【授業の目的】
1. 生物における代謝を中心とした様々な生体反応のメカニズムを、分子レベルで理解し、説明できるようになることを目的とする。 2. 生命科学系の英文を自ら読み解き、その内容を人にわかりやすく伝える能力を養うことを目的とする。
【授業の到達目標】
(1) 生物を構成している生体物質の構造や機能を理解し、説明できるようになる。【知識・理解】 (2) mRNAワクチンやゲノム編集などの最先端のバイオテクノロジーの原理を理解し、関連するニュースや記事を正しく受け取ることができるようになる。【知識・理解】 (3) 適切に査読された科学論文を正しく読み解く力を養い、社会にあふれる環境問題、医療問題、エネルギー問題などについて科学に基づいた判断ができる良識を身に付ける。【知識・理解】
【授業概要(キーワード)】
生命,生体物質(タンパク質,糖質,脂質),論文読解,学生主体型授業
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25% C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25% C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
この授業は、生体物質の特性や最新のバイオテクノロジー、さらにそれらが記載されている科学論文の読み解き方について学び、自分をとりまく現代の社会にどのように関係しているかを理解することで、社会の多様化に対応できる論理的思考力や情報収集力、記述力やコミュニケーション力を習得するものである。(理工学研究科理学専攻ディプロマ・ポリシー1、カリキュラム・ポリシー1)
【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を
【授業計画】
・授業の方法
理学部の2名の教員により、事前に配布した資料に基づいて講義及び演習形式で授業を行う。学生によるプレゼンテーションを随時交えながら進める。
・日程
主な講義内容は以下の通りである。ただし、進行状況等により多少実施回が変わる場合がある。 1. ガイダンス、生命の基本概念と生体物質 2. 生体物質(1)脂質、糖質 3. 生体物質(2)タンパク質 4. タンパク質の合成〜遺伝子発現、遺伝子工学、ゲノム編集 5. 光合成 (1)光化学反応 6. 光合成 (2)無機酸化物の同化 7. 生体物質まとめ、質問、相談会 8. プレゼンテーション(1-8回担当:河合寿子) 9. タンパク質の構造解析(1)手法を中心に 10. タンパク質の構造解析(2)構造解析の実際、構造を例に 11. 関連論文の輪読(1) 12. 関連論文の輪読(2) 13. 指定した論文のプレゼンテーション準備 14. 指定した論文のプレゼンテーション(1) 15. 指定した論文のプレゼンテーション(2)(9-15回担当:渡邊康紀)
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
(1) Webクラスにアップされた資料に基づいて講義、演習を行う。適宜、講義の内容を整理して理解に努める。 (2) 講義中に生じた疑問や理解不十分な点については、その都度質問する
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
授業で習った内容に関連することを図書館やウェブで自分なりに調べてみる。また、関連するニュース記事などに着目してみる。各回の授業につき、予習・復習やプレゼンテーションの準備を合わせて240分程度行うことを時間外学習の目安とする。
【成績の評価】
・基準
授業で紹介した生命科学に関する知識が身につき、用語や概念を正しく理解し論述できること、また科学論文を正しく読み解くことができることを合格の基準とする。
・方法
前半と後半のプレゼンテーション(各40%)および参加態度(20%)に基づいて評価する。
【テキスト・参考書】
配付資料に基づいて説明を行う。参考書については随時紹介する。
【その他】
・学生へのメッセージ
今まさに自分の体内で働いている生体物質や、自分が受けているバイオテクノロジーの恩恵に意識を向け、興味をもって授業を聞いて欲しいと思います。学んだことを基盤とし、社会の様々な問題に対して科学的根拠のある自分の意見を持つことができるようになって欲しいと思っています。
・オフィス・アワー
渡邊、河合とも、授業時間外に学生の質問に答えるオフィスアワーは、各々の居室(渡邊:理学部棟2号館401室、河合:理学部棟 4号館4階C404号室)にて、原則火曜日の10-12時の間に設けますが、これに限らず在室しているときは随時対応します。出張等で不在にする場合もあるので事前にメールで問い合わせてもらえるとより確実です。
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