超越関数特論
 Advanced Lectures on Transcendental Functions
 担当教員:西岡 斉治(NISHIOKA Seiji)
 担当教員の所属:理学部
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:1年,2年,3年  開講学期:前期又は後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:地球共生圏科学専攻(博士後期課程)  科目区分:選択科目 
【授業の目的】
三角関数,指数関数,対数関数といった初等的かつ超越的な関数や,楕円関数,ガンマ関数といった特殊関数を通して,超越性,初等性への理解を深めることを目的とする.

【授業の到達目標】
1)個々の関数の超越性,初等性について,既存の証明手法を説明できる.【知識・理解】
2)超越性や初等性に関する具体例を計算できる.【技能】

【授業概要(キーワード)】
超越関数,初等性,微分代数,差分代数

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
この授業は,数理科学を専門とするものが研究テーマに合わせて必要となる知識・能力を身につけるために編成される科目である。

【授業計画】
・授業の方法
講義はテキストの一読を前提に板書による補足を基本とし,ほぼ毎回演習を行う.演習の内容は,その日の講義にもとづく.
・日程
1:指数関数の超越性
2:微分体
3:初等拡大とLiouvilleの定理
4:Liouvilleの定理の証明
5:積分と初等性
6:差分方程式と差分体
7:差分体の代数閉包と可逆閉包
8:線形無関連
9:代数的無関連
10:1変数代数関数体
11:差分方程式をみたす関数の超越性
12:q差分方程式をみたす関数の超越性
13:Mahler型方程式をみたす関数の超越性
14:次数による超越性判定法
15:和分とKarrの構造定理

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
1)講義前にテキストを読み,わからなかったところは講義中に質問する.
2)講義の内容をよく聴き,演習問題に積極的に取り組むことで理解を深める.
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
1)テキストで予習する.わからなかったところは,よく考えたり質問したりして加筆する.
2)演習問題の間違えたところは,きちんと復習し,解きなおしておく.

【成績の評価】
・基準
関数の超越性と初等性に関する基本的な概念を理解し,超越性と非初等性を証明できること.
・方法
演習70点+レポート30点
演習点:ほぼ毎回演習を行う.各回7点満点.合計が70点以上の場合は70点とする.
※点数や単位について事後の相談には応じられない.

【テキスト・参考書】
西岡斉治「代数的差分方程式―差分体の応用」数学書房

【その他】
・学生へのメッセージ
部分分数分解,超越次数,ガロワ理論の初歩は既習として講義を進めます.1変数代数関数体については証明抜きでの紹介にとどめます.
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」を西岡研究室(理学部2号館5階505号室)において,週に1時間程度設けます.曜日と時間帯は授業でお知らせします.

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