【授業の目的】
情報通信技術(ICT)の進展に寄与する基盤技術として,集積回路,プロセッサ,信号伝送に関するハードウェアのシステム技術を扱い,その領域に高度な効果をもたらす微細構造と電場・磁場,光波との相互作用について学ぶ.
【授業の到達目標】
1)全反射を原理とした光閉じ込めと光導波路の仕組みを理解し、さまざまな形状の光導波路の伝搬特性を求めることができる。屈折率周期構造によるブラッグ反射に基づく光閉じ込め効果を理解し、さまざまな屈折率周期構造に対する電界分布を求めることができる。 2)階層化プロトコルの参照モデルである,OSI参照モデルやTCP/IP参照モデルがどのようなモデルなのかを説明できる。センサネットワーク,アドホックネットワーク,無線メッシュネットワーク等で用いられているルーティングプロトコルについて説明できる。プロトコルやネットワークシステムの最新技術について文献を調査し発表できる。 3)電磁気デバイスへナノテックの応用の現状と将来的な可能性について理解できる。ナノ材料の構造の制御のため合成、キャラクタリゼーション及び評価を出来るようになる。電磁気デバイス用材料の改良及び新規材料の設計を出来るようになる。 4)IoT関連のネットワークシステム構築技術について説明できる。近年のクラウドとセンサモジュールを用いたデータ収集システムの進展とAI等を用いたビッグデータ解析分野の技術動向、ならびに無線通信に関する設計・計測技術開発の最新動向を把握する。
【授業概要(キーワード)】
光波、伝送、導波路、情報表現、演算システム、材料設計、ナノ材料、薄膜、IoT、無線通信
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25% C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
(1)デバイス間・ボード内インターコネクション通信や長距離大容量通信につながる光信号伝送技術に関し,弱導波近似領域から高屈折率比の全反射を利用する導波理論と,屈折率周期構造がもたらすブラッグ反射を利用した導波理論について学ぶ (2)情報通信の処理に必要となるマイクロプロセッサに関し,各種並列性を利用した高性能化手法について学び,さらに記憶階層の設計法と性能への影響や,コンピュータアーキテクチャの最新の技術動向についても学ぶ (3)材料の機能性は組成のみならず微細構造と深い関わりがある.磁性材料の微細構造と磁化機構,スピン動力学,具体的な応用について学び,微細構造を実現するための材料作製,合成・加工技術や,従来膜の特性を凌駕する新機能を発現させる可能性について学ぶ (4)小型・高性能・低消費電力通信に寄与する大規模集積回路(LSI)に関し,半導体デバイス理論・LSI回路構成と実装技術ならびに最適設計法について学ぶ
【SDGs(持続可能な開発目標)】
09.産業と技術革新の基盤をつくろう
【授業計画】
・授業の方法
学部および博士課程前期の講義内容をさらに発展させ、先端的なテキストと教員による解説講義と合わせて学習者との議論を行い専門的な能力を養成する
・日程
第1-5週 講義の進め方、イントロダクション、基礎理論・解析手法の習熟 第6-13週 応用事例、設計分析手法の詳説 第14-15週 論文紹介、まとめと解説
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
配布資料・テキストを利用した事前学習を行い、講義に出席する.復習を行い分からないことはそのままにせず、オフィス・アワーなどを活用し早めに解決しておくこと。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
1回の授業につき30分程度は予習を、1時間程度は復習をする。 関連の最新の論文を選択し、読書する等により分からないことはよく調べてすぐに解決しておくこと。 詳細な振る舞い・現象を肉眼で観測することはできないので,イメージできるように学ぶ。
【成績の評価】
・基準
1)全反射とブラッグ反射の原理を説明でき,それらによって閉じ込められた光波の振る舞いを記述する方程式を取り扱うことができ,光波の分散特性を説明できることを合格の条件とする。 2)到達目標に対応したミニテスト(またはレポート提出)を課す(計50点満点)。各ミニテスト・レポートは60%未満の得点の場合、再テスト(レポート再提出)となる。期末試験は50点満点で、ミニテスト(レポート)との合計で100点となる。全ミニテスト・レポートで60%以上の得点、かつ合計点で60点以上が合格となる。 3)関連するいくつかの専門分野の論文を読書し、内容を理解できる事を基準とする。 4)高速化、高周波化が進むIoTシステムの技術動向を理解し、IoTモジュールを用いたセンサネットワークについて、内部構成がわかり、簡単な操作の説明ができるようになることを合格の条件とする。
・方法
課されたレポートまたは期末試験により成績を判定する。100点満点中,60点以上を合格とする。
【テキスト・参考書】
A. W. Snyder et al: Optical Waveguide Theory, Kluwer Academic Publishers. H. Yasumoto: Electromagnetic theory and Applications for Photonic Crystals, CRC Press. ジョン・L・ヘネシー、デイビッド・A・パターソン、「コンピュータアーキテクチャ 定量的アプローチ」、翔泳社、2014年3月、ISBN978-4-7981-2623-4
【その他】
・学生へのメッセージ
肉眼で見えない現象がイメージできるようになると学ぶ意欲がわくだけでなく,さまざまなアイディアが生まれてきます。 計算機の設計手法に関する知識を得ることは、高性能計算機の開発だけでなくアプリケーションプログラムの高速化などにも役立ちます。本講義を通じて計算機に関する専門的な知識を身に着けて下さい. 具体的なネットワークで取得したデータの解析を行うIoTシステムを頭の中で想定しながら、実際に手を動かしてシステムを構築設計してみる。
・オフィス・アワー
高野;水曜日,13時~14時,7号館7-237 有馬;部屋に居る時は随時対応しますが部屋に居な時もありますので事前に連絡を取った方が良いかと思います 多田;毎週水曜日 16:00-17:00 8-217室(8号館2階) 横山;特に時間は設けませんが、必要ある場合は直接該当教員の研究室をたずねてください
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