Visual Studio Codeによるプログラミング言語教育
マイクロソフトが公開した,様々なプラットホームで稼働する無償のテキストエディタ,Visual Studio Code(以下,VSCode)がプログラマの間で人気である。
この最新のエディタを授業で使えないものかと考えて,今学期からJavaプログラミングの授業で使い始めたので,その方法を紹介する。
まず,Javaの開発環境JDK(オラクルJDKやOpen JDK)はインストールしてパスを通してあるとする。
その上で,Javaソースプログラムを編集するフォルダに.vscodeという名前のフォルダを作り,その中に以下の内容のテキストファイルtasks.jsonを保存する:
{"version": "2.0.0", "tasks": [
{"label": "javac", "type": "shell", "command": "javac",
"args": ["-encoding","UTF-8","${fileBasename}"], "problemMatcher":[],
"presentation": {"reveal": "always",}, "group": {"kind": "build", "isDefault": true} },
{"label": "java", "type": "shell","command": "java",
"args": ["${fileBasenameNoExtension}"], "problemMatcher": [],
"presentation": {"reveal": "always",} } ] }
準備はこれだけである。すると,VSCodeのメニュー[File]-[Open Folder]でそのフォルダを選択しておくことで,[Terminal]メニューの[Run Build Task]でコンパイル,
[Run Task][java]でバイトコードの実行ができる(バイトコードは同じフォルダに保存される)。コンパイルや実行時はTerminalという領域がVSCodeの画面下半に現れ,それがコマンドプロンプトの役割を担う。
この環境を提供するには,学生にプログラミング用フォルダを決めるように指示し,Web等でtasks.jsonの入った.vscodeフォルダを圧縮したファイルを配布して,
圧縮ファイルから.vscodeをドラッグ&ドロップでコピーするように指示すればよい。
このVSCodeによるプログラミング環境では,1) マイクロソフトの標準開発環境であるVisual Studioのように"プログラミングとは別の大掛かりな開発プロジェクト管理"の必要がなく,
2) 最新のマイクロソフト純正エディタで,メニューから簡単にソースコードをコンパイル・実行できる。授業では,学生がエディタに翻弄される事なく,プログラミングに集中でき,学生の反応は非常によい。
最後に,このVSCodeの利用方法はWeb検索してもなかなか見つからない貴重なもので,同僚のY氏から教わったものである。