【授業の目的】
学校安全は,生活安全,交通安全,災害安全(防災)の3領域からなる。本授業科目は,それら3領域全体の射程をふまえた上で,とくに防災に焦点を当て,学校における防災教育と防災管理に関わる資質能力を育成し,あわせて地域防災において学校や教員が果たすべき役割についても検討する。
【授業の到達目標】
1.学校安全の3領域について説明できる。 2.災害発生においては,誘因(ハザード)だけでなく,素因(地域の条件)が重要であること,ひいては防災教育が地域教育であることを説明できる。 3.学校における防災教育と防災管理の課題と手法について,具体的に説明できる。 4.防災に関する地域連携の課題と手法について,説明できる。
【授業概要(キーワード)】
学校安全,学校防災,防災管理,防災教育,地域防災,災害論
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25% B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25% C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:26~50% C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:26~50%
【科目の位置付け】
この授業は学校防災を中心に学校安全に関して検討するものであり,高度な専門職従事者としての知識と技能および課題解決能力・新領域の開拓能力の習得(教育実践研究科ディプロマ・ポリシー)に資するものである。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
11.住み続けられるまちづくりを 13.気候変動に具体的な対策を 14.海の豊かさを守ろう 15.陸の豊かさも守ろう
【授業計画】
・授業の方法
本授業は,担当教員による講義と受講者による発表から構成する。 まず,日本や海外の具体的災害事例をもとにしながら,自然災害の一般的特徴,防災策,さらに防災教育をめぐる課題について検討する。 そしてこれらを土台として,受講者が既存の学校や地域における防災教育の事例をとりあげてその内容と手法を紹介し,担当教員および全受講者による議論を深めて,それらの特徴や課題について検討する。
・日程
第1回:ガイダンス/授業の目的,方法,防災教育の現状と課題 第2回:東日本大震災 基本的メカニズムと地震・津波ハザード 第3回:東日本大震災の教訓レビュー発表会① 「記録集」に基づき学校等の事例について発表する。 第4回:東日本大震災の教訓レビュー発表会② 第5回:東日本大震災の教訓レビュー発表会③ 第6回:山形で起こる自然災害と災害リスク 第7回:地形と災害の関係・土地条件 第8回:災害の一般構造・防災法体系・防災法規 第9回:学校防災1/防災管理/県内学校における災害対応事例(大雨・水害) 第10・11回:学校防災2・防災教育1/大雨避難(対応)ワークショップ 第12回:学校防災3・防災教育2/防災ゲームの手法・防災クロスロード,DIG 第13回:防災教育事例発表会 防災教育のコンテンツや単元計画,学校防災マニュアル案等を発表する。 第14回:防災教育発表会2 第15回:防災教育発表会3 / 本授業のまとめ
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
講義および他の発表者による発表においては,配付資料を参考にしつつ受講ノートを作成し,必要に応じて質問や感想述べる。自らの発表においては,他者の質問やコメントに的確に対応し,あわせてそのメモを作成してもらう。 予習・復習に必要な学習時間の目安はそれぞれ1時間/週です。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
講義については,配付資料や参考図書を読む。発表については,担当教員と相談し,既存文献やインターネットの情報を収集して発表準備を行うこと。 講義および他の発表者による発表については,配付資料や参考図書および受講ノートを読んで理解を深めること。自らの発表については,質問やコメントなどを参考に反省を行ってもらう。
【成績の評価】
・基準
合格に必要な最低限度: 学部卒院生 学校安全の3領域と防災教育の手法と課題について説明できる。 現職教員 学校安全3領域と防災教育,防災管理の手法と課題について説明できる。
・方法
授業への参加状況,防災教育事例発表会における受講生の発表内容と他の受講生発表に対するコメントおよび授業内容に関するリフレクションペーパー等から以下の観点に則り,総合的に判断し評価する。 授業等に主体的・積極的に参加していたか。/発表内容等が,到達目標からみて,十分な水準に達しているか。/内容等に対する理解や工夫等が見られたか。
【テキスト・参考書】
テキスト:なし。 参考書:授業時に紹介する。また,必要な参考資料については,授業時に配布する。
【その他】
・学生へのメッセージ
この授業では,防災基礎として地球科学的な内容を含むが,地学や地理を選択してこなかった受講生も理解できるような内容となっている。
・オフィス・アワー
木曜 18:00-18:40 授業時に周知するメールアドレスに連絡してください。
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