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 関東学院大学 高等教育研究・開発センター 准教授 :杉原 亨 

 responを活用した“話さない”アクティブラーニング”の実践

 昨年度に引き続き、リレーエッセイを担当します、関東学院大学の杉原と申します。この記事では、コロナ禍によって対面授業でのグループワークが困難になったことを受け、ICTの活用により、どの程度“アクティブラーニング”に近いことができるかを試行錯誤した授業実践についてご報告いたします。
 私の春学期の担当科目「KGUキャリアデザイン基礎U」は全学共通科目です。受講生が117名でいわゆる大人数授業ですが、学内のルールに従って感染予防を徹底したうえで対面授業を行いました。
 これまで、この授業を含め私が担当しているキャリア系の対面授業では、ディスカッションを伴うグループワークや、プレゼンテーションなどが、かなりの比重を占めていました。そして毎授業内で学生が自分の意見を発言する機会を必ず一回は作るようにしていました。
 この春学期では感染予防に気をつければグループワークなどは可能だったかもしれませんが、大人数授業ということもあり、躊躇がありました。それでも、いわゆる“アクティブラーニング”なしの授業も考えられませんでした。そこで考えたのが、アンケート及びクリッカーアプリ「respon(レスポン)」の活用です。
 本学ではresponを採用しています。responは授業内でのアンケートや自由記述の集計が可能で、その結果をリアルタイムで学生に共有できます。また、学生は他の受講生が記述した内容を閲覧することができます。教員はPC(HP)で操作し、学生はスマートフォンのアプリで操作します。その準備段階として、初回授業ではresponのアプリのインストールと使い方のレクチャーを行います。
 従来の対面授業では、講義パート(20分程度)の後、学生はリアクションペーパーに個人の考えを記述し、それをもとにペアもしくはグループワークを行い、この形を繰り返して毎回の授業を構成していました。それを今学期はワークの部分をresponに置き換えたのです。一例として、学生が「自分の強み」に関してスマートフォンで記述し、その結果を教室のPCからスクリーンに投影し、気になった意見を取り上げて教員が解説します。responには評価機能もあり、他の意見で良かったものについて星印(★)をつけることができます。SNSにおける“イイね!”機能のようなものです。この機能を活用することで、学生は自分以外の考えを学ぶきっかけにもなります。
 事例として私の実践を紹介しましたが、また発展途上であり改善の余地が大きいと言えます。今後、このような実践事例を苦労したことや失敗したことも含めて、“対面”で皆様と語り合える日を心待ちにしています。

   
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