加しての共同生活となる。相互の協力と、節度ある生活態度が求められる。
・バス下車地点(鶴岡市上名川集落)から演習林宿泊施設までは除雪されていないため、入・下山時は雪道を1.5時間ほど(約5㎞)歩くことになる。
・オフィス・アワー
WebClassを開設するので、担当教員への連絡や問い合わせ・相談はこれを活用してください。なお、出張等の不在によりすぐに返答できない場合もあるので時間的余裕を持って送信してください。

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