学力とカリキュラムの評価
 Evaluation of Curriculum and Academic Achievement
 担当教員:三浦 登志一(MIURA Toshikazu),井上 麻美子(INOUE Mamiko)
 担当教員の所属:大学院教育実践研究科
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):学校現場における教員経験がある教員が、その経験を活かして、今日的な課題(評価)への対応を指導する。
 開講学年:1年,2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
 学校における教育評価は,教育がうまくいってるかどうかを把握し実態を踏まえて教育を改善するためのものである。子どもの学力を適切に評価し,カリキュラムの改善を図っていくためには,教員が学校で育てるべき「学力」を正しく理解し,評価のスキルを磨き続けることが不可欠である。
 2017年3月に,幼稚園・小学校・中学校の学習指導要領が公示され,「資質・能力」を基盤とした教育へのシフトが明確に示された。このことも踏まえ,本授業では,「Ⅰ 教育評価とは何か」「Ⅱ 学習評価を中心とした学校における評価の現状と課題」「Ⅲ 学力(とカリキュラム)の評価を充実・改善させるために」の3つのテーマについて学習し,評価に関する基本的な考え方を修得することを目的とする。

【授業の到達目標】
・我が国の公教育における学力・カリキュラムの評価について理解できる。
・学力調査資料等を基に実際に評価を行い,学校における学力の評価の改善策を見出すことができる。

【授業概要(キーワード)】
 カリキュラム評価,学力問題,教育評価,学習評価

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:26~50%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
 本授業は,共通科目の「教育課程の編成・実施に関する領域」に位置づけられ,教育課程の編成における課題を,学力の問題と関連させながら俯瞰できるようにする。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに

【授業計画】
・授業の方法
 本授業では,学習指導要領をはじめ,さまざまな学力調査資料とカリキュラムに関する資料及び文献を用いて講義を行います。また,資料をもとにグループや全体での分析・討論を行い,学力やカリキュラムの評価について課題を考究します。さらに,学力やカリキュラムの評価を実践する上での課題について,解決の方策をグループで検討し,全体で討議します。なお、授業は対面で行います。
・日程
 第1回:オリエンテーション(担当:三浦・井上)
 第2回:教育評価とは何か(担当:三浦・井上)
 第3回:教育評価の現状(担当:三浦・井上)
 第4回:教育評価の実践に基づいた振り返り(担当:井上・三浦)
 第5回:新学習指導要領に示された学力観とこれからの学習評価(担当:三浦・井上)
 第6回:全国学力学習状況調査とその評価 調査別 調査結果の活かし方の検討①(担当:三浦・井上)
 第7回:調査別 調査結果の活かし方の検討②(担当:井上・三浦)
 第8回:調査別 調査結果の活かし方の検討③(担当:井上・三浦)
 第9回:各グループのプレゼンテーションと全体討議①(担当:三浦・井上)
 第10回:各グループのプレゼンテーションと全体討議②(担当:井上・三浦)
 第11回:学習評価と授業評価・カリキュラム評価(担当:三浦・井上)
 第12回:校種ごと改善策・充実策の検討②(担当:井上・三浦)
 第13回:校種ごと改善策・充実策の検討③(担当:井上・三浦)
 第14回:各グループのプレゼンテーションと全体討議①(担当:三浦・井上)
 第15回:各グループのプレゼンテーションと全体討議②/総括(担当:三浦・井上)

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
 現職教員院生は,学校の現状を実態に即して丁寧に把握し,その解決策を具体的に構想するように努めてください。学部卒院生は,学校教育の課題を適切に把握し,積極的な授業参加を通じて,自らの考えを広げたり,深めたりすることが必要です。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
1)準備学修に必要な学修時間の目安は 1時間/週 です。
2)わからないことや疑問に思ったことは自分で調べるなどして、授業の理解を深めるように努めてください。

【成績の評価】
・基準
C(合格に必要な最低限度)基準
○学部卒院生:これから求められる「学力」を適切に捉えた上で,学力やカリキュラムをを評価する視点と方法を理解し,実際の評価や討論をとおして実践的な課題を指摘することができる。
○現職教員院生:これから求められる「学力」を適切に捉えた上で,学力とカリキュラムを評価する視点と方法を理解し,実際の評価や討論をとおして実践的な課題とその改善策を具体的に指摘することができる。
・方法
 評価基準に照らして,各自の作成するレポート(50%),グループのプレゼンテーション(30%)及び授業への積極的参加(20%)を総合的に評価します。

【テキスト・参考書】
テキスト:西岡加名恵・石井英真・田中耕治(編)『新しい教育評価入門』(有斐閣コンパクト,2015年)
授業には当該校種の「学習指導要領解説 総則編」を携行すること。また,国立教育政策研究所のHPに掲載された資料を使用することがある。
参考書:・石井英真『今求められる学力と学びとは-コンピテンシー・ベースのカリキュラムの光と影-』(日本標準ブックレットNo.14,2015年)
・国立教育政策研究所(編)『資質・能力 理論編』(東洋館出版社,2016年)
・奈須正裕『「資質・能力」と学びのメカニズム』(東洋館出版社,2017年)

【その他】
・学生へのメッセージ
 他の共通科目とも関連させながら,教職全体を意識して受講することが望ましい。
・オフィス・アワー
 各教員のオフィスアワーは,第1回の授業時に説明します。授業時間外での個別質問対応を希望する場合は、ウエブクラスのメッセージからその旨お知らせください。個別に時間を設定して対応します。

22114010-2025-18-29401