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 羽陽学園短期大学 :松田 知明 


新型コロナウイルスと本学の教育

本学は山形県天童市にあり、幼児教育科と専攻科福祉専攻(1年課程の介護福祉士養成)で構成する、在籍学生210名の小規模な短期大学である。 平成17年からFD・SD推進委員会(平成29年に現名称に変更)を組織し、学内での公開授業や研修会などを行っている。 平成22年3月からは卒業時満足度調査を実施している。 その結果は、10年間ほぼ同じ傾向で、「学生生活を点数化する」という問いは85点(100点満点)前後と高く、さらに授業を含めた教職員との関わりに「非常に満足」と回答しているものは50%前後と高くなっている。 教職員との関わりに満足している学生が多いのは、小規模の短期大学のため学生と教職員との接点が多く、教職員も学生と機会あるごとにコミュニケーションをとり、学生にあわせた支援を行っていることによるものと考える。  

 小規模な本学にも、新型コロナウイルスの影響は容赦なく訪れた。 卒業式は午前と午後に分散し、クラスごとに卒業証書(又は修了証書)等の授与だけという形で実施した。 4月の入学式は、新入生に本学の学生としての意識を高めるため、入学生のみで実施した。 さらに、全学生のオリエンテーションは行えたが、4月6日午後から対面授業を休止せざるを得なかった。 コロナ禍の授業開始の方法を検討し、4月25日には全学生がメールアドレス(Gmail)の取得を完了し、5月8日からZOOMを使った遠隔授業を開始した。 その間4月末に全学生にアンケート調査を実施したところ、入学生は大学での新生活に不安を持ち、2年次と専攻科の学生は資格取得のための実習と就職活動に不安を持っていることが分かった。 これに対応するために、5月第4週から学年ごとに段階的に対面授業を開始した。 授業開始に当たっては、学内の消毒などの感染防止策を講じ、8月中旬には前期授業を終了することができた。 終了にあわせ全学生と教職員にアンケート調査を実施した。 学生からは、「コロナ禍での生活に不満」と回答したものは9%と低いものになり、3月以来試行錯誤を繰り返しながら対応してきた教職員は安堵することができた。 アンケートから学生の多くは早期の対面授業開始を歓迎し、教職員は改めて対面授業の大切さを認識することができた。 短期間で遠隔授業を開始できたのは、日頃のFD・SD研修の成果であり、各担任のきめ細かな対応があったことによる。 特に、コミュニケーションを殆どとることのないままに、休講状態になった新入生も戸惑うことなく対応できたことは本学の誇りだと自負している。

 本学にとって初めての遠隔授業での経験は、学生にとっては首都圏に就職を希望する場合の学生に有効ツールとして機能している。 メールを使ったレポート等の提出を行う科目も複数出てきたこと、また、実習時の学生への個別指導などへの活用も考えられるなど、教員にとってはコロナ禍により新たな教育方法を模索できるようになる効果もあったと考える。

今後新型コロナウイルスによる影響は未知であり、さらに自然災害などによる危機管理への対応も多く発生すると思うが、今回の経験をもとに教職員と全学生が一体となって乗り切れるものと確信している。 


   
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