【授業の目的】
本授業は、都道府県ごとの学校教員のキャリア形成の実態を文献やデータを通して把握し、山形県の実態とのぞましいキャリア形成について考察する。「知識基盤社会」の到来や、グローバル化、情報化、少子化、高齢化、社会全体の高学歴化、 女性活躍推進等を背景に、わが国の学校教育を取り巻く環境は大きく変化している。このような変化に迅速かつ適切に対応するためには、これまで以上に高度な専門的知識・技能を修得し、さらに独創性や創造性、自ら問題を発見し解決策を導き出す能力を育むなど、教員に求められる資質能力の維持・向上を図るための取組みが必要とされる。本授業では、このような社会変化を踏まえ、教員のキャリア形成の実態と課題を考察する。
【授業の到達目標】
学校教員のキャリア形成がどのように行われているか、各都道府県が策定した「教員育成指標」やデータを通して把握し、教員のキャリア形成の意義とキャリア形成を促すシステムについて、その特徴と課題を説明することができる。
【授業概要(キーワード)】
教員のキャリア形成、人材育成、スクールリーダー、ミドルリーダー、学生主体型授業、教員育成指標
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25% B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25% C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25% C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25% A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25% C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
学校力開発コースの選択科目:「スクールリーダー」としての資質能力の育成を念頭において設定されている選択科目です。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに 05.ジェンダー平等を実現しよう 10.人や国の不平等をなくそう 16.平和と公正をすべての人に
【授業計画】
・授業の方法
○ 教員のキャリア形成過程は、都道府県による差異が大きいため、既存の研究をもとにして、いくつかの都道府県を取り上げて議論する。 ○ 教員のキャリア形成に、行政がどのようにかかわっているのか(人材育成プランの有無や人事の慣習など)、事例を分析する。 ○ 個人またはグループで先行研究にはない都道府県を取り上げて分析し、結果を報告しあって共有する。 ○諸外国の動向も検討する。
・日程
第1回:オリエンテーション、授業の進め方等の解説 第2回:「教員のキャリア形成」の捉え方について受講者間討議。(演習) 『学校力』を高めるためには教員の力を向上させるとともに、その力が最大限に発揮されるような仕組みづくりが重要となってくるが、変革時代の学校を支えるための「教員のキャリア形成」について討議・考察する。 第3回:教員のキャリア形成と行政のかかわり[事例1](演習) 第4回:教員のキャリア形成と行政のかかわり[事例2](演習) 第5回:教員のキャリア形成と行政のかかわり[事例3](演習) 第6回:教員のキャリア形成と男女共同参画行政のかかわり(演習) 第7回:管理職のキャリア形成(演習) 変革時代の学校を支える管理職にどのような使命を与え,ビジョンを描かせるのか,そのキャリア形成をどうするのか,討議・考察する。 第8回:7回までの知見の整理と分析視点の共有(演習) 行政における「教員のキャリア形成」の事例を整理し,その取組みや課題を把握・理解する。 第9回:教員のキャリア形成に関する都道府県別分析1(グループワーク) 第10回:教員のキャリア形成に関する都道府県別分析2(グループワーク) 第11回:教員のキャリア形成に関する都道府県別分析3(グループワーク) 第12回:教員のキャリア形成に関する都道府県別分析4(グループワーク) 第13回:分析結果の発表1(プレゼンテーション) グループ毎に、調査・分析結果及びのぞましい教員のキャリア形成について提案・発表する。 第14回:分析結果の発表2(プレゼンテーション) 第15回:学習の成果や課題等を出し合い、全体のまとめを行なう。(演習)
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
経験や事例を複眼的に分析するため、議論には積極的に参画してください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
予習:テキストの指定箇所を読み、読後感、疑問等を文章にまとめる(1時間程度) 復習:各回の授業でおこなったディスカッションやグループワーク、プレゼンテーション等で学んだことを文章にまとめる(1時間程度)
【成績の評価】
・基準
以下の観点に則り、グループワークの調査・分析結果(25%)、事例発表(25%)及び「教員のキャリア形成」に対する提言等(50%)を中心に、総合的に判断し評価します。 ・ 演習やグループワーク、プレゼンテーション等に積極的に参画しているか。 ・ 演習等で必要な文献や資料の予習をしているか。 ・ 適切な分析視点でグループワークが遂行されているか。 (合格に必要な最低限度)基準:教員のキャリア形成の意義とキャリア形成を促すシステムについて、その特徴と課題を説明できる。
・方法
授業への貢献度(50%):演習やグループワーク、プレゼンテーション等への積極的参画(他者の発表等へのコミットを含む) レポート(50%):エビデンスに基づく客観的なレポート
【テキスト・参考書】
テキスト:河野銀子編著『女性校長はなぜ増えないのか;管理職養成システム改革の課題』(勁草書房) 参考書:Collard, J. & Reynolds,C., Leadership, Gender & Culture in Education; Male and Female Perspectives, Open University Press, 2005.
【その他】
・学生へのメッセージ
教育改革が進む中、教員のキャリア形成をめぐる政策がどのように転換し、これからの地域社会における教員育成に何が求められているか、問題意識をもって学んでほしいと思います。
・オフィス・アワー
メールでアポイントを取ってください。詳細は講義でお知らせします。
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