カリキュラム開発事例研究
 Case Studies on Curriculum Design
 担当教員:森田 智幸(MORITA Tomoyuki),井上 麻美子(INOUE Mamiko)
 担当教員の所属:大学院教育実践研究科
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):井上麻美子:学校現場における教員経験がある教員が、その経験を生かして議論に参加し、カリキュラム開発における実践的な課題の探究について指導する。
 開講学年:2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
本授業では、①文献講読を通して、ケースメソッドという手法について学ぶこと、また、実践の複雑性を学ぶこと、②文献講読で学んだ知見を生かして、授業実践の事例を通して学ぶこと、③概念に関する学び、事例による学びを統合し、それぞれが新しい実践のビジョンをもつことを目的としている。演習を通して、理論的な知見を実践と統合しながら検討し、学習者中心の授業実践がいかに可能になるのかについて学び合いたい。

【授業の到達目標】
・事例を通して何を、どのように学ぶのかに関するビジョンをもつことができる。
・授業実践における様々な複雑性を引き受けた上で、事例から学ぶことができる。
・事例を通して、教育実践に関する概念を実践において統合し、新しい実践のビジョンをもつことができる。

【授業概要(キーワード)】
カリキュラム、実践、学び、事例研究

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25%
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25%
D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
B-3.習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。:1~25%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:1~25%
D-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型の演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
本授業では、事例を通して何をどう学ぶのかを明らかにし実践の複雑性を学ぶこと、また、理論的な知見と実践を統合しそれぞれが新しい実践のビジョンをもつための科目である。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
10.人や国の不平等をなくそう
16.平和と公正をすべての人に

【授業計画】
・授業の方法
・文献講読を行う。
・演習を通して、学習者中心の授業実践がいかに可能になるのかについて議論する。
・日程
第1回: オリエンテーション
第2回:実践の複雑性①―教師の実践的思考様式に関する研究―
第3回:実践の複雑性②―教師の実践的思考様式に関する研究―
第4回:事例を通して何を学ぶか①―ケース・メソッドの起源―
第5回:事例を通して何を学ぶか②―ケース・メソッドの起源―
第6回:事例を記述する―質的研究の展開―
第7回:事例を分析する―一人称研究の展開―
第8回:記述することば―二人称研究の展開―
第9回:事例研究を読む:授業分析を学ぶ
第10回:ビデオを通した事例研究:授業観察
第11回:ビデオを通した事例研究:フィールドノーツの交流
第12回:フィールドにおける事例研究:授業観察
第13回:フィールドにおける事例研究:フィールドノーツの交流
第14回:レポートを読み合う①
第15回:レポートを読み合う②

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
報告者の準備:
 ①この授業の課題に答えるために重要だと思われる記述を、できるだけ多く紹介するように努めてください。
  ※その記述はどのような意味で、それがどのような点で重要なのかを説明してください。
 ②(2回目の最後に)それらの記述をつなげるとどのように課題に答えられそうかを一人ひとりが提案してください。
報告者以外の準備:
 ①この授業の課題に答えるために重要だと思われる記述を紹介できるようにしてください。
  ※その記述はどのような意味で、それがどのような点で重要なのかを説明してください。
  ※報告者の報告を聞いて、自身の持ってきたものとすり合わせるようにしてください。
 ②(2回目の最後に)それらの記述をつなげるとどのように課題に答えられそうかを一人ひとりが提案できるようにしてください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
業前に必要な学修時間の目安は約1時間/週です。
学部卒院生:文献の内容をできる限り具体的に説明できるよう、受講生同士で議論しておいてください。
現職院生:勤務校で文献の内容と重なる事例を紹介できるよう準備しておいてください。

【成績の評価】
・基準
C(合格に必要な最低限度)基準
学部卒院生:事例を通して何を、どのように学ぶのかについて、授業実践の複雑性を引き受けた上で答えを出すことができる。
現職院生:事例を通して何を、どのように学ぶのかについて、授業実践の複雑性を引き受け、かつ、自分自身の実践経験と照らし合わせた上で答えを出すことができる。
      
・方法
平常点50点
レポート50点
※平常点は、授業に参加しているかどうか、報告または議論に参加したかどうかに基づいて評価します。

【テキスト・参考書】
テキスト:鯨岡峻『エピソード記述入門』(東京大学出版会、2005年)、同『エピソード記述を読む』(東京大学出版会、2012年)、稲垣忠彦・佐藤学『授業研究入門』(岩波書店、1996年)、諏訪正樹『「こつ」と「スランプ」の研究』(講談社、2016年)佐伯胖『「わかり方」の探究』(小学館、2004年)
参考書・参考資料等:、佐藤学『専門家として教師を育てる』(岩波書店、2015年)、佐藤学『教師というアポリア―反省的実践へ』(世織書房、1998年)

【その他】
・学生へのメッセージ
この授業では、理論を実践的かつ協同的に読むことが重要です。参加者それぞれの具体例を持ち寄って、充実した事例研究につながる学びにしましょう。
・オフィス・アワー
院生とのやり取りということを鑑み、森田、井上ともに随時受け付けます。
ただし、事前にメールにて連絡してください。

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