【授業の目的】
有機機能工学への理解を深めるため、我々にとって身近な有機化学に端を発する機能に焦点をあてて検討し、この機能が工学にとって如何に重要か、近年の研究状況も加味して専門的な知識を得ることを目的とする。
【授業の到達目標】
１ 有機分子が関わる様々な反応と物性の基礎を理解している。「知識・理解」
２ 有機材料の機能の発現機構を理解している。「知識・理解」
３ 分子構造による反応・機能制御の基礎を理解している「知識・理解」
４ 学んだ知識を分子・反応・材料デザインに活用することができる「技能」
【授業概要（キーワード）】
有機分子設計化学、機能分子化学、ナノ結晶・ナノ粒子、遷移金属触媒反応
【学生主体型授業（アクティブラーニング）について】
A-1．ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。：26～50％
C-3．習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。：26～50％
【科目の位置付け】
先進工学専攻の以下のカリキュラムポリシーに対応する。
１. 先進工学の基礎から先端分野に及ぶ体系的な授業科目を配置する。
２. 学位取得後に社会で学生の能力が発揮できるよう、応用力を養う授業科目を配置する。
３. 専門的かつ多面的な考察を通して化学・バイオ工学分野に関する論文を執筆できるべく、適切な助言・指導を行う。
【SDGs（持続可能な開発目標）】
04.質の高い教育をみんなに
07.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
09.産業と技術革新の基盤をつくろう
12.つくる責任つかう責任
【授業計画】
・授業の方法
第1回目 有機機能工学の基礎とガイダンス
第2回目 有機材料の構造と力学・熱物性の相関
第3回目 材料のライフサイクルマネジメント
第4回目 有機材料の構造解析・機能評価に向けた機器分析
第5回目 機能性有機分子の分子設計
第6回目 機能性有機分子の応用（検出・分離）
第7回目 機能性有機分子の応用（触媒・輸送）
第8回目 講義の中間纏め（試験を含む）
第9回目 有機分子の集合体化
第10回目 有機分子で構成されたナノ結晶の機能
第11回目 有機分子と無機ナノ粒子による新規機能と応用
第12回目 有機金属錯体の構造・機能
第13回目 不斉触媒反応の反応機構と応用例
第14回目 触媒的炭素–炭素結合構築法と反応機構
第15回目 講義の纏め（試験を含む）
・日程
各担当教員と調整の上で日程を確定します
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
少なくとも学部講義の有機化学Ⅰ、Ⅱ、IIは復習して臨むこと
・授業時間外学習（予習・復習）のアドバイス
専門書や最新の研究論文を自身で調査するなど、積極的に学習することが望ましい。
【成績の評価】
・基準
60-69点 有機機能工学についての知見がある。
70-79点 有機化学の機能と工学の関係の基礎を理解している。
80-89点 有機化学の機能がどのような工学へ展開できるかを理解している。
90点以上 有機機能を発現するための工学の指針を設計できる。
・方法
各回の講義内容の理解度と、講義を通して身につけた有機機能を実際にどのように工学へと活かすか口頭試問により問う。
【テキスト・参考書】
テキスト：無し
参考書：March's Advanced Organic Chemistry
【その他】
・学生へのメッセージ
博士後期課程修了後は、将来多様な材料を扱うことになります。そのために、現在の研究とは異なる研究でも役に立つ汎用力を身につけるべく、学んで下さい。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」を設けています。
各担当教員によって日時がことなります。担当教員が一番はじめの講義でお知らせします。
但し、不在の場合もあるので、事前にメールにて確認を取ることを推奨します。
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