【授業の目的】
比較憲法の視点をも踏まえつつ、現代日本の統治機構が抱える具体的な問題状況について、より深く掘り下げた考察を行うことで、受講生が、統治機構の総論に関する基本的な知識を身につけるとともに、憲法的な思考の習慣を体得することを目的とする。
【授業の到達目標】
この授業を履修した学生は、 1)憲法総論・統治機構総論にかかる基礎的な概念を説明することができる。【知識・理解】 2)現代日本における統治機構分野の問題の所在について、憲法学の水準に照らして説明することができる。【知識・理解】
【授業概要(キーワード)】
立憲主義、統治機構、代表民主制、選挙
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
この授業は、社会文化システムコースの特論として、専門的な研究を遂行することができる深い知識と考え方の習得を目指すものである(社会文化システムコースのディプロマ・ポリシー DP2(1))。この授業は、憲法総論・統治機構総論に該当する分野に関して多様な観点から考察することで、高度で専門的な研究を展開するうえで必要となる幅広く深い知識と考え方を習得するものである。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
05.ジェンダー平等を実現しよう 10.人や国の不平等をなくそう 16.平和と公正をすべての人に
【授業計画】
・授業の方法
この授業は、各回の授業で配布するレジュメや文献を用いて、講義形式で対面により実施する。また、受講生との議論を通じて理解を深める。
・日程
第1回:憲法と立憲主義 第2回:日本憲法史①―明治憲法の制定と運用 第3回:日本憲法史②―日本国憲法の制定過程 第4回:日本憲法史③―日本国憲法成立の法理 第5回:国民主権 第6回:象徴天皇制①―象徴の概念、天皇の公的行為 第7回:象徴天皇制②―天皇の代替わり 第8回:平和主義①―憲法9条の解釈 第9回:平和主義②―裁判例と日米安保体制 第10回:権力分立 第11回:代表制 第12回:選挙制度①―選挙制度の諸類型、国会の選挙制度 第13回:選挙制度②―選挙権の性格、選挙・投票の方法 第14回:選挙の諸原則①―普通選挙、平等選挙 第15回:選挙の諸原則②―直接選挙、秘密選挙、自由選挙
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
1)レジュメ・文献を参照しつつ、口頭説明と板書を適切に要約・筆写し、かつ内容の適切な理解に努めること。 2)教員の問いかけには積極的に応答すること。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
単位制度の実質化のため、授業外における以下の予習・復習等の自主的な学修に取り組んでください。 1)指定する参考文献などをよく読み、内容の適切な理解に努めるとともに、分からない用語等は調べておくこと。 2)授業で示された主要な論点、疑問に感じた点などを中心に、図書館やインターネットを利用して自ら調べ、理解を深めるよう努めること。
【成績の評価】
・基準
この授業の到達目標との関連で、1)憲法総論・統治機構総論にかかる憲法学の基礎的な概念を適切に説明できること、2)現代日本の統治機構分野の問題状況を憲法学の水準に照らして正しく説明できること、を合格の基準とする。
・方法
期末試験(30%)、小テスト(10%)、期末レポート(30%)、平常点(30%) *小テストは中間期に実施する。 *期末レポートは授業内容との関連で課題を提示する。
【テキスト・参考書】
テキストは使用しない。参考書は適宜紹介するが、基本的なものとして辻村みよ子『選挙権と国民主権』(日本評論社、2015年)を挙げておく。
【その他】
・学生へのメッセージ
この授業は少人数となるので、受講者の積極性が非常に重要です。
・オフィス・アワー
火曜日の13時~14時30分をオフィスアワーとする。場所は人文社会科学部3号館707号の今野研究室。その他、メールでの問い合わせ等も可能。
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