犯罪心理学特論(司法・犯罪分野に関する理論と支援の展開)
 Advanced lecture on Criminal Psychology
 担当教員:菅藤 健一(KANTO Kenichi)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科文化創生コース
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):30数年余り,少年鑑別所を中心として矯正施設において,心理技官として鑑別業務・分類業務を行ってきた経験を活かして,司法・犯罪心理学全般について,現場の状況を解説するとともに,今日的な課題についての問題意識を高めるように指導する。
 開講学年:1年,2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
少年保護法制の理解,犯罪・非行の現況や犯罪・非行少年の心理的特徴の理解と支援についての理解を深め,犯罪・非行臨床だけではなく心理臨床場面や学校現場で直面する問題に対応できる心理学的知識を学ぶ。

【授業の到達目標】
・少年保護法制の基本的事項をふまえて,少年保護の現状について説明できる。
・犯罪・非行臨床の現況と将来について,多角的な角度から考察し,説明できる。
・犯罪・非行に至る少年の心理的特徴と支援の方法を体験的に学ぶ。

【授業概要(キーワード)】
犯罪心理学,司法・矯正,鑑別,処遇

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:76~100%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:76~100%
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:76~100%
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:51~75%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:76~100%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:51~75%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:26~50%
D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:26~50%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%
B-3.習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。:1~25%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:1~25%
D-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型の演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
公認心理師受験に必要な科目である。この授業は,公認心理師として必要な少年保護法制,基本的な少年事件や家事事件に関する知識等を概説しつつ,犯罪心理学について学ぶために編成される科目である(地域教育文化学部地域教育文化学科のディプロマ・ポリシー)。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を
04.質の高い教育をみんなに
10.人や国の不平等をなくそう

【授業計画】
・授業の方法
パワーポイント等を使用した講義,模擬事例を素材としたグループ討議,見学実習等によって進行する。
・日程
1 オリエンテーション(第1回)
2 少年保護法制の概説と関係機関の直面する現状の問題点について(第2回)
3 少年事件のこれまでの流れと現状について,少年事件の激減の背景について  第3回~第4回)
4 各種少年非行事例を用いて非行発生機序と処遇について(第5回:薬物犯,第6回:放火犯,第7回:発達障害を有する少年の非行,第8回:女子非行)
5 分類・鑑別のシステムについての講義(第9回:少年鑑別所のシステム第10回:刑務所のシステム)
6 非行臨床におけるアセスメントの実際についての演習(第11回:法務省式心理検査解説,第12回:非行事例の投映法解釈)
7 犯罪・非行の防犯(第13回)
8 犯罪被害者への対応,犯罪加害者の問題について(第14回)
9 学習の振り返りとまとめ(第15回)

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
講義のみならず,グループ討議,演習,体験学習も行います。積極的な参加を期待します。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
最近の犯罪・非行に関する記事等を読んでおくこと。とくに犯罪白書や文献など正確な資料を読むことをお勧めします。

【成績の評価】
・基準
少年保護法制の基本的事項をふまえて,少年保護の現状についておおむね説明できる。犯罪・非行臨床の現況と将来について,多角的な角度から考察し,自分なりの意見をおおむね発表することができる。犯罪・非行に至る少年の心理的特徴と支援の方法を体験的に学び,おおむねその内容を説明できる。以上が合格の基準です。
・方法
毎授業時の小レポート30点,期末に実施するレポート課題70点で評価する。

【テキスト・参考書】
参考書:森丈弓ほか著 2021 司法・犯罪心理学 サイエンス社
参考書:細江達郎著 2001 図解雑学 犯罪心理学 ナツメ社
参考書:犯罪心理学事典 2016 丸善出版

【その他】
・学生へのメッセージ
犯罪・非行に対する興味関心を強く持ちつつ,好奇心をもって積極的に学ぶ姿勢を期待しています。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」については,最初の授業時間内に説明します。

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