FACULTY OFFICE
私が属する明海大学ホスピタリティ・ツーリズム学部では、業界が求める人材の育成を目標に掲げ、
実践的コミュニケーション能力を備えたホスピタリティ・ツーリズムのエキスパートを育成するべく
「コミュニケーションスキル」「キャリア」「マネジメント」を幅広く学ぶ、実学・実践的な学部です。そのため教員は、業界の実務家、業界経験者が多く、
私もその一人で、2年半前に、それまで約30年勤めたホテル業界から転職し教員になりました。
専門学校での講義経験はあるものの、全く別の世界に入る事は、期待や挑戦する気持ちより、不安の方が大きかったのが正直なところです。
大学について知らないことばかりの私にとって、大変助かったのが、FOと呼ばれるFaculty Officeの存在です。そこにはホスピタリティ・ツーリズム学部の先生方の席があり、
多くの先生方が授業のない時間はそこで授業準備等をされます。学生も自由に出入りし、先生に質問をしたり、会議のできるスペースで面談や勉強をしたりします。
大学に入った当初、一般的なオリエンテーションを受けましたが、ホテルのように決まった担当業務を同時にするわけではなく、OJTの教育があるわけではなかったので、
(その必要がないという意味です)そのままでは、それまでの経験と知識だけの小さな世界で学生に対応することになっていたと思います。FOがあったおかげで、
そこでの他の先生方の行動や会話、学生への対応等から、大学で起こっている事や他の先生方がされている事を知り、その他にも多くの情報を得る事ができました。
つまりホテルで培ってきた、見て技を盗むというようなことができる場所でした。もちろん見るだけではなく、必要に応じてその場で質問することもできましたし、
見かねて声をかけてもらうことも多々ありました。今でも、他の先生方のゼミ活動について尋ねて参考にする等、何かと相談をもちかけています。高校の職員室のような
存在が大学にあることに驚きましたが、FOは学生のためだけでなく、私にとっても有意義な場所です。
また、毎年一定期間「授業相互オブザーブ」が部内で実施され、私自身の授業を他の先生方に見てもらい評価を受けることや、
他の先生方の授業を受け、新たな発見、自らを反省する良い機会になっています。
必要な研修を受けたり、書物や多くの情報等から、自ら学ぶことは重要で、継続して行なうべきですが、それと同時に他を見て学べることも多々あると感じます。
ホテル時代、ロビー等で人間観察をすることが趣味のようになり、(もちろん、お客様の求めるものを理解しようという必要性があってのことですが)そういう習性になったのかもしれません。