【授業の目的】
本講義は,科学・技術・社会における異分野連携・学際融合(マッチング・課題探索を含む。)に関する最先端の内容を紹介することで,分野の枠を超えた理解・協同のための取り組み・仕組み作りにおいて必要な要素を把握し理解させることを目的とする。これに加え,イノベーションにおける異分野連携の関係性,イノベーションや人災事故など陽と陰の両面の作用をもつ科学・技術による社会への様々な影響,および,反対に社会条件による科学・技術の制約/作用の両面を研究する「科学技術社会論」や「法と科学」を取り上げ,広義の科学を俯瞰する能力を育むものである。
【授業の到達目標】
1) 科学・技術の進展と,社会的な課題・関心(いわゆるELSI: Ethical,Legal and Social Issues(ELSI))の相互作用に関する基礎的知見を習得している。 2) 科学・技術と社会との間のコンフリクトを回避し,他者とのコミュニケーション能力を活用して協同するための資質を獲得している。 3) 科学・技術とイノベーションの具体例についての知識を得た上で,連携の仕組みと効果について理解している。
【授業概要(キーワード)】
科学・技術・社会,学際融合,責任ある研究とイノベーション, 科学技術社会論,科学コミュニケーション、バックキャスト
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25% B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25% A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
基礎専門科目(選択必修)。この授業は,専門教育により涵養される専門性を活用する上で必要となる汎用力を習得するものである。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
09.産業と技術革新の基盤をつくろう 16.平和と公正をすべての人に
【授業計画】
・授業の方法
授業方法は,主として講義によるものの,異分野連携を促進するため,講義の中で出される共通の問いについて専門を異にする他者とともに考え思考過程を互いに共有することで,連携に必要な柔軟かつ包括的な思考のあり方を,自ら理解する能力を涵養する。
・日程
第1回 ガイダンス – 科学・技術・社会の関連性の俯瞰 第2回 科学技術と社会(1):研究活動に伴う各種の影響とその責任 第3回 科学技術と社会(2):科学技術社会論 -科学・技術が受け入れられるための方策 第4回 科学技術と社会(3):法と科学概論 -ロボット・AIと法 第5回 異分野とイノベーション(1):イノベーションと多様性 第6回 異分野とイノベーション(2):イノベーションと異分野連携 第7回 異分野とイノベーション(3):イノベーションと連携のスキル 第8回まとめと検討、課題への取り組み
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
幅広い内容を取り扱うため,自らの専門分野に閉じることなく,初めて接する他分野の話題にも興味を持って取り組み,その知識を自らの学修にフィードバックすることが求められる。さらに,文理融合した講義内容を通じて,俯瞰的視野で思考するとともに,レポートを通じて,自分の考えを明示的に表現するよう努めることが求められる。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
学習者としては、最終レポートにおいて自らの学修との関連性を打ち出すことを意識しながら,異分野連携および学際融合を実践する能力を示すことができるように,各講義・講演および文献調査等の自主的調査に取り組むことが期待される。
【成績の評価】
・基準
外部講師・学内教員による講義に関する小レポート,グループワークへの主体的参加度,最終レポート(資料・報告)の総合評価により,習得度を評価する。 到達目標に掲げた全ての事項に関して,いずれも基礎的な水準を達成していることをもって合格の基準とする。
・方法
外部講師もしくは学内教員による講義に関する小レポート(35%),最終レポート(資料・報告)(65%)の総合評価により,習得度を評価する。
【テキスト・参考書】
事前のテキスト・参考書として指定するものはないが,講義において資料とする各講義回の配布資料を,授業の進度に合わせて適宜配布する。
【その他】
・学生へのメッセージ
自らの専門に閉じこもることなく、積極的に他分野へと挑戦する姿勢を持って取り組んでください。
・オフィス・アワー
キャンパスを横断する講義であることから、授業に関する学生からの質問は,メール上で受け付けます。ガイダンス時に周知するメールにて、相談内容を担当教員宛に連絡ください。
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