【授業の目的】
認知心理学・発達心理学・学習心理学から学習と評価を理解する。 学習理論を学び,実際の授業における児童生徒の学習の分析をとおして,児童生徒の認知学習過程を理解し,その理解に基づき効果的かつ適切な学習指導と学習評価を構想して実践できるようになる。
【授業の到達目標】
児童生徒の学習状況を認知論から適切に評価を行い,学習指導の改善のために活かすことができるようになる(知識・理解)。
【授業概要(キーワード)】
認知過程,教授・学習,教育評価
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25% C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:76~100% C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:76~100%
【科目の位置付け】
この授業では,児童生徒の学習について学習科学等の知見から認知学習過程を理解し,学習指導と評価を適切に行えるようにする。
【授業計画】
・授業の方法
授業で展開される教授・学習過程について認知心理学的視点から理解し,その上で教授・学習過程を改善するための評価の在り方について考察する。授業場面での児童生徒の学習を効果的にするためには,学習者である児童生徒の内面(認知過程)を理解し,その適切な評価に基づき学習指導を行うことが必要である。 そこで本授業では,まず認知学習過程のメカニズムの理解を深め考察を行う。
・日程
第1回:学部卒院生については,学部の実習等での学習指導の経験,現職教員院生は,これまでの授業実践を基にこれからの学習に共通する問題を把握する。 第2回:児童生徒の学習と学習指導の根拠について討議して明らかにする。 第3回:優れた教育実践の分析を行うことを通じて,認知学習課程と評価の課題を講義と演習をとおして明らかにする。 第4回:対象となる授業を示し,子どもと教師の学習過程の関係について演習をとおして明らかにする。 第5回:学習の理論と発達理論の役割について講義と演習をとおして明らかにる。 第6回:学習過程と学習の質について講義と演習をとおして明らかにする。 第7回:概念理解と知識の働きについて講義と演習をとおして明らかにする。 第8回:学習形態について講義と演習をとおして明らかにする。 第9回:問題解決の過程を講義と演習をとおして明らかにする。 第10回:教室談話の特徴を講義と演習をとおして明らかにする。 第11回:様々な学習過程について講義と演習をとおして検討する。 第12回:認知発達的学習の過程について講義と演習をとおして検討する。 第13回:認知発達と学習過程の学習環境について講義と演習をとおして検討する。 第14回:授業における学習評価を講義と演習をとおして検討する。 第15回:これまでの学習の成果,課題等を話し合い,全体でまとめる。
テキストについての自分の理解を整理しながら、基本的に毎回討論する。 なお展開の順序や方法は、授業の進行に合わせて変化する可能性がある。 また本授業は、学生主体の授業形態で行われる。 対面授業を基本としながら、オンデマンドなどを組みわ実施される。
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
実際の授業における児童生徒の認知過程は外から観察するのが難しい部分が多いです。したがって,先行知見を整理した上で,児童生徒の実態を丁寧に把握し,理解を深める姿勢が何より大切です。 基本的に毎回課題を設定し、その課題について議論します。十分な時間の確保が必要です。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
参考文献等を読み,先行研究を概観し,授業の場面で考えるようにしてください。 児童生徒の実態から,学習過程や評価の影響について具体的に自分の考えをもつことができるようにしてください。 また基本的にに毎回課題があります。十分な時間を確保してください。
【成績の評価】
・基準
C(合格に必要な最低限度)基準: ○(学部卒院生)認知論の知見に基づき児童生徒の学習状況を理解し,学習過程の評価を考えることができる。 ○(現職教員院生)認知論の知見に基づき児童生徒の学習状況を理解し,その学習過程の具体的な評価を行うことができる。
・方法
評価は、成績の評価・基準に従って、授業中の課題50点と最終レポート課題50点 計100点とします。
【テキスト・参考書】
【テキスト】子どもの論理を活かす授業づくり: デザイン実験の教育実践心理学吉田 甫、 エリック ディコルテ 北大路書房 【参考書】吉田甫 学力低下をどう克服するか―子どもの目線から考える (新曜社 2003)
【その他】
・学生へのメッセージ
この授業をとおして,最新の学習科学を理解する契機になってほしいです。また,理論と実践の融合が理念であることから,現職教員院生だけではなく学部卒院生も含めて,学んだことを教職専門実習の実践に活かすことを大切にしてください。
学習時間は人によりますが、2時間以上は必要だと思います。
・オフィス・アワー
木曜日の昼休み時間(12:10-13:00)をオフィスアワーにしています。 不在のこともありますので、あらかじめメールで連絡してください。
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