【授業の目的】
多成分系高分子材料の高次組織、その形成機構、組織と材料物性の関係について講究する。耐衝撃性プラスチック、熱可塑性エラストマー、耐熱性樹脂などの実用材料を具体例として、その背景となる物理・物理化学についての解説する。 具体的な材料を紹介しながら、その材料設計の基礎となっている物理・物理化学についての理解を深めること。
【授業の到達目標】
1.生活に使われている高分子から高機能材料まで紹介・解説する 2.材料の構造・組織について解説する 3.構造・組織の形成機構についての理解を深める 4.構造・組織ー物性の関係について解説する 5.高分子構造・高分子物性と物理学のつながりを解説する
【授業概要(キーワード)】
多相平衡、ミクロ相分離の統計力学、スピノーダル分解、界面、高分子結晶、高機能材
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:26~50% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:26~50%
【科目の位置付け】
「有機材料システム分野おける研究能力と高度な専門性に支えられた論理的な思考力および記述力を備えていること」の中で高分子材料,相分離,構造について学ぶ
【SDGs(持続可能な開発目標)】
09.産業と技術革新の基盤をつくろう
【授業計画】
・授業の方法
講義と演習を行います.特に,講義は専門を中心に学ぶのでしっかり聞いて勉強してください.
・日程
講義は基本的にすべてオンラインで実施する.出席確認,レポートなどの提出方法は第一週,第二週で説明する.必ずWebClassに登録すること.
第1週 高分子材料概論 第2~4週 高分子多成分系の相平衡 第5~8週 異種高分子の相溶性と統計熱力学 第8~9週 高分子の結晶化と機能 第10~12週 ブロック・グラフト共重合体:ミクロ相分離構造の制御 第12~15週 高分子の高機能化・高性能化に向けた構造制御
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
分かりにくければ質問すること。 また,比較的深い専門分野の話が多いので,パワーポイントなどを参考にすること ※基本的にレポート提出をもって、出席とみなします。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
復習すること.不明な点は遠慮なく担当教員まで聞きに来てください.なお,専門的な議論は歓迎です.
【成績の評価】
・基準
本講義の成績評価については、評価点60点以上で合格とします。
・方法
講義レポート、期末試験の合計を100点満点に換算して計算します。
【テキスト・参考書】
高分子の物理(G.R.ストローブル著、深尾ら訳,シュプリンガー・フェアラーク 1998)
【その他】
・学生へのメッセージ
高分子の材料・特性を物理の観点から解説します。 自分自身の修士論文の研究に結び付けて考えるとよいと思います。また、合成系、光電子系の研究室の学生の受講も歓迎します。
・オフィス・アワー
火曜日:11時~15時、質問がある場合は授業の終了後に問い合わせをすること。
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