教材開発のための教科内容研究(経済学領域)
 Curriculum Contents Teaching Materials Development (Economics)
 担当教員:江間 史明(EMA Fumiaki),溜川 健一(TAMEGAWA Kenichi)
 担当教員の所属:大学院教育実践研究科
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:1年,2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
 中学校社会の公民分野の学習指導要領には、「市場経済の基本的な考え方について理解させること」「市場の働きにゆだねることが難しい諸問題に関して、国や地方公共団体が果たしている役割について考えさせること」「財政及び租税の役割について多面的・多角的に考察し表現すること」が明記されている。この指導要領の目的を達成するためには、マクロ経済学の基本的な知識が不可欠である。マクロ経済学は、一国全体の経済活動の水準がどう決まるか、政府はそれにどのような影響を与えられるかなどを分析するための学問である。この授業では、マクロ経済学の基本を学んだ上で、中学校社会科の経済部分の記述内容を検討し、教材開発に取り組む。

【授業の到達目標】
・マクロ経済学の専門的知識の基本を理解できる。
・マクロ経済学の専門的知識を活用して、中学校社会科教科書を分析し、教材を開発できる。

【授業概要(キーワード)】
国内総生産、マクロ経済モデル、市場、経済政策

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:76~100%

【科目の位置付け】
教職の専門性の高度化に対応して教科教育高度化分野に設けられた「分野別選択科目」の一つである。経済をマクロ的視点で捉えて、社会科と公民科の授業づくりに活かせる専門性を育成することを目指す。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
08.働きがいも経済成長も

【授業計画】
・授業の方法
 授業の前半は、マクロ経済学の専門的知識の習得と整理を行う。初級マクロ経済学とその実際的応用などについて学ぶ。
 授業の後半は、中学校社会科の教科内容を主たる検討対象として、教科書分析を行う。そして、経済教育に関する先行実践を検討したうえで、新たな経済教育の教材開発に取り組む。
・日程
第1回:授業の概要の説明(溜川、江間)
第2回:マクロ経済学とは(溜川)
第3回:経済の状態を表す様々な指標:GDPほか(溜川)
第4回:マクロ経済学の基本(1) 45度線モデル(溜川)
第5回:マクロ経済学の基本(2) IS-LMモデル(溜川)
第6回:マクロ経済学の基本(3) 総需要・総供給モデル(溜川)
第7回:マクロ経済学の視点からとらえた今日の日本社会のトピックの検討(溜川)
第8回:中学校社会科の教科書分析(1) 市場(江間)
第9回:中学校社会科の教科書分析(2) 金融経済政策(江間)
第10回:経済教育の先行実践の検討(江間)
第11回:経済教育の教材開発(1) 教材と教科内容の設定(江間)
第12回:経済教育の教材開発(2) 学習活動と評価シートの検討(江間)
第13回:模擬授業の実施と記録(江間)
第14回:模擬授業の結果の分析と検討(江間)
第15回:授業全体のふり返りと今後の課題の明確化(江間)

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
マクロ経済学の学習については、本授業を中心に、テキストを読んで理解を確実にしてください。教科書分析や教材開発については、学習者の視点で検討することに留意してください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
新聞等を読み、学習したことを応用して実際の社会現象を考察するようにしてください。

【成績の評価】
・基準
C基準
学部卒院生:マクロ経済学の内容を理解し、その知見を使って教科書や先行実践を分析し、経済教育の教材を構想できる。
現職院生:マクロ経済学の内容を活かして教科書や先行実践の検討を行い、新たな経済教育の教材を開発できる。
・方法
マクロ経済学に関する授業レポート 50%
開発教材およびその検討      50%

【テキスト・参考書】
家森信善『マクロ経済学の基礎』中央経済社
中学校学習指導要領(平成29年告示)社会編 東洋館出版社

【その他】
・学生へのメッセージ
受講者数や受講者の経済学の知識を考慮して、授業内容を変更することがあります。
・オフィス・アワー
前期火曜、後期水曜日:午前9時から10時、地域教育文化学部2号館:江間研究室まで

22114440-2025-18-29444