心の健康教育に関する理論と実践
 Theory and Practice for Mental Health Education
 担当教員:浦野 由平(URANO Yuhei)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科文化創生コース
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):医療や学生相談領域での心理支援の経験を有する教員が,それらの経験も踏まえ,実践上の留意点も交えて講義を行
 開講学年:1年,2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
心理援助の専門職は,心理,発達,健康に関する支援を要する個人への援助のみならず,すべての国民に対して,その心の健康の維持と増進を目的に,心理学に基づく知識の提供,教育を行うことが求められる。本授業では,心の健康教育を計画・実行する上での基礎を身に付けることを目的に,心の健康教育に関する諸理論を学び,その実践に関する演習(ワーク)を行い,実際に特定のテーマに関する心の健康教育を企画してもらう。

【授業の到達目標】
本授業の到達目標は次の3点である。
1.心の健康教育に関する理論について概説できる
2.心の健康教育に関する実践について概説できる
3.チームで協力して心の健康教育を計画・実践できる

【授業概要(キーワード)】
健康教育,予防,心理教育,ストレスマネジメント

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:26~50%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:26~50%
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:26~50%
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:26~50%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:26~50%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:26~50%
D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:26~50%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:26~50%
B-3.習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。:26~50%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:26~50%
D-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型の演習、実習、実験等を行う機会がある。:26~50%

【科目の位置付け】
本授業は,臨床心理学における学術上の高度な概念や原理を体系的に理解した上で,それらを高度な専門職従事者として保健医療・福祉・教育・司法犯罪等の領域において実践的に活かすための科目であり,公認心理師の受験資格に関わる単位である。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を
04.質の高い教育をみんなに

【授業計画】
・授業の方法
心の健康教育について,パワーポイントに基づく講義に加え,演習(ワーク)を行う。また,受講者による心の健康教育の実際に関する発表,心の健康教育の計画案の発表と実践を行い,実施者および参加者の立場を体験する。
・日程
第1回目~第7回目は担当教員が講義を行い,第8回目~第15回目は受講学生による発表等を行う(順番が入れ替わったり,内容量によっては次回授業に持ち越すこともあります)。

第 1回目 オリエンテーション
第 2回目 心の健康教育に関する理論
第 3回目 保健医療分野に求められる心の健康教育
第 4回目 福祉分野に求められる心の健康教育
第 5回目 教育分野に求められる心の健康教育
第 6回目 司法・犯罪分野に求められる心の健康教育
第 7回目 産業・労働分野に求められる心の健康教育
第 8回目 心の健康教育の実際① 抑うつ予防
第 9回目 心の健康教育の実際② ソーシャル・スキルトレーニング
第10回目 心の健康教育の実際③ ストレスマネジメント
第11回目 心の健康教育の実際④ いじめの予防教育
第12回目 心の健康教育の実践①
第13回目 心の健康教育の実践②
第14回目 心の健康教育の実践③
第15回目 振り返りとまとめ

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
心の健康教育の意義と理論(特にコミュニティ心理学)を学んだうえで,各分野における心の健康教育に関する概要と実際の基本的理解を得る。それらを基礎に,自らが興味関心のある分野にて,心の健康教育を実施するとしたら,どのように計画できるかを考えながら,受講すること。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
臨床心理学や健康・医療心理学など実践に関する心理学の授業は,心の健康教育に通ずる点があります。受講者がこれまでに受講した心理学に関する授業内容やその時の自身の体験を振り返ることが,自らが心の健康教育を計画・実施する上で参考になるでしょう。

【成績の評価】
・基準
授業の到達目標に示したことについて,受講者がプレゼンテーションを通して,心の健康教育の理論や実践について概説できること,また,協働作業を通して心の健康教育の実践を計画し実践できることを合格基準とする。
・方法
担当回のプレゼンテーション,授業態度を総合的に踏まえて評価する。

【テキスト・参考書】
事前のテキストとして個別に指定するものは特になし。適宜,授業時に紹介する。

【その他】
・学生へのメッセージ
心の健康教育では,取りあげる心身の問題が,国内外でどのような実態にあるか,何が問題なのかを示し,参加者が自分自身の事柄として当事者意識をもってもらう必要があります。その上で,その問題の理解の仕方と対処法を解説し,体験学習してもらい,実生活で実践し効果を感じてもらって初めて役に立つことになります。以上のような点を十分に吟味し教育内容を構成することが重要ですが,難しい作業でもあります。本授業を通して,心の健康教育を計画・実践していく上での素地を養ってもらえればと思います。
・オフィス・アワー
授業時間外に質問がある場合には,授業後に直接お声かけいただくか,メールにてお問い合わせください(WebClass上のメールサーバーを介して
行ってください)。

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