小規模へき地教育の実際と課題
 Education in Isolated District and Small School
 担当教員:井上 麻美子(INOUE Mamiko),坂本 明美(SAKAMOTO Akemi)
 担当教員の所属:大学院教育実践研究科,地域教育文化学部
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):学校現場の経験及び行政(指導主事)経験のある教員が、その経験を生かし、山形県の小規模へき地教育について講義・視察等を通して、これからの教育のあり方について考える授業を行う。
 開講学年:1年,2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
 本授業では,我が国・本県における小規模へき地教育の現状を学ぶとともに,国内外における異年齢学級の教育実践にも学びながら,小規模学校における教育実践の在り方や,少人数指導や異年齢学級での学びの可能性の追究を目指し,次の内容を扱う。
1.日本及び本県の小規模へき地教育の現状       
2.フレネ教育を中心とした海外における教育実践  
3.県内の小規模学校・複式学級における授業観察と考察

【授業の到達目標】
(1)我が国・本県のへき地小規模校教育の特性を理解し,説明することができる。
(2)小規模学校,複式学級における授業実践から,少人数指導や異年齢学級の学びの可能性を見いだし,自身の教育課題と関連付けて考察することができる。

【授業概要(キーワード)】
小規模へき地教育,複式学級,異年齢学級,フレネ教育

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:26~50%

【科目の位置付け】
 本授業は,山形県内を中心とした小規模へき地教育の現状について学ぶとともに,少人数指導や異年齢集団の学びにおける新たな教育実践の可能性を追究するものである。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに

【授業計画】
・授業の方法
 次の内容について,文献や映像資料を基に講義と演習を行います。また,山形県内の学校を訪問し,小規模学校の経営の実際を学び,少人数学級や複式学級の授業観察を行います。(授業は原則,対面で行います。)
・日程
第1回 ガイダンス/本授業の目的、方法、内容についての説明
第2回 県内の小規模・へき地教育の現状①(講義)
第3回 県内の小規模・へき地教育の現状②(発表・討議)
第4回 異年齢学級の学び(フレネ教育)の可能性について①(講義)
第5回 異年齢学級の学び(フレネ教育)の可能性について②(講義・討議)
第6回 県内小規模学校等における授業参観及び考察①(事前検討)
第7~8回 県内小規模学校等における授業参観及び考察②    
第9回 県内小規模学校等における授業参観及び考察③(振り返り)
第10回 県内へき地学校における授業参観及び考察①(事前準備)
第11~12回 県内へき地学校における授業参観及び考察②    
第13回 県内へき地学校における授業参観及び考察③(振り返り)
第14回 学びの振り返り/総括①(発表・討議)
第15回 学びの振り返り/総括②(発表・討議)

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
 学部卒院生は,現状や理論について理解を深め,教育観を広げるために,講義や文献から得た知識を生かして討議や参観に積極的に取り組んでください。
 現職院生は,現状や理論について理解を深め,実践に生きるよう具体化するために,講義や文献から得た知識を自身の知見と重ねて検討し,討議や参観に協働的に取り組んでください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
 準備学修に必要な学修時間の目安は,1時間/週です。新聞等で日々報道されている学校の統廃合の動きや県内外の学校の取組等に目を向け,授業での学びと結び付けることで,さらに見方が広がります。

【成績の評価】
・基準
 学部卒院生:日本及び本県の小規模へき地教育について理解したことを説明・論述できること,学校参観・授業参観を通して少人数教育や異年齢学級の学びの可能性について理解したことや考察したことを説明・論述できることを合格の基準とします。
 現職院生:日本及び本県の小規模へき地教育について理解したことを指導経験等と関連付けて説明・論述できること,学校参観・授業参観を通して少人数教育や異年齢学級の学びの可能性について理解したことや考察したことを自身の実践と結び付けて具体的に説明・論述できることを合格の基準とします。
・方法
基準に照らして,レポート2回(50%),プレゼンテーション(25%),授業への参加の様子(25%)を基に評価します。

【テキスト・参考書】
参考書:川前あゆみ,玉井康之,二宮信一『豊かな心を育むへき地・小規模校教育-少子化時代の学校の可能性』(2019 学事出版)
フレネ著,石川慶子・若狭蔵之助 訳『フランスの現代学校』(1979 明治図書)

【その他】
・学生へのメッセージ
県内の小規模へき地学校や海外における多様な教育から柔軟に学び,実践にどのように生かすか,多角的・多面的に考えましょう。
・オフィス・アワー
授業について質問がある場合は,ウェブクラスのメッセージからお知らせください。

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