【授業の目的】
まずは現在展開する地域学校協働活動(2017~)の展開に至る過程を、主に1970年代以降の学校と家庭及び地域社会との関係性の変容を視座に入れつつ理解する。次に、今後、学校・家庭・地域社会との関係を考えた時、それらが連携していく際に有効な手立てや実際に手を結ぶことができる機関・組織にどのようなものがあるのかを、県内の社会教育の現状から考察し、今後の地域学校協働活動の展開のあり方について実践的に検討を加える。
【授業の到達目標】
1)地域学校協働活動の展開過程とその可能性及び課題を明確に説明できる。【知識・理解】 2)地域社会における子ども・若者を取り巻く状況とそれに対応する教育支援・実践の現状および今後のあり方について、教員の立場から具体的に説明することができる。【知識・理解】【技能】
【授業概要(キーワード)】
地域の教育力、「居場所」、地域学校協働活動、コミュニティ・スクール、フリースクール、夜間中学、不登校
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:51~75% B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:26~50% C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:26~50% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:26~50% C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:26~50%
【科目の位置付け】
学校力開発分野の分野別選択科目である。本研究科のディプロマポリシーである「1)高度な専門職従事者としての知識と技能」中、「①地域社会のニーズを踏まえ、地域との関わりの中で学校教育を活性化することのできる高度な専門性を身に付けている」に寄与する。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに 11.住み続けられるまちづくりを 17.パートナーシップで目標を達成しよう
【授業計画】
・授業の方法
演習形式での文献講読、小人数でのグループワーク(ワークショップをふまえてプレゼンテーション)を主たる形態として授業を実施します。また、適宜外部への見学も予定します。
・日程
第1回:オリエンテーション:授業のねらいと進め方について 第2回:学社連携の問い(1):1970年代以降の学校外教育の展開 第3回:学社連携の問い(2):1990年代以降の学社融合論の展開 第4回:学社連携の問い(3):学校支援地域本部事業から地域学校協働活動へ 第5回:地域学校協働活動の展開 第6回:地域学校協働活動の県内事例の検討(高畠町立和田小学校) 第7回:地域学校協働活動の県内事例の検討(川西町立吉島小学校) 第8回:地域学校協働活動の県内事例の検討(山形市立千歳小学校) 第9回:地域社会にある人的資源・機関・組織を再認識する(1) 公民館・図書館・博物館の現在 第10回:地域社会にある人的資源・機関・組織を再認識する(2) 放課後支援の現状 第11回:地域社会にある人的資源・機関・組織を再認識する(3) 「居場所」を考える 第12回:地域社会にある人的資源・機関・組織を再認識する(4) フリースクールの現在 第13回:地域社会にある人的資源・機関・組織を再認識する(5) 夜間中学・自主夜間中学を考える 第14回:学校からみた地域社会との連携のあり方(1) ワークショップで認識を共有する 第15回:学校から見た地域社会との連携のあり方(2) プレゼンテーションと検討
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
積極的に討議に参加するのみならず、かつその場をふりかえることに意識的にあることが望ましい。また、施設等の見学に際しては、事前にそれまでの授業内容をふまえ、見学の視点や質問のポイントを明確化させておくことが必要です。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
準備学修に必要な学修時間の目安は、「1時間/週」である。 次回予告した内容について、インターネットや図書館配架雑誌等によって事前に目を配っておくことが望ましい。その確認のため、小レポートを適宜課す。
【成績の評価】
・基準
地域ぐるみで子どもを育てる「地域学校協働活動」のありようを、歴史展開もふまえつつ具体的に自身の勤務する学校の現状に立脚して自分の言葉で説明できる。かつ、その発現の手立て(教育支援・実践)について、具体的・実践的に案を提示することができる。
・方法
①作成レジュメおよびグループ発表資料の水準(30%) ②発表の応答(30%) ③最終レポート(40%)
【テキスト・参考書】
テキスト:適宜資料(レジュメ、スライドのハンドアウト等)を配付します。 参考書:広田照幸『日本人のしつけは衰退したか』講談社現代新書、1999、小国喜弘『戦後教育史』中央公論新社、2023
【その他】
・学生へのメッセージ
学校だけではできないことを、学校を離れているがゆえにマクロな視点で理解することができると思います。私も元高校教員です。学校-地域の「遊離」「近接」を確認しましょう。
・オフィス・アワー
授業時間以外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」を地域教育文化学部1号館5階517研究室において、原則、金曜日の昼休みに設けます。ただし、会議や出張等で不在にすることもあるため、確実に面談したい場合は事前に予約をお願いします。連絡先は、初回の授業でお知らせします。
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