障害児のキャリア支援
 Carrier Support for Children with Disabilities
 担当教員:髙橋 幹則(TAKAHASHI Mikinori)
 担当教員の所属:大学院教育実践研究科
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):特別支援学校での担任や進路指導等のある教員が、その進路学習や進路指導について、実践的に講義する。
 開講学年:2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
 障害児者の社会参加と自立が叫ばれている。障害児が学校卒業後から社会生活(就労生活)へのスムーズな移行をするためには、学校におけるキャリア教育(進路学習、進路指導、職場体験など)が重要となっている。この授業では、知的障害児等のキャリア教育の目的と卒業後の生活について理解し、キャリア支援に対応できる実践力を磨くことを目的とする。

【授業の到達目標】
1.知的障害児等(視覚障害児、聴覚障害児、肢体不自由児、病弱児を含む)のキャリア教育(進路学習、進路指導、職場体験など)について理解することができる。
2.事例報告を通して、知的障害児等の進路と社会生活について知識を深めることができる。
3.障害者が働いている職場訪問を通して、様々な仕事や支援方法があることを理解することができる。

【授業概要(キーワード)】
特別支援教育、キャリア教育、自立、進路選択、障害者雇用率

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:26~50%
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
特別支援教育分野(学校と地域における連携)選択科目、特別支援学校教諭専修免許状の選択科目により、特別支援教育の中で、障害児の進路指導やキャリア教育に関して専門性を高めることを目指す。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を
04.質の高い教育をみんなに
08.働きがいも経済成長も
10.人や国の不平等をなくそう
16.平和と公正をすべての人に

【授業計画】
・授業の方法
 障害者の進路先や現場実習先の状況を把握しながら、進路選択していくことを学んでいく。前半は、教育課程の中で中心となる進路学習や作業学習ついて学ぶ。後半は、現職院生と学部卒院生がグループとなって事例報告を行い、事例検討会を通じて、実際的な知識や技能を深めていく。また、実際に障害者が雇用されている事業所や作業所に職場訪問し、障害児の卒業後の生活について考察する。
・日程
〇知的障害児等(視覚障害児、聴覚障害児、肢体不自由児、病弱児を含む)
 第1回:知的障害児等の進路の現状と課題
 第2回:知的障害教育と教育課程①(進路学習)
 第3回:知的障害教育と教育課程②(作業学習)
 第4回:障害種別に応じた進路先(視覚障害児、聴覚障害児、知的障害児、肢体不自由児、病弱児)
 第5回:知的障害児等の現場実習の実際 (作業所、事業所)
 第6回:個別の進路指導計画と個別の移行支援計画の作成
 第7回:進路先や労働機関との連携(ハローワーク)
 第8回:障害者の社会生活と福祉(福祉制度、支援制度、成年後見制度、障害者手帳、障害者年金)
〇障害者雇用の実態
 第9回:障害者雇用先の職場訪問①(福祉作業所等)
 第10回:障害者雇用先の職場訪問②(事業所等)
〇事例報告から考える障害児の進路(2グループに分ける)
 第11回:事例検討会(1)…第1グループの事例報告と討論
 第12回:事例検討会(2)…第2グループの事例報告と討論
 第13回:事例検討会(3)…第1グループ1回目の討論を受けて修正した内容を発表し討論
 第14回:事例検討会(4)…第2グループ1回目の討論を受けて修正した内容を発表し討論
 第15回:プレゼンテーション(概論、事例報告、職場訪問を通して)

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
 障害者の就労継続支援企業を見学し、実際に就労体験を行うことでキャリア教育の現状と課題を学んでください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
 現職の方は、勤務校におけるキャリアプランがどのように構成されているかを把握して、それを再検討してください。学部卒の方は文献などで予習してください。準備学修に必要な学修時間の目安は1時間/週です。わからないところや疑問に思ったことについては、自分で調べるなど、授業の理解を深めるように努めてください。

【成績の評価】
・基準
C(合格に必要な最低限度)基準
学部卒院生:職場訪問を通して、障害児者の進路先の状況と課題を理解し、今後のより良いキャリア教育の在り方を提示することができる。
現職院生:勤務している学校においてのキャリア教育の現状と課題を分析しながら、個々の障害特性と能力に応じた個別の移行支援計画の作成と支援ができる。
・方法
 以下の観点から、授業中の討論や事例報告会、職場訪問のレポートなどを中心に総合的に評価します。配点は、①60点、②20点、③20点の割合とします。
①知的障害児等のキャリア教育(進路学習、進路指導、職場体験など)の内容について理解することができたか。
②知的障害児等の進路と卒業後の生活について知識を深めることができたか。
③障害者が働いている職場を訪問することで、障害者自身の現状と課題を把握することができたか。

【テキスト・参考書】
 参考資料等:「障害者福祉法」「障害者自立支援法」などの法律。
授業で使用するスライド資料は配布します。

【その他】
・学生へのメッセージ
 山形県の障害者雇用状況を把握して、障害者雇用率が上がるようにするための施策を考えながら授業に臨んでください。
・オフィス・アワー
 授業に関する質問は,授業終了後又は開始前に受付します。また、個別に相談や質問などがある場合には、ウェブクラスのメッセージで連絡してください。個別に時間を設定して対応します。

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