光エレクトロニクス
 Optical Electronics
 担当教員:佐藤 学(SATO Manabu)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)電気電子工学分野
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:情報・エレクトロニクス専攻  科目区分:選択 
【授業の目的】
高度情報化社会で重要な技術の一つである光エレクトロニクスについて、光波の基礎的性質、光波の発生・検出、レーザの原理及び光応用計測を中心に学習する。まず、マックスウェルの方程式を取り上げ、光波(電磁波)の基本的な性質を説明し、物質内の分極と光波の関係を述べる。光波の発生では、自然放出、誘導放出などの現象を説明し、レーザの原理動作を述べる。光の検出では、光の吸収からキャリヤーの発生機構を説明し、光検出器の基本動作を述べる。さらに光の応用計測では、干渉を用いた生体の画像計測の原理などを紹介する。
電磁波・光波の定式化、基礎的性質、及び光波の発生・検出のメカニズムを理解し、さらにそれを応用した生体への応用計測技術を学習し,基礎内容から先端的応用技術を体系的に習得し,先への展開力のための基盤形成を行うことを目的とする.

【授業の到達目標】
・光波を式で表現でき、その物理的意味が理解できる。【知識・理解】
・光の発生機構、及びレーザーの動作機構が理解できる。【知識・理解】
・光の検出機構が理解できる。【知識・理解】
・光を用いた生体の断層画像計測の原理が説明できる。【知識・理解】
・光に関する基礎的事項を体系的に理解し,さらに応用することができる。【技能】

【授業概要(キーワード)】
電磁波、光波、相互作用、光の発生・吸収、干渉、生体、断層画像計測

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
電磁気学、電子物性、半導体工学、電子回路、アナログ回路などの応用分野であり,光波に関する基礎事項を習得し,先に展開するため応用力を身に付けるものである.(カリキュラム・ポリシーに準じる.)

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
09.産業と技術革新の基盤をつくろう

【授業計画】
・授業の方法
原則的にテキストやプリントに沿って,90分の対面講義を行い,授業時間内にまとめと中間試験と期末試験を行う。場合により遠隔授業を行うことも有るが,その際は事前に周知する。
・日程
この授業は,以下の内容と順序で行う。
第1週 講義の概要(フォトニクスの歩み)と進め方
第2週 マックスウェルの方程式と光波の伝播
第3週 干渉とコヒーレンス
第4週 物質の光学応答と光学スペクトル
第5週 光の放出機構と光増幅器
第6週 光共振器
第7週 中間試験とまとめ
第8週 レーザーの動作原理と基本特性
第9週 光検出器
第10週 光の干渉
第11週 光の応用デバイスの紹介
第12週 光の応用計測技術の紹介1
第13週 光の応用計測技術の紹介2
第14週 光の応用計測技術の紹介3
第15週 期末テストとまとめ

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
授業中は、板書もあるが,内容の理解に集中し、疑問のあるときは質問すること。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
内容が専門的なので、授業前に関連深い電磁気学、電子物性、半導体工学などの基礎事項ついて復習しておくことが望ましい。
授業後は、授業内容が全部わからないのは当然、数式が多いので数学の教科書を調べながら自分で納得して、習得するのが望ましい。時間の目安は週3-4時間以上である。

【成績の評価】
・基準
専攻のディプロマポリシーに沿って
・光波を式で表現でき、その物理的意味が理解できることを合格基準とする。
・光の発生機構、及びレーザーの動作機構が理解できることを合格基準とする。
・光の検出機構が理解できることを合格基準とする。
・光を用いた生体の断層画像計測の原理が説明できることを合格基準とする。
・光に関する基礎的事項を体系的に理解し,さらに応用することができることを合格基準とする.
・方法
・原則として、中間テスト:40点,期末テスト:40点、レポート点:20点、合計100点で、合格ラインは60点以上とする。場合により試験をレポート課題に代える場合も有るが,その際は早めに周知する。

【テキスト・参考書】
伊藤弘昌編著「フォト二クス基礎」、朝倉書店、3,200円(2009)
多田邦雄・神谷武志監訳「光エレクトロニクス」、丸善書店、4,800円(2002)
B.E.A.Saleh and M.C.Teich:Fundamental of Photonics, John Wily & Sons (1991)

【その他】
・学生へのメッセージ
目に見えない”光波”の現象をどうモデル化・定式化し、理論体系されているかを学習して頂きたい。関連する上記科目を履修していることが望ましく,興味をもって自発的に関係する基礎事項を整理し,吸収することを望む.
・オフィス・アワー
9号館8階,9-803,質問は随時
授業後の自由な質問やメール等も受け付ける.

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