【授業の目的】
社会系教科(中学校社会、高校地理歴史、高校公民)は、現代社会の諸課題の理解を基盤に、社会の形成に参画できる資質能力を育成することを目標とする教科である。本授業科目では、社会系教科の知識・技能の習得と活用のための実践的知見を基盤に、具体的な教材を開発し、その教育効果を、実験授業を通して検証することをねらいとする。 本授業は、社会系教科の教育内容と授業構成を、架橋する授業科目である。受講生の主題とする教材開発プロジェクトに応じて指導チームを構成する。チームは、教育内容と教材構成の実際を担当できる2名以上で構成する。実験授業は、附属学校園及び連携協力校で行う。教材の開発から評価に至る一連のプロセスを経験することによって、実践的な授業力及び授業研究を改善する資質能力の向上を図るようにする。
【授業の到達目標】
・社会系教科の教材開発や指導と評価の経験をもとに,単元レベルでの授業づくりとその評価、改善のポイントを説明できる。(学部卒院生) ・社会系教科の教材開発や指導と評価の経験をもとに、複数の単元について,授業づくりとその評価,改善策を具体的に説明できる。(現職院生)
【授業概要(キーワード)】
教材開発,評価、授業改善
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:76~100%
【科目の位置付け】
教職の専門性の高度化に対応して教科教育高度化分野に設けられた「分野別選択科目」の一つである。教科教育と教科専門を融合して新たな教材開発を進めることで、教科内容の特段の専門性にもとづく授業改善を進められる専門性の育成を目指す。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
【授業計画】
・授業の方法
受講生が主題とする教材開発のプロジェクト(テーマ)に応じて、グループを構成する。授業は、基本的に、土曜日に集中して行う。授業は、全担当教員の協力によって実施する。一部を分担して授業展開を行うが、授業内容全体の進行は全員が把握する。授業実施校との連絡調整は教員が行う。本授業は、オリエンテーション、内容探究、教材開発、実験授業、事後検討、中間発表会、発表会で構成される。 オリエンテーションでは、全担当教員・全受講者が参加し、講義のねらいと方法の共通理解を図る。 内容探究では、学生が教材開発に必要とする社会系教科に関する教育内容(歴史、哲学、経済学、地理学など)を集中的に学習・検討する。教材開発では、内容探究と並行して、先行実践の検討と、具体的な単元計画及び授業計画、教具の作成をすすめる。 実験授業と事後検討には、グループの指導にあたる教員全員が参加し、教材開発を検証する。 中間発表会、発表会では、担当教員と受講者が一堂に会し、開発された単元・教材プラン及び実験授業の記録をもとに多様な議論を深める。
・日程
第1回:オリエンテーション/講義のねらい及び進め方についての説明(全担当教員) 第2回:内容探究・教材開発/受講生の主題とする教材開発プロジェクトに応じてグループを構成する。グループの指導は、教育内容及び教材構成の実際を担当できる複数の教員が担当する。内容探究と教材開発を往還しつつ、教材の作成をすすめる。必要に応じてティームティーチングを行う。(全担当教員) 第3回:内容探究・教材開発/同上(全担当教員) 第4回:内容探究・教材開発/同上(全担当教員) 第5回:内容探究・教材開発/同上(全担当教員) 第6回:中間発表会/開発教材のプランを発表し、全教員、全受講者で検討する機会を持つ。教材の特質と課題を明確にする。(全担当教員) 第7回:内容探究・教材開発/中間発表会での課題をうけて、実験授業の教材開発プランを練り上げる。評価方略を明確にする。(全担当教員) 第8回:内容探究・教材開発/同上(全担当教員) 第9回:実験授業/開発教材を実験授業にかける。評価のためのデータを収集する。(全担当教員) 第10回:実験授業/同上(全担当教員) 第11回:事後検討/実験授業の記録を作成し、開発教材の検証を進める。発表会の発表準備を進める。(全担当教員) 第12回:事後検討/同上(全担当教員) 第13回:事後検討・発表準備/同上(全担当教員) 第14回:発表会/それぞれのグループの発表を行い、実験授業の記録をもとに、協議を行う。(全担当教員) 第15回:発表会/同上(全担当教員)
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
事前に課題とされた点(文献レポート、データ分析など)については準備して授業に臨んでください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
史料(資料)の裏付けを丁寧に進めて教材化してください。教材の質が、子どもの思考の質を規定します。授業時間外の学修時間の目安は、1コマの授業につき、予習準備が90分、復習が90分です。
【成績の評価】
・基準
成績評価基準:C(合格に必要な最低限度)基準 学部卒院生 社会系教科の教材開発の経験をもとに、単元レベルでの授業づくりとその評価、そして改善策のポイントを説明することができる。 現職院生 社会系教科の教材開発の経験をもとに、学校や児童生徒の実態に即した単元レベルでの授業づくりとその評価、そして改善策を提案できる。
・方法
次の項目について、授業での発表やレポートなどを通して全担当教員が評価します。 ・教材開発にあたっての課題意識の明確化(25%) ・教材開発の独自性(25%) ・開発教材の事後検討(25%) ・必要とする教育内容の吟味や先行実践の検討(25%)
【テキスト・参考書】
学生の主題とする内容について、各担当教員から文献及び資料を配付します。
【その他】
・学生へのメッセージ
専門的学問と同時に、学習者の視点から教材を吟味してください。教材と対決した子どもの思考を丁寧にシミュレーションすることです。
・オフィス・アワー
日時や連絡先等は、各教員から授業の際に具体的にお知らせします。
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