【授業の目的】
量子力学が支配するナノスケール領域での物理現象の観点から,ICTハードウェアの基盤である半導体,磁性体について物性物理学,材料科学,デバイス応用について学ぶ。
【授業の到達目標】
"・pn接合,ショットキー接合,MIS接合,トンネル接合などのナノスケール領域での半導体、金属の接合界面での電荷輸送機構について理解し説明できる。 ・ナノスケール構造半導体の電子状態,エネルギー準位,電子輸送および電子状態と光学特性の関係について理解し説明できる。 ・ナノスケール構造での磁気的性質を電子状態,原子磁気モーメント間や電子スピン-磁気モーメント間の相互作用の観点から理解し説明できる。 ・テーマに関連した論文を調査して内容を説明,質疑応答ができる。"
【授業概要(キーワード)】
半導体,ナノ構造,ショットキー,MIS構造,トンネル接合,量子井戸,量子細線,多体効果,光非線形性,電子輸送,磁性体,磁気モーメント,電子スピン,交換相互作用
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25% C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25% C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25% A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25% C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
本講義では,ICTハードウェア分野で次世代技術の研究開発を進めていくために必要となるナノスケール領域での半導体や磁性体の物理現象を物性物理学、材料工学の観点から理解し、応用力を身につけるための科目である。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに 07.エネルギーをみんなにそしてクリーンに 09.産業と技術革新の基盤をつくろう
【授業計画】
・授業の方法
講義を中心に論文の輪講や発表・討論の機会を設けることにより理解を深めるよう授業を進める。
・日程
第1回:ガイダンス 第2-4回:ナノ構造半導体の物理とデバイス応用(廣瀬) 第5-7回:ナノ構造光半導体の物理とデバイス応用(高橋) 第8-10回:ナノ構造磁性体の物理とデバイス応用(稲葉) 第11-14回:関連論文の輪読、発表および討論 第15回:まとめ
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
量子物理学、物性物理学、材料工学などの基礎を習熟した上で受講すること。講義で出てきた数式を自ら導出し、物理現象と数式の持つ物理的な意味との関係を理解できるようにすること。また,課題に対する討論では積極的に自分の考えや意見を述べること。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
興味を持った内容については、図書館やインターネットで調べて理解を深める努力をしてほしい。
【成績の評価】
・基準
・pn接合,ショットキー接合,MIS接合,トンネル接合などのナノスケール領域での半導体および金属の接合界面での電荷輸送機構について説明できる。 ・ナノスケール構造半導体の電子状態,エネルギー準位,電子輸送および電子状態と光学特性の関係について説明できる。 ・ナノスケール構造での磁気的性質を電子状態,原子磁気モーメント間や電子スピン-磁気モーメント間の相互作用の観点から説明できる。 ・調査したテーマに関連した論文の内容を説明し,質疑応答ができる。
・方法
各テーマの講義内容に沿った課題レポート、論文の調査発表・質疑応答から理解度を総合的に判断し100点中60点以上を合格とする。
【テキスト・参考書】
テキストは指定しない。テーマ毎に必要に応じて参考書や文献等を適宜紹介する。
【その他】
・学生へのメッセージ
電子デバイスの高性能化のためには原子オーダーでの制御が必要であり,物性物理学に加えて量子力学の知識が必須である。本講義を履修するにあたり,これらの内容を再確認しておいてほしい。
・オフィス・アワー
会議や出張等で不在にすることもあるので,事前に連絡してください。連絡先は初回講義で知らせします。 廣瀬:月曜日 11時~12時(10号館203 室) 高橋:金曜日 16時~17時(8号館 219室) 稲葉:水曜日 16時~17時(7号館115室)
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