【授業の目的】
高性能、高機能化を目的として異種の高分子材料を混ぜることが行われている。これら多成分系高分子材料のことをポリマーアロイという。本授業では、ポリマーアロイの材料設計について学ぶ。
【授業の到達目標】
(1) ポリマーアロイの歴史では、大きく分けて3つのステージが存在する.1つ目は単純に2種類のポリマーの混練やブロック、グラフト共重合体との混練、2つ目は相溶系ポリマーアロイ、3つ目は化学反応を利用した非相溶系ポリマーアロイである.本項目では、それぞれのステージの成功例を通じて、ポリマーアロイの特徴を理解する。
(2) ポリマーアロイの材料設計において、高分子の相溶性は性能を決定する重要な要因である.本項目では、高分子の混合に関する熱力学、相図と相分解過程、そしてブロック、グラフト共重合体のミクロ相分離構造について学び、ポリマーアロイの相溶性を理解する。
(3) 非相溶系ポリマーアロイにおいて分散相のサイズ、相の界面を制御することは高性能化につながるため、非常に重要である.本項目では、相の界面を制御する相溶加剤の役割、溶融混練による分散相の構造制御、リアクティブプロセッシングついて学び、非相溶系ポリマーアロイの材料設計について理解する。
【授業概要(キーワード)】
ポリマーアロイ、成形加工、プラスチック
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:76~100% C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:76~100% C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:76~100%
【科目の位置付け】
ポリマーアロイを用いた高分子材料の基礎的な研究から実用例まで幅広く学び、理解する。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
14.海の豊かさを守ろう
【授業計画】
・授業の方法
講義の他、議論を行って理解を深める。
・日程
第1回目 講義のすすめ方とガイダンス 第2回目 ポリマーアロイについての全般的な紹介 第3回目~第8回目 ポリマーアロイに関する基礎研究事例および応用開発事例の紹介 第9回目~第13回目 第3回目~第8回目の講義を基に、ポリマーアロイについてのディスカッション
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
出席者は全員勉学の意志があるものとみなします。わからないことがあればすぐに質問すること。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
特に予習は必要としないものとする。授業中にしっかりと学ぶこと。
【成績の評価】
・基準
ポリマーアロイに関する基礎知識および研究事例を理解・説明できる。
・方法
ポリマーアロイに関する学術論文のレポートの提出。レポートの内容により評価を行う。
【テキスト・参考書】
事前のテキスト・参考書として個別に指定しませんが、必要な資料やプリントを授業ごとに配布し、授業進度、学生の理解に合わせて、適宜、指定します。
【その他】
・学生へのメッセージ
ポリマーアロイを用いた高分子材料は生活に欠かせない材料です。この講義を通じて高分子材料に興味をもって自身の研究に活かせるようにしてください。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」を西辻研究室(6号館4階421)において、原則、月曜日の昼休み(12:00~13:00)としますが、これに限らず在室している時は随時対応します。会議や出張等で不在にすることもあるため、確実に面談したい場合はメール等で事前に予約をお願いします。
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