【授業の目的】
景観・祭祀建築物・宗教儀礼を通じて、権力構造と文化的アイデンティティがどのように形成され、維持され、変革されるのかについて新物質主義(New Materialism)、アッサンブラージュ理論(Assemblage Theory)、パースの記号論などを用いて理論的な検討をする。その上で、ペルー北海岸ヘケテペケ谷の形成期とモチェ期の祭祀建築物に関する事例を扱う。
【授業の到達目標】
新物質主義・アッサンブラージュ理論・記号論を理解するとともに、先史アンデス社会における景観・祭祀建築物・宗教儀礼の特徴を把握し、自身の研究テーマを設定できるようになる。
【授業概要(キーワード)】
景観、祭祀建築物、宗教儀礼、新物質主義・アッサンブラージュ理論・記号論
【科目の位置付け】
この授業は,社会文化システムコースの特論として,専門的な研究を遂行することができる深い知識と考え方の習得を目指すものである(社会文化システムコースのディプロマ・ポリシー DP2(1))
【授業計画】
・授業の方法
学術書を輪読する。なお理論に関するミニ講義を複数回実施する。
・日程
「授業概要」のテーマおよび到達目標に従って、学期が始まってから受講者の希望を考慮して軌道修正する可能性がある。 01. オリエンテーション 02. 都市・インフラ・空間生成に関する理論 03.記号論・反表象主義再考・存在論再考 04. 表象と儀礼 05. アッサンブラージュ理論とレフェーヴルの空間生成論 06. 儀礼・物質・権力 07. 儀礼・場所づくり(place-making)・インフラ 08. 記号論的装置としての神殿と祭祀空間 09. アンデスにおける空間概念 10. 事例研究01:ペルー北海岸ヘケテェケ谷の形成期中期神殿リモンカルロ 11. 事例研究02:ペルー北海岸ヘケテェケ谷の形成期後期神殿ハタンカ 12. 事例研究03:ペルー北海岸ヘケテェケ谷のモチェ後期神殿ワカ・コロラダ 13. 事例研究04:ペルー北海岸ヘケテェケ谷のモチェ末期神殿テカパ
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
授業で扱ったテーマや分析手法が、受講者の研究テーマとどのような関係にあるのかについて理解するために、問題意識をもって授業に参加すること。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
受講にあたっては、授業で扱ったテーマに関する文献を読んで授業に臨むとともに、授業後に関連分野の学術論文を読むことが望ましい。
【成績の評価】
・基準
以下の2点の理解度を評価の基準とする。 ①新物質主義・アッサンブラージュ理論・記号論。 ②先史アンデス社会における景観・祭祀建築物・宗教儀礼の特徴
・方法
授業への取り組み(60%)と、学期末のレポート(40%)で評価する。
【テキスト・参考書】
Edward Swenson 2024 Infrastructures of Religion and Power: Archaeologies of Landscape, Ritual, and Semiotics. Routledge.
【その他】
・オフィス・アワー
金曜日 14時40分~16時10分
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