教材開発のための教科内容研究(代数学領域)
 Curriculum Contents for Teaching Material Development (Algebra)
 担当教員:中西 正樹(NAKANISHI Masaki)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科児童教育コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:1年,2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
算数・数学の「数と式」,「数量関係」,「関数」の領域(代数学領域)の学習では,次の点が課題となっている.
  ・文字式を具体的事象と関連づけて意味を読みとる点,・反比例や一次関数の関係を式で表す点,・日常的事象を関数を用いて解釈し説明する点,などである.本授業では,教材開発の基盤となる教師の数学的専門性を図るため,算数・数学の「数と式」,「数量関係」,「関数」の領域の教科内容を,これらの基礎となっている専門的背景と結びつける学習を行い,現職教員及びストレートマスターの数学の理解力を高める.そして,今日的課題にこたえる数学的活動(数学を生み出す活動,数学を利用する活動,数学的に伝える活動,数学的に実感する活動など)を充実させる教材の開発能力の向上を図る.

【授業の到達目標】
1.代数領域分野に関する高い専門性を身につけることができる.
2.教育課程実施状況調査で「数と式」,「数量関係」で課題とされた点を解決する教材を開発できる.

【授業概要(キーワード)】
教材研究・教材開発・代数学

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
この授業は,実践的な数学指導力・展開力を身につけ,各自が設定した代数に関連したテーマについて,主体的かつ継続的に学修する力を身につけるものである(教育実践研究科のディプロマ・ポリシー,カリキュラムポリシー).

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに

【授業計画】
・授業の方法
○初等・中等学校の算数・数学教育(代数学領域)における教材開発の目的を明確にするため,算数・数学教育の現状と課題等について,学習指導要領及び教育課程実施状況調査について考察する.(演習)○代数学領域の中から具体的なテーマを設定し,高度な専門的知識を身につける.(演習)○選択テーマに関連した専門的背景の内容を理解・分析し,教材化へ関連付ける学習を行う.(文献調査・演習,発表活動を含む)○学習内容をプレゼンテーションし,相互批評と評価を行う.(グループ討議,発表活動)
・日程
第1回:算数・数学教育(代数学に関わる領域)の現状と課題(演習)学習指導要領を含め,初等及び中等教育の「数と式」,「数量関係」,「関数」の領域(代数学領域)をめぐる近年の算数・数学教育の現状と課題等について検討する.
第2回:算数・数学教育(代数学に関わる領域)をめぐる教材開発の動向.コンピュータ領域との関連性を含めた議論を行う.(演習)
第3回:算数・数学教育(代数学に関わる領域)における教材開発の目的と授業における役割(演習)
第4回:代数学領域における専門性の育成(論理代数と思考力を育てる授業の関係)
第5回:代数学領域における専門性の育成(代数学領域とコンピュータ領域の融合 - 線形代数を例に)
第6回:代数学領域における専門性の育成(代数学領域とコンピュータ領域の融合 - n進法を例に)
第7回:代数学領域における専門性の育成(代数学領域とコンピュータ領域の融合 - 符号理論を例に)
第8回:代数学領域における専門性の育成(代数学領域とコンピュータ領域の融合 - 論理代数とコンピュータ)
第9回:代数学領域における専門性の育成(実社会の問題への応用)
第10回:代数学領域における専門性の育成(最先端の話題について)
第11回:代数学領域における教材作成とプレゼンテーションの準備
第12回:教材の分析と評価(グループ討議)各教材の効果や課題等についてグループで討議し,評価を行う.また,改善点についても提案する.
第13回:教材の改善とプレゼンテーション1(発表)作成した教材を指摘に基づいて改善し,発表する.
第14回:教材の改善とプレゼンテーション2(発表)
第15回:学習の成果,課題等の検討と学習全体のまとめ これまでの学習の成果をもとに初等及び中等教育の算数・数学における「数と式」,「数量関係」,「関数」の領域(代数学領域)の今後の課題等について討論し,授業全体のまとめを行う.(演習)

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
(講義)議論を通して,算数・数学教育における教材開発を考えます.(演習)教材開発及びその発表を通して,算数・数学教育における教材開発を考えます.
準備学修に必要な学修時間の目安は以下のとおりです。
1時間/週
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
算数・数学の教材について,情報収集を行い,その都度まとめておくようにしてください.プレゼンテーションの進め方について,反省点をまとめておくようにしてください.

【成績の評価】
・基準
C(合格に必要な最低限度)基準
 ・学部卒院生:代数的な考えを用いた教材開発を行うことができ,それを用いて学習指導案を作成できる.
 ・現職院生:代数的な考えを用いた教材開発を行うことができ,その教材と現行の多数の教材との比較を説明できる.更に数学教育の経験を踏まえたて学習指導案を作成できる. 
・方法
 次の項目について,プレゼンテーションの内容(50%),提出物(50%.レポート,作成した教材など)を対象に評価を行います.
 ・教材の数学的意味を十分に把握しているか
 ・主体的かつ積極的に参加し,設定された目標の到達に向けて努力しているか.
 ・演習や課題発表の内容等が設定された目標に到達しているか.内容に対する理解や工夫等が見られたか.

【テキスト・参考書】
テキスト:
中学校学習指導要領解説(数学編)文部科学省
高等学校学習指導要領解説(数学編 理数編)文部科学省
上記に加えて,必要に応じて資料を配布します.

【その他】
・学生へのメッセージ
単に教材を開発するだけでなく,そのために必要な数学力,応用力を身に付けられるよう,積極的に授業に参加してください.
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」は中西研究室(地教2号館4階)において,原則毎日昼休み(12:10~12:50)としますが,これに限らず在室しているときは随時対応します.
会議や出張等で不在にすることもあるため,確実に面談したい場合は事前に予約をお願いします.連絡先は,初回の授業でお知らせします.

22114480-2025-18-29448