【授業の目的】
児童生徒等を感動させ学習への期待をふくらませる教材開発力や授業の展開力を育成するため,教員自らが感動できる創造的で先進的な教材開発を推進できる資質の向上を図る。そのためには,基礎資質として,①既成教材の活用に関する研究を超える「創造的研究力」,②直面する課題に,適切な判断を下すことができる,言わば「切迫感のある対応力」が重要である。そこで,先ず,これら資質の重要性の意識化を図るため,科学研究の先進的事例を直接体験させることにより,研究や技術開発のブレークスルーや試行錯誤の臨場感を実感させる疑似体験学修を実践する。
【授業の到達目標】
・最先端の研究にふれ、研究への取組みを理解することを通して、新たな教材開発に対する着想を確認できるようになる。(学部卒院生) ・各教科・領域に関連する最先端の研究の取組みを理解することを通して、創造的で先進的な教材開発を推進する「創造的研究力」と「切迫感のある対応力」を意識化できるようになる。(現職院生)
【授業概要(キーワード)】
教材開発,創造的研究力,切迫感のある対応力
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:76~100%
【科目の位置付け】
教職の専門性の高度化に対応して教科教育高度化分野に設けられた「分野別の科目」のうち、教科教育高度化分野で学ぶ院生の必修科目である。最先端の研究にふれて教材開発力を高めることを目指す。関心のある他分野の院生の聴講を推奨している。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
【授業計画】
・授業の方法
○ 人文社会科学部,理学部,工学部,医学部及び農学部の一線級教員の,実際携わっている先進的科学研究や技術開発,システム開発等について,その成果ではなく成果にたどり着いた研究過程の事例を通し,「創造的研究力」や「切迫感のある対応力」を意識化させる。(オムニバス方式) ○ 受講生は,各系各領域の多彩な事例発表をもとにレポートを作成する。 ○受講生は,その内省について相互批評し共有化を図る。 ○授業のマネジメントは、大学院教育実践研究科の専任教員(江間)が担当する。
・日程
[オリエンテーション]授業のねらいを把握する。先進研究の成果ではなく,現在の成果を得るまでに,どのような苦心・工夫があり,どのような試行錯誤を繰り返して,たどり着いたものであるか等,その研究の過程に力点を置いての事例発表であり,単なる知識・技術の伝達ではないことを理解する。(江間史明,中西正樹) 第1回:農学系(生態学領域)における事例と分析(演習)(滝澤匡) 事例をもとに,現職教員はこれまでの教材開発や授業の展開を内省し,ストレートマスターは開発に対する感覚等を学習し,それをポートフォリオ的にまとめる。(以下の授業も同様に進める) 第2回:農学系(機能性食材領域)における事例と分析(演習)(小関卓也) 第3回:農学系(環境保全領域)における事例と分析(演習)(芦谷竜也) 第4回:工学系(有機エレクトロニクス領域)における事例と分析(演習)(松井弘之) 第5回:工学系(ナノカーボン工学領域)における事例と分析(演習)(高橋辰宏) 第6回:工学系(材料工学系領域)における事例と分析(演習)(古川英光) 第7回:医学系(脳神経内科領域)における事例と分析(演習)(太田康之) 第8回:医学系(脳神経学領域)における事例と分析(演習)(小久保安昭) 第9回:医学系(医療安全領域)における事例と分析(演習)(橋本淳一) 第10回:理学系(情報科学領域)における事例と分析(演習)(原一夫) 第11回:理学系(生命科学領域)における事例と分析(演習)(横山潤) 第12回:理学系(宇宙科学領域)における事例と分析(演習)(中森健之) 第13回:人文科学系(法哲学領域)における事例と分析(演習)(池田弘乃) 第14回:人文科学系(地理情報システム領域)における事例と分析(演習)(山田浩久) 第15回:人文科学系(世界遺産領域)における事例と分析(演習)(坂井正人)
[授業のまとめ]事例の分析記録を振り返り,児童生徒等を感動させ学習への期待をふくらませる教材開発力や授業の展開力における「創造的研究力」や「切迫感のある対応力」について討議・発表し,相互批評と評価を行なう。(発表活動)(江間、中西)
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
現職教員は,これまでの教材開発や授業の展開を内省しつつ受講し,ストレートマスターは開発に対する感覚を磨くことを意識して受講してください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
授業毎に,現職教員は,講義内容から得た新たな気づきや着想,それをどのように今後の教材開発や授業の展開に活かすかをまとめてください。ストレートマスターは,講義内容の背景にあるそれぞれの研究領域における着想や問題意識をまとめ、自分の研究に生かせる点を説明するようにしてください。時間外学修時間の目安は、1コマの授業について、復習を中心に、90分です。
【成績の評価】
・基準
C(合格に必要な最低限度)基準: 学部卒院生:最先端の研究にふれ、研究への取組みを理解することを通して、新たな教材開発に対する着想と研究ネットワークの重要性を確認できる。 現職院生:各教科・領域に関連する最先端の研究の取組みを理解することを通して、創造的で先進的な教材開発を推進する「創造的研究力」と「切迫感のある対応力」を意識化し、説明できる。
・方法
責任教員は,以下の観点に則り,学生のポートフォリオをもとに総合的に判断し評価します。学生のレポートは、各授業の担当教員にフィードバックし、学修についてのコメントを求めます。 ・ 演習やディスカッション等に主体的・積極的に参加し、内容を理解しているか(50%)。 ・ 各領域の事例をもとに,新たな教材開発への着想を膨らませているか。(50%)
【テキスト・参考書】
各学部の担当教員より、専門分野に関わる資料及び文献が示されます。
【その他】
・学生へのメッセージ
自分の知的好奇心を目一杯広げてください。知的好奇心の旺盛な教員が、子どもの知的好奇心を広げることができます。
・オフィス・アワー
江間:後期水曜の9:00-10:00です。場所は、地域教育文化学部2号館江間研究室。
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