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 青森県立保健大学 :神成 一哉 


遠隔授業推進担当者として感じたこと

 新型コロナウイルス感染症が蔓延して半年以上経過しました。 どの大学でもその影響は大きかったに違いないのですが、本学においては、少なくとも授業に関しては基本的に通常の対面授業を行いながら前期を終了できました。 おそらく後期も同様に進められるものと想定しています。 ほぼ対面授業のみで授業ができた大学は全国的に見ても非常に少なかったことが報告されていますので、これは我々にとっては幸いなことでした。 本学で対面授業が維持できた背景には、青森県の感染者発生が非常に少なかったことに加え、学長以下教員全体の総意として、可能な限り対面授業を維持しようという姿勢で取り組んだことが大きかったと思います。

 そうは言いながら、実習体制の組み直し、外部講師の遠隔授業への変更など、早急の対応に迫られる事態は多数発生し、教職員だけでなく学生も振り回される日々でした。 コロナ禍の対応で強く感じたのは、確実なことがわからない中で物事に対応することのむずかしさです。 考えてみれば、東日本大震災においても類似した経験をしましたが、今回はどこか様相が違います。 色々考えられると思いますが、ひとつには自粛などの行動制限がほぼすべての国民に影響するため不安が大きいこと、それと震災時に比してはるかに情報技術が進歩した分、逆にコロナに関する情報の氾濫で個人やコミュニティにおける判断が多様化し、社会の分断を招いていることかと思います。

 大きな話は置いておき、大学における私個人の立場としては、遠隔授業の準備と推進の責任者に指名され、日々その対応作業に追われ続けた中で現在に至っています。 遠隔授業については、これまでのリレーエッセイで皆様が述べられている通り、ソフト面、ハード面での課題は山積しています。 特に保健医療福祉の専門職を育成する本学においては、実習、実験など遠隔授業に組み込むことが困難な科目をどのようにするかは大変悩ましい課題で、解決の方法を探っているところです。

 遠隔授業推進の準備をしてきた中で最近思うことは、遠隔授業をはじめとするオンライン化の流れは、おそらくコロナ禍が一段落しても続いていくだろうということです。 実際、トライアルでオンライン授業を行ってみて、学生とのコミュニケーションの取り方や課題の出し方などは工夫次第でかなり可能であり、むしろオンラインの方がうまくできる場合もあるとわかってきました。 必要に迫られて使い始めたオンラインツールでも、オフラインにはない可能性が見つかってきています。 我々はこの状況を受け身の急場しのぎと考えず、現状を改善するチャンスととらえ、積極的によい方向を目指す心構えを持ちたいと思います。


   
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