地球史科学特論Ⅱ
 Advanced Lectures on Earth's History II
 担当教員:ジョルダン・リチャード(JORDAN Richard W.)、本山 功(MOTOYAMA Isao)、山田 圭太郎(YAMADA Keitaro)
 担当教員の所属:理学部理学科
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:1年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:理工学研究科(理学系)博士前期課程  科目区分:分野専門科目(地球科学分野) 
【授業の目的】
海洋の表層に生息していた微化石に関する近年の成果を紹介し、地層の年代決定や海洋生物相の復元について論じるとともに、気候変動や古地理などを統合した地球環境の復元法を講究する。特に新生代新第三紀から第四紀の地史をテーマとする。

【授業の到達目標】
次の2点を目標とする。(1)海洋底に残された微化石の記録から生物進化の歴史や地球環境の変遷を解明するための手法を理解し、説明できるようになる。(2)堆積岩の堆積年代を決めるための基準、すなわち、微化石層序・古地磁気層序・放射年代などを複合させた地質年代尺度(Geologic time scale)の構築方法について理解し、解説できるようになる。

【授業概要(キーワード)】
国際深海科学掘削計画、フィールドワーク、世界の地質、微化石、古環境、地質年代尺度

【科目の位置付け】
理工学研究科(理学系)のディプロマー・ポリシーの2(1)「自然科学や先端科学技術の高度で体系的な専門的知識と経験を持ち応用することがで きる」に対応する。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう

【授業計画】
・授業の方法
講義形式の他に、教科書を精読するゼミ形式も取り入れる。また、教科書の要点に関する質疑応答によって授業を進める場合もある。
・日程
第1~2回:円石藻(形態・生態・環境指標・環境復元)【ジョルダン】
第3回:珪質鞭毛藻(形態・生態・環境指標・環境復元)【ジョルダン】
第4回:パルマ藻(形態・生態・環境指標・環境復元)【ジョルダン】
第5~7回:珪藻(形態・生態・環境指標・環境復元)【ジョルダン】
第8~12回:生層序学と古地磁気微化石複合年代尺度【本山】
第13~14回 :第四紀の地球環境【山田】
第15回 まとめ【ジョルダン・本山・山田】

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
画像・講話・板書などをしっかりノートに筆記する。レポートなどの課題をこなすように努力すること。教員からの一方通行の授業ばかりではなく、活発に質疑に参加すること。準備学修に必要な時間の目安を4時間/週とする。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
学部時代に履修した分野(海洋学、古生物学、古環境学)の授業を復習し、その積み上げ・発展を自ら目指すこと。授業内容をまとめた上で、関連する書籍などを参考にさらに理解を深める努力を推奨する。

【成績の評価】
・基準
授業の到達目標(1)(2)を充分に達成し、課題や問題点を正しく理解した上で、科学的に適切に説明できるようになったかを合格の基準とする。
・方法
授業で課すレポートと受講状況によって行う(レポート70%、受講状況30%)。受講状況には授業中の討論や質疑応答も含まれる。

【テキスト・参考書】
参考書: 町田 洋ほか編著 「第四紀学」 朝倉書店
参考書: 長谷川・中島・岡田著 「フィールドジオロジー2 層序と年代」 共立出版
参考書: 谷村好洋・辻 彰洋編著「微化石:顕微鏡で見るプランクトン化石の世界」東海大学出版会
参考書: De Wever、 P.、 Dumitrica、 P. and others、 Radiolarians in the Sedimentary Record. Gordon and Breach Science Publishers.
参考書: Gradstein F.M.、 Ogg、 J.G.、 Schmitz、 M.D. and Ogg、 G.M. (2020) The Geologic Time Scale 2020. Volume 1、 Volume 2、 Elsevier.

【その他】
・学生へのメッセージ
実現可能なキャリアとして「ちきゅう」や「みらい」の乗船研究者やテクニシャンを考えてみてはどうでしょうか。
・オフィス・アワー
質問や相談についてはまず授業終了時にご相談ください。オフィス・アワーはそれぞれの教員研究室(理学部4号館4階C405・C406、5階C503)において、原則、火曜日の昼休みとします。

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