「学生満足度向上委員会」
文教大学情報学部メディア表現学科では、昨年度より「学生満足度向上委員会」という学科内の委員会組織を設けた。
この委員会は、その名のとおり、CS・顧客満足ならぬ"学生満足"を追求するための組織であるが、一方では、学科において、よりよい授業とは何か、
ということについて考え、実践するFD組織の一つである。
この委員会は、学科から2〜3名程度の教員を委員として出して運営しているが、
実は主要な「委員」は、学科所属の10数名の学生である。この委員会は、学生とともに運営する委員会なのである。
主な学生「委員」の実施する事業は、グループ・インタビューによって「学生の声」を届ける調査、
オンラインでの学生意識調査および学科への意見・要望等の聴取、SNSでの情報発信活動等である。
この委員会は、学生間では「キラキラ☆プロジェクト」という名前で活動しており、ロゴからキャラクターまである。
学生時代に、自ら所属する集団のなかで組織的な「改善活動」を体験することは、将来のキャリアを考える上で役立つに違いない。
学科の専門には、マーケティングや社会調査といった分野があり、改善のための科学的なツールを体験的にかつ実践的に学ぶことを通じて、専門分野を深めたり、応用することもできるだろう。
一方、教員にとっては、授業やあるいは学科という学生と教員が共に作り出す場を、学生の声とともに考え、改善するきっかけともなる。
とかく教員側からの一方的な「改善」に陥りがちなFD活動を、双方向的に学生とコミュニケーションを取りながら実施していくのが、この「学生満足度向上委員会」の役割かもしれない。
あくまで学科レベルの小さな組織での一例であるが、なにより、この十数名の学生「委員」が、
「キラキラ」した学生生活を送っているのを見るにつれ、みなで楽しくワイワイと改善活動を出来る若者をうらやましく思ったり、
そもそもそれがFDの原点なのではないか、と思ったりしている。