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 札幌大学 :尾田 智彦 


持続可能な秋学期を願って

 札幌大学でも、GW開けから全面的にオンライン(遠隔)授業が始まりました。 それに先立ち、4月にはFD講習会が2週間開催されました。 特に第2週目は、複数の講師がいる教室にPCを持ち込んで自由に試行錯誤できるものでした。 筆者は10時間以上参加し、ある程度自信を持って新学期に臨むことができました。 やはり、対面でいつでも質問のできる状況で「何だ、こんな事か」という問題の多くを解決し、何とか滑り出したようなものです。

 一方学生は、オリエンテーションこそ対面でしたが、授業はいきなりオンラインです。 これまでも、担当する英語の授業ではe-Learningを活用して来ましたが、最初のうちは教室を走り回ることもあります。 画面を直接見ながら指示するのが、最も簡潔で確実です。 「デジタル・ネイティブ」と言われる世代でも、特にここ2〜3年は、PCの苦手な学生はむしろ増加しているという実感を持っています。

 オンライン授業では、多くのことを「明確化」「言語化」「電子化」することが求められます。 このことが、教育内容の見直しや洗練に繋がります。 一方で、学生の画面で指示すれば一瞬で終わる「何だ、こんな事か」という問題にオンラインで対処し、あるいはコピーして教室で配っていたものを全てスキャンしPDF化しアップロードすることにも、多くの時間と労力を費やしました。

 7月に北海道大学高等教育研修センター主催の「学生はオンライン授業をどう受け止めているのか」というZoomセミナーに参加し、学生の生の声を聞く機会がありました。 印象に残ったのが「『まわりにいる学生や先生と助け合いながら』ができない」というものでした。 また、よく言われる「課題の多さ」に対しては、「課題の量は変わらない。課題を『こなす』難易度が上がっている」という声がありました。 学修内容以前の負担感が大きいとすれば、この点は我々としてもしっかり受け止めるべきでしょう。

 "We are the first generation."と、学生に常々言っています。 新しい時代の教育をより良いものにするためにも、多様なFD活動がこれまで以上に求められていますが、それはただ戦線を拡大するものではなく、学生にも教職員にも持続可能なものであって欲しいと願います。


   
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