【授業の目的】
分子細胞力学と再生医療工学の内容を取り上げ、学際的な生体医工学領域における機械システム工学的な方法論・実験技術および取り組みを紹介し、これまで習得した機械工学的知識・技術をより深く理解することと共に学際的分野においてのチャレンジ精神と推進力を養成することが目的である。
【授業の到達目標】
分子細胞力学においては細胞骨格、筋収縮および細胞運動に関する力学的モデルを理解・説明できる。再生医療工学においては細胞培養工学の基礎知識を習得し、機械工学知識・技術の応用を説明でき、応用課題に対して具体的な提案ができる。
【授業概要(キーワード)】
アクトミオシン、ブラウン運動、化学力学変換、自己集合、細胞工学、バイオマテリアル、再生組織構築
【科目の位置付け】
機械システム工学学部授業の「生体の力学」と「医用システム工学」の展開と深化の科目に位置付け、これまでの生体と医用工学の基礎・専門知識を生かして、新たな応用領域を開ける。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を
【授業計画】
・授業の方法
前半では、細胞骨格と生体分子モーターを理解した上で、細胞運動および筋収縮の実験とモデルについて詳述する。また、分子・細胞力学に関して最新の取り組みを紹介する。 後半は、再生医療工学の全体像を紹介して、細胞培養および再生組織構築における工学的な知識と技術を詳述する。その中特に機械工学的な知識と技術を如何に活用して再生医療工学の発展に寄与することを考えさせる。
・日程
第1回 筋収縮の古典モデル 第2回 細胞運動 第3回 細胞骨格 第4回 モータータンパク質 第5回 筋タンパク質運動試験法 第6回 生体分子モーターの文献 第7回 中間レポート 第8回 細胞培養工学基礎(1) 第9回 細胞培養工学基礎(2) 第10回 バイオマテリアル特性(1) 第11回 バイオマテリアル特性(2) 第12回 細胞の力覚 第13回 再生組織構築 第14回 再生医療工学におけるバイオリアクタの応用 第15回 まとめ
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
テキストは指定しませんが、講義内容を詳細に聞き取り、必ずノートに記載することが必須です。分らないことは先延ばしにしないで、授業中あるいは講義後積極的に質問してください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
予習:参考書について、予告された講義内容をあらかじめ確認し、授業内容の概要を理解しておくことが必要です。 復習:授業内容を整理し、自分が把握した知識を如何に授業の内容の理解を最大限に利用することを常に考えてください。
【成績の評価】
・基準
前半と後半は、講義内容についてレポートを課す。レポートを理解度および到達度の観点から評価する。試験は課しません。
・方法
二名の教員前半7週と後半8週にそれぞれ分担するので、前半100点満点と後半100点満点の平均点で評価する。60点以上合格とする。
【テキスト・参考書】
1. 細胞の物理生物学、著 Rob Phillips 他、訳 笹井 理生 他、共立出版 ISBN978-4-320-05716-6. 2. 細胞の世界、著 Wayne M. Becker 他、訳 村松 正實 他、西村書店 ISBN4-89013-334-8. 3. 岡野光夫 バイオマテリアル 東京化学同人 2016 4. B Palsson and SN Bhatia, Tissue Engineering, Pearson Education, Inc.2004
【その他】
・学生へのメッセージ
無断欠席をしないこと。授業を通して視野をひろげ、柔軟なものの見方・思考を身に付けてほしい。
・オフィス・アワー
日時等、特に設けないが、アポイントを取ればいつでも可能である。
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