【授業の目的】
高度臨床医療で用いられている生体材料を学ぶ。
高度医療において，人工物を生体内に埋入する材料（生体材料）の臨床応用は年々増している。この授業は生体材料の設計指針及び開発状況を基礎から応用に至るまでを学び，最新の話題を取り上げ，工学から医学へのアプローチ方法を考える。
【授業の到達目標】
1.生体材料の種類を挙げて説明できる。2.材料の適用症例の概略が理解できる。3.生体内での材料の使用方法を説明できる。4.医療機器の構成と使用材料を説明
できる。
【授業概要（キーワード）】
生体材料，医療機器，生体機能修復，人工物移植
【学生主体型授業（アクティブラーニング）について】
C-1．自分の意見をまとめて発表する機会がある。：1～25％
C-2．事前学習（下調べ、調査等含む）をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。：26～50％
B-3．習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。：1～25％
【科目の位置付け】
選択科目であるが，医療系内容を含むので生命系受講者に対して有効である。学部専門科目において，生理学基礎，生体システム論，再生医工学がバックグランドとして必要となる。
【SDGs（持続可能な開発目標）】
03.すべての人に健康と福祉を
04.質の高い教育をみんなに
09.産業と技術革新の基盤をつくろう
12.つくる責任つかう責任
【授業計画】
・授業の方法
材料の生体移植に関連する罹患者に対して，セラミックス・金属・ポリマーなど，様々な生体材料が医療現場で用いられ，治療成績の向上に貢献している。これら材料の特性・評価法，さらに臨床適用事例を理解できるようにする。また，治療や検査に用いる医療機器の構成や素材の使用方法を理解できるようにする。授業は，上記の概略を講義するとともに，受講生は最新の英語論文を取り上げ，レポートとプレゼンテーションを課し，主体的に学ぶ姿勢が必要となる。
・日程
第１回 生体構成（細胞，血液）（山本）
第２回 生体構成（骨格，循環，呼吸）（山本）
第３回 生体材料を開発する上での留意点（山本）
第４回 生体材料 ‐セラミックス-（山本）
第５回 生体材料 ‐金属-（山本）
第６回 生体材料 ‐ポリマー‐（山本）
第７回 生体と調和する材料設計と現状（山本）
第８回 生体材料と医療機器（右田）
第９回 医療機器の使用法（右田）
第１０回 生体材料の開発倫理（右田）
第１１回 工学から医療へのアプローチはどうあるべきか（右田）
第１２回 医学・工学の双方から見た生体材料の認識の違い（右田）
第１３回 論文紹介I -各種生体材料に関するプレゼンテーション-（右田）
第１４回 論文紹介II -生体親和性に関するプレゼンテーション-（右田）
第１５回 総括・まとめ（山本・右田）
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
これまで学んだ学部授業（例えば，生物系，生理系，材料系の科目）の上位の内容となるので，集中力，予習及び復習が必須となる。さらに，英会話による議論を行うので，英語を話す努力を惜しまないこと。
講義内容のメモすることが必要であり，最新の生体関連記事を新聞等から得る週間をつける。
・授業時間外学習（予習・復習）のアドバイス
あらゆる機会を得て，英語に慣れることが重要である。さらに，様々な疾病に対する生理学的現象を理解しておくこと。
様々な具体例を正確に記憶するため，講義メモを参考に再度内容確認を行うこと。
【成績の評価】
・基準
授業への出席率が60％を超していること。十分に調査・考察されたレポート及びプレゼンテーションを行うこと。
・方法
講義内容に関するレポート（20点），第１３回と１４回のプレゼンテーション（8
0点）で，60点以上を合格とする。
【テキスト・参考書】
特に指定しない。英語論文については，指定する。
授業中に紹介する。
【その他】
・学生へのメッセージ
授業（講義）の単位取得は，学生次第である。積み重ねた知識は忘れないので，予習・復習の連続的知識の習得は最も重要である。欠席・遅刻は不可。
・オフィス・アワー
特に時間は設けないが，必要があればアポイントを取って，直接たずねること。
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