大陸地殻形成特論
 Advanced Lectures on Evolution of Continental Crust
 担当教員:加々島 慎一(KAGASHIMA Shin-ichi)
 担当教員の所属:理学部理学科
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:1年、2年、3年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義・演習
 開講対象:地球共生圏科学専攻(博士後期課程)  科目区分:選択科目 
【授業の目的】
地球は,大陸地殻と海洋地殻の2種類の地殻をもつことが他の惑星との大きな違いの一つである.大陸地殻が形成されたことで,大気CO2を消費・貯蔵する炭素循環が効率よく起こり,現在の地球環境へとつながってきた.また超大陸の形成や分裂によって,全球凍結やスーパープルームによるペルム紀末の大量絶滅など,地球環境の大変動を引き起こしたことが知られている.このように大陸地殻の形成・成長・進化の解明は,約40億年の地球変動史を読み解く鍵となる.この講義では,太古代〜原生代の大陸地殻形成,約5億年前のゴンドワナ超大陸の離合集散に伴う造山帯火成・変成作用,東北日本に代表される沈み込み帯火成作用について理解を深めることを目的とする.

【授業の到達目標】
太古代トーナル岩・トロニエム岩・花崗閃緑岩の形成過程,原生代大陸地殻の再溶融と発達,約5億年前のゴンドワナ超大陸の離合集散に伴う造山帯火成・変成作用,東北日本に代表される沈み込み帯火成作用について,理解し説明できる.

【授業概要(キーワード)】
大陸地殻,太古代,原生代,古生代,白亜紀,沈み込み帯,花崗岩,化学分析,モデル計算

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25%
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25%
D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
この授業では,岩石学および地質学を扱う.理工学研究科(理学系)のディプロマ・ポリシーの1(2)「科学技術を支える幅広い理学の基礎知識を身に付けている」とカリキュラム・ポリシーの2(2)「専門分野の深い知識と技能を身につけさせるため,最新の学術書を積極的に活用する.」に関与するものである。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
09.産業と技術革新の基盤をつくろう
15.陸の豊かさも守ろう

【授業計画】
・授業の方法
授業の目的に関連する学術論文を読み,その内容をまとめてプレゼンテーション装置を使って口頭発表をおこなう.聴講者は発表内容を要約し記述する.
・日程
1.ガイダンス,2-4.太古代TTGの形成過程,5-7.原生代大陸地殻の再溶融と発達,8-10.古生代超大陸に伴う火成・変成作用,11-13.沈み込み帯火成活動,14-15.分析手法とモデル計算

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
論文の内容をそのまま紹介するのではなく,引用されている重要な論文の孫引きまで含めて発表をすること.聴講者は積極的に質問すること.
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
専門書をみるのはもちろんのこと,研究者がネット上に発信しているサイトなども参考にするなど,積極的に情報収集をすること.これら自学的な学習時間の目安は週4時間である.

【成績の評価】
・基準
授業の目標である以下に到達したことを合格の基準とする。太古代トーナル岩・トロニエム岩・花崗閃緑岩の形成過程,原生代大陸地殻の再溶融と発達,約5億年前のゴンドワナ超大陸の離合集散に伴う造山帯火成・変成作用,東北日本に代表される沈み込み帯火成作用について,理解し説明できる.
・方法
口頭発表50%,レポート50%

【テキスト・参考書】
参考書:「地殻進化学」 堀越 叡 著;「Evolution and Differentiation of the Continental Crust」 Brown and Rushmer;「The Crust」 edited by Rundnick;「Archean Crustal Evolution」 edited by Condie

【その他】
・学生へのメッセージ
太古代から現在にかけて大陸地殻形成過程・地殻の進化に関する最新の論文を読み紹介するだけでなく,実際の分析データを用いて,大陸地殻の成因や進化に関するモデル計算を行って理解を深めましょう.
・オフィス・アワー
授業を行う日の16:20〜17:00,その他在室中は対応可.

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