社会人基礎力ってなに?
昨年末、第2回富山県リカレント教育等産学官連携推進会議の小委員会に出席しました。
会議の内容は前回(第1回)の会議で実施することになった、県内企業に対するアンケートをもとにこれから富山県内の企業で働く
従業員にどのようなリカレント教育が必要なのかを検討する会議です(会議の内容は今後富山県から公表されることになると思います)。
アンケートは、企業向けと従業員向けのものが集計されていました。
このアンケートの中で特に驚いた点が1点ありました。
それは「どの分野のリカレント教育を受講させたいか・受講したいか」という設問 )に対し、
企業側の意識の中でも従業員側の意識の中でもどちらも「社会人としての基礎力」を学ばせたい・学びたいといった項目が50%以上を超え、
高い割合を示していたことです(特に企業側からの回答では73%にのぼり他の項目を圧倒していました)。
本学では社会人基礎力を向上させるグループワークやグループディスカッション等の素材として企業訪問を取り入れ、
企業の持つ企業理念や企業戦略等を学びながら、自らの理念(キャリアアンカー)や生き方の戦略を考えてもらうよう努力してきました。
また同時に、企業訪問を通じて、企業がモノを売る先に必ず顧客がいるという現実を知ってもらうことで、企業活動がいかに顧客を重視し成り立っているのかを知り、
企業で必要とされる社会人基礎力の向かう最終地点に「顧客」がいるということを、少しでも認識させたいという思いもあります。それがこの結果を見た瞬間、
「あれ、…?」と、しばらく言葉が出ませんでした。「顧客を意識させることの苦手な大学に、企業が社会人基礎力のリカレント教育を望む?」
「企業訪問していたこと自体本当に良かったの?」「あれ?あれ?何か変?」
大学では企業活動の中で使う「生産に関わる知識」「営業戦略に関わる知識」「物流に関わる知識」など、
それぞれの分野に限った高度な専門知識を提供することができます。一方、企業活動の中では、それらを連携させ顧客からの情報を得ることができます。
顧客のためにモノを作り、モノを売り、モノを運ぶ。企業であたりまえとされる社会人基礎力は顧客目線で考えるからこそ醸成されていくものではないでしょうか。
大学での社会人基礎力?考え直さなきゃ?憂鬱な日々が…、まだまだ続きます!!