【授業の目的】
先端医療に資する工学と医学の学際分野を取り上げ,医療素材,糖・脂質代謝,組織再生およびシグナル発現などの基本概念,生体恒常性に基づいた疾患に対する治療法などの知識を得ることを目的とする。
【授業の到達目標】
医療の現状とそれに関わる工学の役割を理解するために,以下を到達目標とする。1.医療現場の要求に基づいた医療材料の選択と適用を口頭と記述で説明できる。2.細胞から組織化に至るまでの過程が口頭と記述で説明できる。3.再生組織の病理学的評価法が口頭と記述で説明できる。4.代謝機構に関して口頭と記述で説明ができる。5.疾患からの快復や生体機能の修復に関する理論と実例が口頭と記述で説明できる。
【授業概要(キーワード)】
医工学,組織再生,代謝,疾患,バイオプロセス,医療材料
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25% C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:26~50% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25% C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:26~50% C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
本講義は工学と医学の学際領域であり,この領域の広範な基礎知識が必要となる。少なくとも生体機能修復学,遺伝工学,栄養代謝学,バイオニクス,医療材料学,生理学などの医工学に関連する科目を受講しておくことが望ましい。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
09.産業と技術革新の基盤をつくろう 12.つくる責任つかう責任
【授業計画】
・授業の方法
本講義を担当する3名の教員が基礎知識から先端応用研究について講義を行い,受講生は講義内容に関連する国際論文を熟読し,論文内容の発表やレポートの提出を課す。講義は対面を基本とするが,場合によってはオンラインで行うことがある。
・日程
1.ガイダンス 2.医療の現状と要求に関する議論 3.医療に資する工学の役割に関する議論 4.様々な疾患に対する医療材料の適用に関する議論 5.生体組織再生の機序に関する議論 6.バイオニクスの基礎と理解に関する議論 7.細胞,タンパク質などと材料の相互作用に関する議論 8.生体組織の評価方法に関する議論 7.糖・脂質代謝の調節機構の基礎に関する修得 8.代謝機構の破綻による疾患に関する議論 9.シグナルの発現機構に関する議論 10.~12.医工学における最新国際論文の熟読指導 12.~15.最新研究の事例に関する発表とレポート
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
1.講義内容をノートに筆記するなどして内容の理解に努めてください。 2.国際論文の内容を正確に理解してください。 3.口頭発表やレポート作成においては,端的にわかりやすく行ってください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
本講義は広範な基礎知識が必要となります。講義内容のみならず,自主的に日頃から医工学関連の論文等を検索・熟読することを勧めます。単位制度の実質化のため、講義外における以下の予習・復習などの自主的な学修に取り組んでください。 1)準備学修に必要な学修時間の目安は以下の通りです。 約90分/週(注)大学院設置基準で,1単位の授業科目は45時間の学修を 必要とする内容をもって構成することが標準と定められています。本講義は、2単位です。
【成績の評価】
・基準
到達目標で示した内容を理解し、口頭発表およびレポートにおいて適切に説明できることを合格の基準とします。
・方法
教員から課された課題に対し、担当教員が100点満点で評価します。この講義の合格ラインは60点です。
【テキスト・参考書】
医工学の専門書はありませんので,各講義内容に沿った論文や図書を検索・熟読し,理解を深めてください。
【その他】
・学生へのメッセージ
工学,医学,生物学を専門に学んでいない学生には,難しい内容になります。分かりやすい講義を心掛けますが、事前学修が重要になります。講義内容について理解できない点は、適宜、ご質問ください。
・オフィス・アワー
山本:特に時間は設けませんが、必要があればアポイントを取って、直接たずねてください。 右田:特に時間は設けませんが、必要があればアポイントを取って、直接たずねてください。 佐藤:月曜日 16:00~17:00、工学部9号館808号室。
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