発達障害児の事例分析
 Case Analysis of A Developmental Child with Disabilities
 担当教員:川村 修弘(KAWAMURA Nobuhiro)
 担当教員の所属:大学院教育実践研究科
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):特別支援学校、特別支援学級、通級指導教室および通常の学級での担任経験のある教員が、その発達障害児等(LD、ADHD、ASD等)の特徴と教育的対応について、事例を分析しながら講義する。
 開講学年:2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
 発達障害児等への直接的な指導を通して、障害の特徴を把握しながら適切な指導支援を行っていくことを目的とする。具体的には、①発達障害児の指導見学と理解、②個別検査と分析および解釈、③指導内容・指導方法と指導計画の作成、④指導と分析、⑤まとめ、から構成されている。最初に、発達障害児等の指導見学を通して実態を正確に把握する。次に、チェックリストや最新の個別検査(WISC-Ⅳ、KABC-Ⅱ等)を実施し、その結果の分析を通して指導方針を見つけ出していく。さらに、その指導方針にしたがって、指導計画を作成する。そして、その計画に基づいて実際に指導を行う。最後に、指導の成果を発表して更なる改善を図っていく。

【授業の到達目標】
到達目標は、以下の3点である。
1.発達障害児等の特徴について児童を通しながら理解を深めることができる。
2.発達障害児等の実態を把握するためのチェックリストや個別検査を実施し、プロフィールを分析することができる。
3.発達障害児等への個別の指導計画を作成して指導することができる。

【授業概要(キーワード)】
発達障害、学習障害、注意欠如多動性障害、自閉スペクトラム障害、個別指導

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
特別支援教育分野(障害児の指導実践)の選択必修科目、特別支援学校教諭専修免許状の必修科目により、特別支援教育の中で、発達障害児への指導支援について専門性を高めることを目指す。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を
04.質の高い教育をみんなに
16.平和と公正をすべての人に

【授業計画】
・授業の方法
最初に発達障害児等の指導見学をして理解を深め、個別検査との実施方法などを学ぶ。その後、勤務校の子供について実態把握をして指導計画を作成し実践する。最後に結果を発表する。
・日程
〇発達障害児等の指導見学と理解
 第1回:発達障害児等の特徴と理解①(LD・ADHD・ASDの指導観察、障害の特徴を把握、指導内容、指導方法)
 第2回:発達障害児等の特徴と理解②(視覚・聴覚・知的・肢体不自由・病弱の特徴を把握、指導内容、指導方法)
〇個別検査と分析および解釈
 第3回:個別検査の種類と検査実技①(チェックリスト、LDI検査、読み書きスクリーニングテスト、集団適応検査)
 第4回:個別検査の種類と検査実技②(KABC-Ⅱなど)
 第5回:個別検査の種類と検査実技③(WISC-Ⅳなど)
 第6回:検査の総合解釈
〇指導内容・指導方法と指導計画の作成
 第7回:実態調査(チェックリスト、個別検査の実施)
 第8回:プロフィール分析と指導方針(個別検査の分析と考察、指導の方向性、教材教具の作成)
 第9回:個別の指導計画の作成(目標、指導内容、指導方法、指導段階、教材教具、評価)
〇実際の指導と分析
 第10回:実際の指導①(特に個別の指導計画の適用を中心として)
 第11回:実際の指導②(特に指導内容を中心として)
 第12回:実際の指導③(特に指導方法を中心として)
 第13回:実際の指導④(特に教材教具の適用を中心として)
 第14回:実際の指導⑤(特に指導の評価を中心として)
〇発表とまとめ
 第15回:プレゼンテーション(個別の指導計画の評価、成果検証、総合評価)

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
・特別支援教育臨床科学研究所で実施している臨床相談や臨床指導を見学して知識を深めるようにしてください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
・指導実施後には、保護者や本人とその結果を報告する中で様々な意見交換するようにしてください。
・予習・復習に必要な学修時間は、1週間当たりそれぞれ1時間程度になります。

【成績の評価】
・基準
C(合格に必要な最低限度)基準
学部卒院生:発達障害児に対して、個別の指導計画を作成して指導することができる。
現職院生:発達障害児に対して、個別検査の実施、プロフィール分析をしながら、個別の指導計画を作成して指導することができる。
・方法
以下の観点から、個別検査の実施と解釈などを中心に総合的に評価します。
・個別の検査を理解して実施し、解釈することができたか。(30%)
・長所活用型の個別の支援計画を作成して、その計画に基づき指導し、児童が変容することができたか。(70%)

【テキスト・参考書】
参考書:藤田和弘編『長所活用型指導で子どもが変わるPART1‣2・3・4・5』(図書文化)

【その他】
・学生へのメッセージ
個別検査(KABC-Ⅱ、WISC-Ⅳ等)の実施方法、指導結果の分析の仕方などを学ぶようにしてください。
・オフィス・アワー
相談がある場合には、事前に川村修弘までメールで連絡をしてください。

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